オンライン会議の功罪?
コロナが落ち着いてきたということで、ここ南国の石油開発会社も、ほぼ何も制約が無くなりました。
コロナ下での制約としては以下のようなものがありました。
その他熱が出た場合、濃厚接触者となった場合のルール等細かく規定がありました。
現在はそのほとんどが撤廃されています。
その中で、会議室の使用制限が解かれたにもかかわらず、会議だけは現在もオンライン会議が継続しています。
実際に会議室を予約して物理的に集まって会議を開催するよりもはるかに簡単に会議をアレンジできる点が、私も非常に助かっています(コロナ以前は会議室がなかなか予約できなかった)。
頻繁に行われていた国営石油本社ビルでの会議も、車での移動、駐車スペースからの移動を含めて行き帰りで1時間以上もかかっていたので、その点もオンライン会議は非常に楽です。
海外の株主の技術者が集まるワークショップや定例技術会議も、オンラインであれば、わざわざ数週間も前にインビテーションを送って、ホテルや飛行機のアレンジをしてもらい、会議室やブレークタイム用の軽食をアレンジして、参加者には何時間もかけて南国に出張して来てもらう必要もありません。
会議のアレンジや参加は非常に簡単になりました。プレゼンも意外に見やすいですしね。
しかし、その一方で、会議の重みが軽くなった感じもします。
それまでは会議の準備にも参加にも時間がかかるために、会議で決めるべきところ、落としどころを主催者も参加者も非常に熟考して会議に臨んできていました。事前会議資料も読み込んで、対処方針を立て、必要であれば会議の結論となるコンクルージョン&リコメンデーション (C&R) の文案なども用意して会議に臨むこともよくありました。会議の準備や参加が簡単ではないだけに、一度で議論を深め決着をつけようと、オンライン会議以上に真剣さがあったように感じます。
オンライン会議であれば、なんとなくいつでもまた集まれる、結論を持ち越しても何とかなるという意識が働くのでしょうか。会議の主催者も出席者も各会議へ臨む真剣さがやや低下したような感じもします。
オンラインでは出席者の途中退室も頻繁にあり、C&Rの練られ方も甘さを感じることもあります。
そしてやたら会議が増えました。一度の会議で決着をつけず、持ち越す議案が増えたことも一因にありそうです。
物理的に顔を合わせる会議では、場外の本音でのディスカッションやコミュニケーションも非常に役に立ちます。オンラインではこの「場外」「本音」のディスカッションが難しいのも悩ましいところです。
会議は「場外」も含めて真剣勝負。会議のレベルや内容によってはそのような意識で臨むことが必要だと感じます。オンラインだからできないということはないのでしょうが、その簡便さにより、ちょっとその意識が薄らいでしまったところもあるのかもしれません。
このようにオンライン会議の功罪はいろいろありそうです。これからは会議のレベルによって使い分けることが大切だと感じています。
Face-to-face の会議の良さは確かにあると思っています。それを感じている人も多いようで、ハイレベルの株主会議などは徐々にface-to-face での会議が復活してきています。