思いつき短編:あひるのバリケード

夜闇に抱まれている工業団地を残業した俺はようやく帰路についていた。


よくある、上司や同に無理矢理仕事を押し付けられたわけではなく単純に忙しかったのだ。

俺の会社は企業の中ではちゃんとしているし

残業手当も必ずつく。

今時、とても良い会社だ。

現在、通っている道路は渋帯解消も謙ねて路面電車専用の車線を作っている。

 通る時はいささか複雑で難義しているが幸運なことに事故は起こしていない。

車を走らせて工業団地をぬけると一気にそこから先は田舎の田んぼ道となる。

土地の境を超えるだけで驚くほど変わるのだ。 

一寸先は闇の中という言葉があるように一番明るいヘッドライトを付けないと先が見えないくらいに暗い。

道はぜいたくなほど整備されており、真っすぐな道な のでついスピードを出してしまう。

俺も少しスピードを出していると、前方に何かがあった。

すぐにブレーキをかけて2m手前で停止した。

ライトに照らされた佇んでいるそれは、路面電車開通工事の現場にあったあひるのバリケードだった。

しかも1個だけ、絶妙なバランスをたもっているのか前後の揺れひとつなく立っている。

変だなぁと思いつつも、そのバリケードを安全な道路脇に立てかけて車に乗った。

数分走った所でまた前方に何かがある。 

先ほどのあひるのバリケードがあった。 

さすがの俺も気味悪くなって、車線を変更して先へ進んでほっとしたのもつかの間、再びあひるのバリケードが待ちかまえていたのだ。

俺は冷静な判断ができず、そのままバリケードに向かって走りひき到していった。

もしかしたら後からついてきているかもしれないと考えると怖わくてふり返れなかった。

無事、自宅アパートへ着くとあまりの緊張のせいか、リビングに大の字で寝ころんでしまった。

そりゃそうだ、あひるのバリケードがついてくるなんてありえないから。

俺は身体が怠くなる前に上半身を起こし、立ちあがって風呂に入った。

温かなシャワーで全身を洗い、湯船にゆっくりとつかる。

今日一日の疲れが氷のように溶けていく。

さっきの出来事も疲れのせいにしたの風呂から上って一発目のビール缶の口を開けた。

冷やしておいたコップにゆっくりと注ぐ。 はじけ飛ぶ白い泡をこぼさせまいとロにビールを運んだ。 

シュワシュワと口の中で刺撃を与え、ホップと麦の苦みとアルコールがお疲れ様というように身にしみていた。

ーーーチンッとタイミングよく電子レンジの音が鳴った。

コンビニで買った弁当が温め終わる。 

食卓テーブルでテレビを見ながら夕食を食べ始た。

身も心も満たされた後はどうしても眠気におそわれる。 

しかも今日は特に忙しかったので余計にまぶたが重い。 

明日も仕事なので俺は早く就寝した。


夢の中で俺は例のあひるのバリケードの大郡に追いかけられていた。

一生懸命走るも地面がぬかるんでいるようで

思ったより前に進ない。

後ではグワッグワッとあひるが鳴く。

まるで、ママ、ママ、と言っているようだ。

俺との距離が手を伸ばせば届きそうな程まで

縮んだその時に目を覚ます。

ひどいが汗をかいていた。

息を整え少し安所したところで胸の辺りの重みに気づく。


ゆっくりと胸の方へ視線を移すと、昨日の あひるのバリケードが乗っていた。


俺の車のタイヤ痕であろう、全体に斜めにタイヤの模様がくっきりと付いていた。



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