夏の熊本、阿蘇山、草千里、有明海、菊池渓谷の思い出
小学校6年生の夏。3つ離れた兄と二人で夏休みに熊本に遊びに行ったことがあります。
私自身はほとんど記憶にないのですが、埼玉で生まれた私は父が仕事をしていた熊本にすぐに移り、2才半ごろまで熊本で過ごしたそうです。
私が小学6年の時にはすでに熊本を離れて何年もたっていましたが、お世話になった方々が熊本にたくさんいらっしゃったので、その方々を頼りにして、兄弟二人の冒険旅行?となったわけです。
熊本に住んでいたころは、熊本市内の水前寺公園の近くに家があったということです。私は本当に記憶があやふやなのですが、熊本から埼玉に引っ越す直前に、大きなお風呂 (温泉?) に入っている光景、寝台車に乗っている光景が靄のように記憶に残っています。なので、兄との熊本旅行は本当に未知の世界に行く感じでした。
兄との旅行の行きは博多までは新幹線を乗り継いで、博多からは在来線に乗り換えて熊本に行きました。
熊本では父のかつての同僚のご家族の皆さんに、本当にお世話になりました。私にとっては初めてお会いするようなものでしたが、お忙しい中、ご家族で心から歓迎していただいて、お家に泊めていただき、いろいろなところに案内していただきました。
泊めていただいた方の家には私たち兄弟より少し年上の姉妹がいらっしゃったのですが、今考えると、どこの誰ともわからないような男の子二人が急に訪ねてきて、「面倒見てあげて。いろいろ案内してあげて。」と親御さんから言われていたのでしょうから、大変迷惑な話だったでしょう。
でも、ほんとうに嫌な顔一つせず、大人たちが案内してくれるあちこちについてきてくれて、やさしくいろいろ説明してくれたり、気遣っていただきました。多感な?少年時代の話ですから、もの静かでやさしいお姉さんたちに、私たち兄弟は照れてなかなかお話もできなかったように思います。最後にちゃんとお礼を言えたのかどうか、いまさらながら心配です。
熊本は本当に美しいところでした。
雄大な阿蘇山と草千里。活火山を身近にみるのも初めてで、噴火したらどうしようとドキドキしていました。放牧された馬たちが悠々と草を食べている広大な草千里。外輪山という言葉もしっかりと覚えました。
天草諸島を結ぶ橋を渡りながらみた夕暮れの有明海。海なし県から来た私たちには目を見張る美しさでした。
そして、熊本県菊池市にある菊池渓谷。私たちが熊本を訪ねたときは天気も良くて、大変暑かったのですが、まるで天然のクーラーの中にいるような清涼感と流れる水の美しさ、そして木々の緑のさわやかさに本当に子供ながらに癒されました。こんな美しい渓谷があるなんて、それだけでも熊本はなんて魅力的なところなのだろうと思ったものです。
熊本は豊富な地下水をたたえる街だと教えていただきました。実は私の父もこの熊本の地下水や有明海の環境を守るために熊本で働いてきたのだと、父の元同僚の方々から教えていただきました。父の仕事の原点のような場所なのかなと思います。
熊本旅行の帰りは、博多から寝台特急「あさかぜ」に乗りました。当時、電車・列車大好きだった私は、どきどきワクワクでした。しかし、夜の車窓と列車の音に、楽しかった熊本両行も終わってしまう郷愁みたいなものも感じていました。
この時の夏休みの熊本旅行は、私の心の中にいろいろなものを残してくれました。いまも思い出すと、心の中がうずうずっとします。またいつかゆっくり回ってみたい場所です。
2016年に発生した地震では熊本、大分などで大変な被害がでました。南国でニュースを聞いて大変心配しておりました。お世話になった方々もふくめ、被害にあわれた方々は大変なご苦労をされたのではないかと思います。復興が進んでいることを心から願います。
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