雲海の不思議な力
朝靄に たわむれ飛び去る 雀かな
朝起きると、靄が立ち込めていました。
朝の冷え込みが強くなってきたからですね。
この靄を山の上や、標高の高い所から眺めると、雲海になります。
私の父がまだ独身の頃、休日に徹夜でどんちゃん騒ぎをした後、友人と一緒に雲海を見に行こうということになり、車に乗り込んで近くの山まで見に行った事があるそう。
気象予報など、何も確認せずに向かったので、本当に見えるのか確証はなく、ただその場のノリで行ったそうなんですが…
山頂に到着すると、見事な雲海が広がっていた。
私の住む実家周辺は谷になっているので、まさに山と山の間を海のように雲が広がっている。
父は、しばらく無言で眺めていたそうなのですが、ふと、このまま雲の上を歩いていけるんじゃないかという感覚にとらわれ、すいよせられるように歩き出したそう。
ハッと我に帰って、崖下に落ちずにすんだのですが、本当に不思議な体験だったと話していました。徹夜明けで、頭がボーッとしてたんじゃないの?と思いますが、「雲海には不思議な力がある、お前も気をつけろ。」と真面目な顔をして言っていました。
美しすぎる風景には、魔力が宿るのでしょうか。