なつめ

あったこと、やりたいこと、思い出したこと。

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最近の記事

「ほんとうのじぶん」が汚かった

本音で書くと、本当の自分が見える。と言う記事をAIにオススメされた。つまり本音を隠して、人当たりのいい、スキやフォロー数を増やすための「ウケ狙い」な記事は虚しくなるだろうという含みを持たせている。その通りだと共感した。その点私はフォロワーもいないから、気にする相手もおらず、本音しか書いていない。しかし自分の過去記事を読んでいると、何かAIにオススメされた記事と雰囲気が違う。少し考えて、私はひとつの確信をえた。つまり、本音で書くと見えてくるはずの「本当の自分」が、ちっとも綺麗じ

    • ひきこもり

      東京にきて、まったく一日外に出なかった日は初めてかもしれない。なんにもしない日は何度もあっても、なんにもしない日にもお腹は空くから、スーパーなり食べ物屋に行くし、食材が家にたくさんあってもちょっと散歩したくなる。でも今日は食欲すら湧かなかったし、外は大雨で、ずっと寝っ転がっていた。 週に2回くらい両親と電話で話す。多い方だと思う。優しいお父さんとお母さん。34歳になってもお父さんと結婚したいと思う。でも今日みたいに、二日連続で電話したのは初めてだったかも。私は無性に落ち込ん

      • ゆううつとか、態度とか

        私は長らくとある病気を抱えていて、今でも月に1,2回病院に通っていて、なんでこんな目に合わなければいけないんだろうって落ち込んでいるうちに20代が終わり、30代も半分くらいが終わり、精神科でいろいろ試していくぶんマシにはなったもののあくまでマシになったというだけで、まあ生きることへの期待値が高いのだと言ったらそれまでだけど、かと言って期待値を下げようにも他人の不幸な話とか世界の貧しい国を逃れて生き延びている人たちの惨状とか、考えてみても所詮他人事、私は私を生きるしかないのであ

        • 下着の話をしよう

          下着を買った。しかもデパートでだ。何年ぶりだろう。久々にちゃんと化粧をしてヒールのあるパンプスを履いた。黒のブラとショーツだ。お姉さんが丁寧に接客してくれて、仕事とはいえ私も大切にされる喜びを感じた。サイズを聞かれてB75と答えたが、測ってみるとA80らしい。シンデレラバストという言葉でも包み込めないガタイのよさが恨めしい。しかもいろいろ試着してみると80でも小さいものもあり、かといって85ともなるとAやBカップはデパートにもほとんどない。お姉さん苦戦。 「Bカップだと思っ

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          嫉妬の天才

          だと思う。誰にでも嫉妬する。老若男女、日本人外国人、裕福な人そうでない人、みんな。勉強を教えるのが好きだから先生になりたいと思ったことがあったけど、自分より下世代の子供たちが、私よりもよい世の中で生きることを想像したら嫉妬で苦しくなって、やめた。ドブを走るネズミに嫉妬したこともある。生存のためだけに生きている感じが羨ましくなったのだ。 嫉妬は特に行動力を生まない。紙のノートやここのnoteにわーっと思いついたことを描きまくる衝動は生まれるし、実行もしてみるのだけど、「行動」

          嫉妬の天才

          ムカつく!を大切にしたい

          保健所の対応にものすごく!!!いらいらした。こんな気持ちに「公務員は甘えてる!削減すべし!!」なんて政治家がいたら、つい応援してしまいそうになる。電通やテレビ局は何かと叩かれがちな会社だけど、友達が電通やNHKに内定をもらったらすごい!おめでとう!となるわけで、このあたりにどんな意見にも同意しきれない自分があるのだろう。 もやもやするとよく記事で見かけるけれど、あれって本当にもやもやしているんだろうか。私はあんまりもやもやすることがない。もっとストレートに、ムカつく!って思

          ムカつく!を大切にしたい

          横尾忠則展に感動した

          横尾忠則展がすごくよくて、一週間たった今でも余韻が残っている。 正直ちょっと避けていたタイプの芸術家だった。なんかメディアによく出てくるような気がしたのだ。食わず嫌いは本当に良くない。MoTに入って3時間で、私の横尾忠則に対する印象は180度変わってしまった。 なんと言っても物量がすごい。いきなり大きな絵がどかん、どかんと登場。なんでもノートパソコンで調べれば見ることができる時代で、私は大きな絵が好きだ。ピータードイグもそうだったけど、大きな絵に書かれた超越的な世界は意味

          横尾忠則展に感動した

          やくびょうがみ

          相方に「選挙いこうよ」と言ったらしぶられた。生きることや死後に興味がないと言われたから仕方ない。今回もたぶん一人で行くだろう。私が入れた人は大体負ける。いろんなところに住んだし、与党が勝ったり、野党が勝ったり、無所属の人が勝ったりしたけれど、私が入れた人はいつも負けた。そういえば小さい頃、私がナゴヤドームに行くとドラゴンズも大体負けた。あのころは強かったのに。 なぜ私が投票した人が負けるのかというと、多分演説カーで自分の名前を叫ぶようなうるさい候補者には入れないからだと思う

          やくびょうがみ

          樋口一葉にハマった

          あんまり古文って好きじゃない、というか英国数社理で一番苦手だったし、大学で読書好きになってからもそれを引きずったのか読むのは翻訳文学ばかりで、唯一の例外は『山月記』くらいだったか、とにかく源氏物語はもちろん漱石も芥川も読まなかったし、実は三島と太宰はちょっと読んだけど川端康成のジメジメした文章が嫌い、それに比べて欧米の小説は暗い話でも淡々とあっさりしているというか、乾いているというか、理屈はこねるけどつまるところ国語コンプレックスのせいなんだろうなと思っていたけれど、最近突然

          樋口一葉にハマった

          将来の夢みたいなやつ

          幼稚園の誕生日会、小学校の作文や卒業文集。「大人になったら になりたい」と言わされる場面はけっこうあって、私はそれが毎回毎回嫌だった。 本音をいえば「お母さん」になりたいのだが、およめさんとかお母さんとか言うと物議を醸しかねないのは子供ながらに気づいていた。賛否を巻き起すまではいかずとも、そんなことを子供に言わせた社会について誰かが「モヤる」のが想像できる。私のお母さんは専業主婦だったけど、学校の先生が女なら先生は働く女なわけで、母との間に溝があることは薄々わかるものだ。実

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          世界ミュート化計画

          noteにミュート機能がほしいなあと昔かいたが、よくよく考えればnote以外にもミュート機能がほしい場面はたくさんありそうだ。 上司に怒られているとき。 友達のマウント話。 後悔するとわかっていてリンクを踏んでしまうニュース。 突然怒鳴ってくるおっさん。 というより、私たちの世界は、ミュートしたくないもののほうが少ない。偶然出会うノイズが可能性につながることもあるだろうが、可能性につながらないノイズ、線にならなかった点たちに悩むくらいなら、可能性ごと捨ててしまいたい

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          ボディポジティブからの腰痛

          「太った…」「痩せてるじゃーん!」というよくある会話は、そもそも馴れ合ったり、お互いの承認のためのグルーミングのようなものなので、数字は嘘をつかないとムキになって「65キロです」などと申告しても、表面上の言い争いに勝利してもっと大切な何かに敗北するだけ。 しかし65キロになった途端に腰が痛みだした。散歩をしていてベンチに座る。汗を拭いて、足の疲れが取れたと思って立ち上がると後ろから尻を突き飛ばされたような痛みが走り、前のめりによろめいて倒れそうになる。 中学生のときも私は

          ボディポジティブからの腰痛

          江戸時代にハマった

          江戸にハマっている。とちらかというと前は大正モダンが気になっていたけど、いまは江戸だ。江戸時代はおもしろい。一番の推しは葛飾北斎。富士山に波がサバーンってなってるやつもいいけれど、私の心を捉えて離さないのは『北斎漫画』だ。 江戸の「ふつうの人たち」が生き生きした姿が、漫画らしくデフォルメされて描かれているのが好きだ。ごろりと寝転んで巻物か貸本だかを読んだり、隠し芸をやってみたりしているシーンはとくに愛おしい。魚や花や動物の種類をこれでもかと描きあげていくエネルギーも凄みがあ

          江戸時代にハマった

          焼売メタボリック

          夜ごはんにシューマイをとっておいたところ、夕方研究室仲間に誘われてみんなで夜ごはんにいった。楽しい会食の後、私は研究室にもどって、家に帰ったら寝るだけになるまで勉強しようと志した。せっかく夜ごはんも食べたし、研究の話でモチベも上がっている。こうしてシューマイは明日の昼ごはんになった。 しかし深夜に帰宅するとどうもおかしい。お腹が空いているのだ。夜ごはんをきちんと食べたのに。むしろ私ひとりごはんお代わりしたのに。お腹が空きながら寝るのは悲しい気持ちになるので、汁物で胃袋を誤魔

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          抜け毛とわたし

          私のいる場所には、必ず髪の毛が落ちている。 むろん私の毛である。暗い茶色の、真っ直ぐな、セミロングの髪。 朝起きると、布団の上に5,6本、私の髪の毛が落ちている。げんなりしながらそれを拾っているうちに、さらに5,6本見つかる。寝ている間に抜けたらしい。 包丁を持って、昼ごはんの準備をしていると、二の腕あたりにくすぐったい感触を覚える。気のせいか、虫でもついたかと腕を見ると、私の髪は腕から滑り落ちてふわりふわりと舞っている。 気になって拾いあげると、すぐそばにもう一本、

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          直人の仮面

          直人は生まれた時から仮面をかぶっているような気がした。小学校ではいじめられないように乱暴者の仮面を、中学では厨二病と思われないようにスポーツ少年の仮面を、大学では就職のために人と関わることが好きな仮面をかぶった。大体に置いて適切な仮面を選ぶことができたし、演技にも自信があった。そんな要領の良さのおかげで、受験こそ失敗したものの、SNSに公表しても恥ずかしくない有名会社に就職し、順風満帆な独身暮らしを送っている。 栗きんとんの包み紙を剥がした。中津川名物の栗きんとんだ。直人は

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