埼玉の男女別学公立高校
埼玉で、県の第三者機関が「共学化の早期実現を求める」勧告を出したということがニュースになりました。
[毎日新聞2024/3/15 17:00]
埼玉県は男女別学の公立高校があります。全国では男女別学の公立高校が昨年9県あったそうですが、埼玉県はそのうちの一つです。
男女共学と別学、それぞれのメリットはいろいろ考えられると思います。実際に入学してみてそれぞれの生徒が感じる感じ方も、各生徒の個性や学校の雰囲気、教育方針などによっても随分違うのではないかと思います。
別学においては男女が協力してなにかに取り組むという機会は、確かに共学校と比べて少ないと思います。しかし必ずしもそれが、将来卒業した後、多様性の受容やジェンダー平等の意識に否定的に働くかと言えばそうとも言い切れないような気がします。
「どの様な環境で学びたいか」と、「男女をはっきり区別したい。区別して扱ってほしい・扱いたい」という意識は別問題のようにも感じます。男女共学、男女別学に関わらず、ジェンダー差別や分断の意識を生まないような教育や配慮を行っていくことが重要なのだと思います。
そのうえで、公立高校に共学、別学の選択肢があっても良いのではないかと私は今のところ考えています。
ただ、気を付けなければいけないと思うのは、男女共学や別学の選択肢を設けることによって、公立高校として他のなにかしらの教育課程や教育を受ける機会均等の妨げになってはいけないということです。共学校、別学校が存在する中で、ある男子校や、女子校や、共学校だけになにかしら特別な権利が与えられたりするようなことがもしあるならば、共学、別学の選択の自由は成り立たないということになってしまいます。
社会はジェンダーの区別なく協力していくべきであるということを考えると、共学がスタンダードと考えても良いのかもしれません。しかし、個人の尊厳やジェンダー平等の意識を定着させる教育において、どうしても男女共学が前提であると言えるのかどうか、私は今のところ確信がもてないというのが正直なところです。ただ、「男女別学が伝統だから伝統を失いたくない」という卒業生のノスタルジアでは説得力はない気がします。
個人の尊厳を守り、差別や分断をなくすような教育をいかに実現していくかがこれからますます重要になっていくと思います。これからも私自身考えていきたいです。
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