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EC物流とは|仕組みや課題、EC物流を最適化するメリットを紹介

こんにちは!NA×NAです。

ECベンダーとしての視点から、業界のトレンドや課題を的確に把握し、最適な情報配信を行っています。ECサイト(オンラインショップ)の立ち上げから、売上UPや顧客満足度向上など、EC運営のサポートしています。

EC業界に限らず、幅広い分野・業界の知識を活かして正確な情報配信を心がけています!


EC市場が急速に拡大する中、その裏側を支える物流の重要性がますます高まっています。EC物流を整備することで、顧客満足度の向上からコスト削減まで多くのメリットが期待できます。

本記事では、EC物流の概要から特徴、さらにはよくある課題と改善ポイントまで幅広く解説します。

自社の物流戦略を見直し、より効率的なサービスを実現するための参考にしてください。


EC物流とは

EC物流とは、ネットショップなどECサイトで販売される商品の受注から出荷、そして顧客への配送に至るまでの一連の物流プロセスを指します。

店舗型のビジネスと異なり、小口配送や多品種管理への迅速な対応が求められるため、効率的な仕組みづくりが欠かせません。

具体的には、商品の入庫・検品、在庫管理、ピッキング、梱包、配送、そして返品対応まで含まれます。これらの一連の工程を円滑に運用することで、顧客満足度の高いサービスを実現し、リピーター獲得やブランド価値向上につながる点が大きな特徴です。

また、EC主要企業のAmazonや楽天などは独自の物流システムを整備し、急成長を支えています。中小企業や個人事業者においても、外部の物流事業者を活用することでスピードと正確性を両立し、競争力を高められるケースが増えています。

EC物流の主な特徴を4選

EC物流には、一般的な物流とは異なる特徴があります。ここでは代表的な4つのポイントを確認しましょう。

ECでの物流は、顧客からの要求に合わせた柔軟かつ迅速な対応が期待されます。少量多品種の注文が飛び交うため、従来の大量一括発送とは異なる運用となるケースが多いです。

加えて、ラッピングや販促物の同梱など、ブランドイメージや顧客満足の向上につながる付加価値が重要視される点も特徴です。

①配送先は多いが商品の数量は少ない

EC通販では、多岐にわたる地域や個人宅への発送数が増加しやすい一方、一件あたりの出荷数量は少量であることが一般的です。例えば、アパレル商品では、一度の注文で1~2点しか購入されないケースが多いので、効率的な小口配送が求められます。

こうした発送先の拡散は、在庫のレイアウトから配送ルートの選定まで検討範囲が広がる要因となります。数多くの顧客への同時対応が必要なため、デジタルシステムを活用した在庫と注文状況の管理が欠かせません。

結果として 「スピード」 と「正確性」 のバランスが、EC物流の大きなポイントとなります。

②ラッピングや同梱などの個別対応が重要

ECサイトでは、ギフト需要や特典の同梱など、独自の付加価値を提供することで他社との差別化を狙うことが多々あります。ラッピングや手書きメッセージの添付、キャンペーン商品やカタログの同梱などもその一例です。

これらの個別対応は、顧客満足度を高める一方で作業プロセスを複雑化させる要因でもあります。複数のオプションがある場合は特に、担当者への周知や作業ルールの標準化が必要となります。

結果的に、個別対応をうまく統合できる仕組みづくりが、EC物流全体の品質を左右します。

③受け取り方への柔軟な対応やスピード配送が必要

顧客がECサイトを利用する大きな理由の一つは、いつでもどこでも注文でき、短期間で配送を受け取れる点にあります。最近では当日・翌日配送をはじめ、コンビニ受け取りや宅配ボックス利用など、受け取り方法の多様化も一般的になっています。

このような多様化したニーズに対応するには、検索や在庫確認、倉庫内ピッキングから配送手配までシームレスに連携できる仕組みが重要です。特にリードタイムが短いほど、スムーズな連携が売上拡大に直結します。

柔軟な配送システムと協力する物流パートナーを選ぶことが、自社ECサイトの信頼度を維持する鍵となるでしょう。

④返品対応が起こりやすい

ECではサイズや色味の違いなど、イメージと実物が合わず返品が発生しやすい傾向にあります。返品受付から再入庫に至るまでのプロセスは、スピードや管理方法が不適切だと在庫ロスやコスト増につながる可能性が高いです。

返品商品を迅速に検品し、再販可能な状態に戻すためには、明確な作業手順やシステム連携が必要です。特に衣類や食品などは品質チェックが欠かせません。

スムーズな返品対応は顧客満足度とリピート率に直結するため、企業イメージを保つ上でも非常に重要なポイントと言えます。

EC物流の業務の流れ

EC物流は入庫から出荷まで複数の工程で構成されます。どの工程もスムーズに連携させることが鍵となります。

EC物流の基本フローは商品が入庫し、検品・保管されたのちに、顧客の注文情報をもとにピッキングされ、発送準備を経て出荷します。

これらの工程を効率化するには、在庫数を正確に把握し、指示ミスを抑える工夫がポイントです。

例えば、WMS(倉庫管理システム)を活用すると、入庫から出荷までのデータを一元管理できるため、作業ミスや在庫ロスの抑制につながります。

また、ピッキングや梱包においてもバーコードスキャンや自動仕分け機などを導入すると、属人的な作業を減らすことが可能です。

1. 入庫、検品

商品が倉庫に到着したら、まずは数量や外観の品質などを確認し、正確な在庫情報を登録します。誤った情報が入力されると後続の工程ですべてに影響を及ぼすため、厳格なチェック体制が求められます。

検品時にはバーコードリーダーなどを利用してデータを電子化し、属人的なミスを極力排除する仕組みを整えると効果的です。

この段階で発見できない傷や破損などがあると、クレーム対応につながる可能性もあるため細部まで注意が必要です。

2. 保管・管理

入庫した商品を倉庫内の指定場所に移動し、ロケーションをしっかり管理しておくことでピッキング作業の効率化を図ります。商品属性や回転率などに応じて保管場所を最適化することが重要です。

現場では、在庫をシステムでリアルタイムに把握し、欠品や在庫過多を防ぐ仕組みを整えると同時に、数量だけでなく消費期限や賞味期限を管理する場合もあります。

必要に応じて定期的な棚卸しを行い、在庫情報と実在庫のずれを最小限に抑える取り組みが必要です。

3. ピッキング、流通加工

顧客の注文を受けて、必要な商品を倉庫内から取り出す工程をピッキングと呼びます。スムーズなピッキングには、適切なロケーション設計とシステム連携が欠かせません。

流通加工では、検品・ラベル貼りやセット組みなど、その後の販売に向けて商品を仕上げる作業が行われます。ギフト用包装や複数商品をセットにする場合も同様に、作業手順がしっかり整備されていることが重要です。

ECでは各注文ごとに細かいオプションが付加されるケースもあるため、スムーズに対応できる環境を整えることが企業競争力となります。

4. 梱包

梱包では、商品が輸送時に破損しないようにプチプチや緩衝材を使用しつつ、開梱後の見栄えやブランドイメージを考慮した工夫が求められます。箱のサイズや形状を適切に選ぶことで、配送料や環境負荷の低減にもつながります。

高品質な梱包は顧客満足度を高める要素の一つです。丁寧かつスピーディにこなすためには手順の標準化とスタッフの教育が重要となります。

また、梱包資材のコストを削減しながらブランド性を高める取り組みとして、ロゴ入り梱包材やリサイクル素材の活用なども検討されるケースがあります。

5. 出荷

梱包した商品には配送伝票を貼付し、宅配業者や配送パートナーへ引き渡します。ここまでに作業ミスがあった場合、顧客に誤った商品が届くなどクレームに直結するため、最終チェックが欠かせません。

出荷後も、配送状況を追跡できる仕組みを整えれば、顧客からの問い合わせにスムーズに対応できます。最近では、商品がどこにあるかリアルタイムでわかる配送追跡サービスも普及しています。

出荷はEC物流の最終工程ですが、返品や交換が発生した場合はまた別の工程が始まるため、全体最適を考えて運用を続けることが大切です。

EC物流の課題と改善ポイント

EC物流では人員の確保や作業効率など、様々な課題が発生します。ここでは代表的な課題とその改善策をまとめます。

EC市場の拡大に伴い、倉庫作業や配送業務の需要は増え続けています。その一方で、人手不足やコスト高騰、在庫管理の難しさなど、多くの課題に直面しがちです。

しかし、テクノロジーや業務改革によりこれらの課題を乗り越える方法は多岐にわたります。以下のサブセクションでは、その代表例を具体的に紹介します。

作業員の確保

EC物流が活況を呈するほど、ピッキングや梱包の需要は膨大になります。これにより、作業をこなす人材の確保が難しくなるケースが多々あります。

特に繁忙期には人手不足が深刻化し、納期遅延や品質低下のリスクが高まります。

対策としては、パートタイムや派遣など柔軟な雇用形態の活用や、ロボットや自動化設備の導入などが挙げられます。

加えて、多能工化によってスタッフが複数の作業をこなせるようになると、急な注文増にも対応しやすくなります。

長期的には、教育プログラムを充実させることでスタッフのモチベーション向上と定着率アップを図ることも効果的です。

作業ミスの防止

作業が属人化していると、ピッキングミスや送り先間違いなどが発生しやすく、クレームや返品の増加につながります。特に商品数やオプションが多いECでは、ヒューマンエラーのリスクが高まります。

ミスを防ぐ方法としては、WMSの導入やバーコードスキャナーを利用した二重チェック体制などが有効です。また、作業マニュアルの整備と研修も欠かせません。

結果的にミスが減少すれば、顧客満足度が高まり、リピート購入や好評価レビューの獲得につながります。

在庫管理の効率化

EC物流では、販売チャネルが複数に渡ることも珍しくありません。同じ倉庫で複数のサイトからの注文を管理するケースや、実店舗とも在庫を共有している企業もあります。

こうした複雑な在庫状況をリアルタイムで把握し、売れ筋商品に重点を置いて在庫切れを防ぐなどの最適化が重要です。WMSや在庫管理システムの導入で、スピーディーかつ正確な管理が可能になります。

在庫管理の精度を高めることで、無駄な仕入れや保管スペースの圧迫が減り、コスト削減やキャッシュフローの改善にも貢献します。

リードタイムの短縮

EC物流では、商品を注文してから手元に届くまでのスピードが顧客満足度を左右する大きな要素です。作業工程自体を短縮するだけではなく、工程間の連携をスムーズにすることで大きく改善できるケースがあります。

たとえば、ピッキング中に検品を同時に行う、事前に梱包資材をセットしておくなどの工夫で時間ロスを削減できます。自動化設備やロボットを活用することで、大量注文に対応しつつ一定のスピードを維持することも可能です。

結果としてリードタイムが短くなると、顧客だけでなく企業のオペレーション効率にもプラスの効果が得られます。

まとめ

EC物流は企業の売上や顧客満足度を左右する重要な要素です。ポイントをおさえて効果的に運用し、競合に差をつけましょう。

EC市場が拡大すればするほど、その物流面の整備がビジネスの成否を決定づける要素となります。入庫から出荷、そして返品対応に至るまで、あらゆる工程をスムーズに連携させることが顧客満足度を損なわない秘訣です。

適切なシステム導入や自動化の活用、スタッフの育成など、改善できるポイントは多々存在します。複雑なオプション注文や短納期のニーズに応えることで、売上拡大とブランド信頼度の向上を目指せるでしょう。

本記事で紹介した特徴や課題、そして改善策を参考に、自社のEC物流をもう一度見直し、より効果的な運用を実現してみてください。

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