音楽CDをカンで選んでいたあの頃
まだ音楽をネットからダウンロードしたりストリーミングで聴く前の時代、音楽はラジオやテレビから流れてくるのを聞くか、自分の好きな音楽を聴こうと思ったら、レコード、CD、ミュージックテープなどを買うか、レンタルショップで借りてくるか、あるいは有線放送などのリクエスト番組でリクエストするぐらいしかありませんでした。
会社に入る少し前に時代はレコードからCDに変わりました。
一時期、聞いたこともない歌手のCDを試聴することもなく、タイトルと曲名とジャケットの雰囲気だけで手に入れるというのが自分の中で流行りました。すでにある程度有名になっていた方もいましたが、少なくとも私はそれまで一度もその方の歌を聞いたことが無いままカンに頼って選ぶのです。
自分の知らない歌声や音楽に出合える楽しみがありました。そして自分のお金をかけるので、最初はちょっと自分には合わないかもと思っても、何度も繰り返し聴き込むうちに、なんとなく愛着がわき、良さを感じるようになってきます。
そうやって知った歌手の中のお一人が、シンガーソングライターの岡部東子さんです。
アルバムは2枚だけ出していて、最初に偶然選んだのは2枚目のアルバム、「Stay The Sun」(1989) でした。
収録されている曲のどれも好きなのですが、特に2曲目の「ひまわり」が気に入っています。
当時、私は日本にいて、ひとり美術館や博物館によく行っていた時期でした。そんな時にこの歌が心に響きました。
最初に買ったアルバムがとても良かったので、1枚目のアルバム「AMNESIA (アムネジア)」(1989) を、今度は自ら探して購入しました。このアルバムも私はすごく気に入っていて、特に1曲目の「思い出の瞳」が私のお気に入りです。
1989年にたった2枚のアルバムで、凛とした風を残して去っていったような、そんな印象があります。人に話しかけるというより自分自身に語りかけるような岡部さんの曲をもっといろいろ聞きたいと思いました。
カンで選んだCDですが素敵な出会いがありました。
こちらは1枚目のアルバム「AMNESIA」から「Fredy」。