暖かい冬
上着ぬぎ 夕暮れ歩く 冬ぬくし
もう11月も半ばに差し掛かろうというのに、暖かいです。室内だと動き回っていると暑いくらいですね。
寝床につく時、私はしばらく本を読んでから眠るのですが、羽毛布団にしばらく入っていると暑くなってきます。
布団から足を出して体の熱を下げていると、
「あぁ、きっとおばあちゃんも足を出してるんだろうなぁ…」と、母方の祖母を思います。
真冬でも布団から足を出して寝るくらいの暑がりで、冷え性の母とは正反対。勝ち気な性格で、今は丸くなりましたが、昔は鬼婆だったと母は言います。
そんな祖母は機織りの仕事が忙しく、子供の面倒はもっぱら曾祖母にまかせていたのだそう。
母は、曾祖母にたいそう可愛がられていたらしく、夜中に甘い物を食べさせてもらったり、甘やかされたせいで、虫歯だらけになったと言っていました。
母は曾祖母から「コボヤ」と呼ばれていました。
これは、可愛い子どもという意味だそう。
私が物心ついた頃には、曾祖母は寝たきりになっていましたが、従兄弟も一度「コボヤ」と呼ばれたことがあったと言っていました。
家の裏山には松茸が出る秘密の場所があり、曾祖母は母にこっそり教えてくれたらしいのてすが、「忘れちゃったな」
と笑っていました。忘れないでほしかった(笑)
曾祖母の話になると、今だに涙ぐむ母。
夏川りみの「涙そうそう」を聞くと泣いてしまう母。
感情をあまり面に出さない母が、思い溢れる様子を見ると、曾祖母からうけた愛情の深さは如何ほどかと思われます。