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メタバースECとは|市場規模や始めるメリット、成功事例を解説

こんにちは!NA×NAです。

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メタバースは、仮想空間でリアルと同じように人々が交流し、活動できるデジタルの新しい世界として注目されています。

特に、メタバース内での買い物やサービス提供を行う「メタバースEC」は、企業や消費者の関心を集め、急速に成長しています。

市場規模も拡大し、将来的な可能性は計り知れません。

本記事では、メタバースECの特徴や事例を紹介し、導入のメリットや成功のためのポイントを解説します。


メタバースとは

メタバースは、仮想空間上に構築された3Dの世界で、ユーザーがアバターを使って他のユーザーと交流したり、さまざまな活動を行ったりすることができるデジタル空間を指します。

仮想空間では、ゲーム、ソーシャル、エンターテインメント、教育、ビジネスなど、さまざまな目的で利用されています。リアルと同じような体験が可能で、場所や時間にとらわれず、誰でもアクセスできる点が特徴です。

メタバースとVRとの違い

メタバースとVR(仮想現実)は関連性があるものの、異なる概念です。

VRは、特定のデバイス(例えばVRゴーグル)を用いてユーザーを仮想空間に没入させる技術です。ユーザーは、VRゴーグルを装着することで、視覚や聴覚を通じて仮想世界を体験します。

一方、メタバースはそのような仮想空間を指します。

VRを用いた体験がメタバースの一部であることもありますが、メタバース自体はVRに限らず、PCやスマートフォンなど様々なデバイスでアクセスできる広範な仮想空間のことを意味します。

つまり、メタバースはVRを活用することができる一つの仮想世界であり、VRはその一部に過ぎません。

メタバースECとは

メタバースECとは、メタバース空間内で行われる電子商取引のことを指します。

ユーザーは、仮想空間内で商品を購入したり、サービスを利用したりすることができ、現実世界のように店舗を訪れたり、商品を試したりする体験を提供します。

アバターを通じて、ユーザーが直接商品に触れたり、試着したりするなど、リアルなショッピング体験を再現できるのが特徴です。

メタバースECは、企業にとって新たなマーケティングや販売チャネルを提供するだけでなく、消費者にとってもよりインタラクティブで楽しさを感じられる新しい購買体験を提供する可能性を秘めています。

メタバースECが注目されている背景

メタバースECが注目されている背景には、いくつかの要因があります。

デジタル化が進んでいる現代社会において、オンラインショッピングが日常的なものとなり、消費者の購買行動が変化しています。

しかし、従来のECでは物理的な商品の実際の感触や試着ができないという制約がありました。メタバースECは、この問題を解決する可能性を秘めています。ユーザーは仮想空間内で商品を実際に手に取ったり、試着したりすることができ、よりリアルな体験を通じて購買意欲を高めることができます。

さらに、コロナ禍における社会的距離の確保や、リモートワーク、オンラインイベントの増加により、物理的な店舗を訪れることなく新たな形でショッピングやエンターテインメントを楽しむ需要が急増しました。

このような背景から、仮想空間内での商取引が現実的な選択肢として注目を集め、メタバースECの発展が加速しています。

メタバースECの市場規模と将来性

メタバースECの市場規模は、急速に拡大しています。

2023年にはすでに数十億ドル規模の市場となっており、特に若年層の消費者がメタバース内でのショッピングに積極的に参加していることが大きな要因です。

メタバースにおける商取引は、ゲーム内での商品購入やブランドの仮想店舗、さらには仮想不動産の取引にまで広がりつつあり、企業にとっても新たな収益源として注目されています。

将来的には、メタバース内での経済活動がさらに多様化し、リアルワールドと仮想空間が融合する「ハイブリッド型」の商取引が一般的になると予測されています。

特に、AIやVR、AR技術の進化によって、よりリアルな体験を提供することが可能となり、メタバースECはさらに成長するでしょう。

また、大手企業やブランドが積極的に参入していることから、マーケットの成熟が進み、メタバースECは従来のECに匹敵する、あるいはそれ以上の規模を持つ可能性があります。

これらを踏まえ、メタバースECは今後、より多くの企業や消費者を引きつける重要な市場となると予想されています。

メタバースECを始めるメリット

メタバースECを導入することで、企業にはさまざまなメリットが生まれます。

メタバースはデジタル空間であり、物理的な制約を超えて世界中の消費者にアクセスできるため、新規顧客の開拓が容易になります。

また、メタバース空間内でのイベントやキャンペーンを通じて、ブランド認知を高めることができ、新たな顧客層をターゲットにするチャンスを得ることができます。

新規顧客の開拓

メタバースECは、特に若年層を中心に急成長しているデジタルネイティブ世代に訴求力があります。

SNSやゲームに親しんでいる層にとって、メタバースは既存のインターネットの枠を超えた新しい体験を提供する場所です。

このようなユーザーに向けてブランドや商品を露出することができ、特に若者をターゲットにした新規顧客の開拓に有効です。

また、メタバースの魅力的な体験を通じて、消費者が自発的に商品を紹介し、口コミやSNSで拡散されることで、顧客基盤を拡大する可能性も高まります。

新たな顧客体験

メタバースECの大きな特徴は、リアルと仮想空間を融合させた新たな顧客体験を提供できることです。

ユーザーは仮想空間内でアバターを使って商品を試着したり、実際に手に取ったりすることができ、従来のオンラインショッピングとは異なるインタラクティブで没入感のある体験を楽しめます。

例えば、仮想店舗内を歩き回ったり、他のユーザーとコミュニケーションを取りながら商品を選んだりすることができます。

これにより、購入前に商品の質感やデザインをより実感できるようになります。

また、特別なイベントや限定アイテムの販売など、メタバースならではのユニークな体験が可能で、消費者の購買意欲を高め、ブランドへのロイヤルティを強化する効果が期待できます。

メタバースECの事例5選

三越伊勢丹

三越伊勢丹は、独自のメタバース空間「レヴ ワールズ」をアプリで提供しています。仮想空間では、利用者がアバターを作成し、仮想の「バーチャル伊勢丹」で買い物を楽しむことができます。

店員のアバターがいて、チャット機能を使って接客を受けることも可能です。

現在、婦人服や食品など180ブランドの商品を取り扱っており、「デパ地下」や「ギフト」の需要が高いことが確認されています。

今後は、家具や日用品などの取り扱いを広げる計画です。また、友人と一緒に会話しながら買い物できる機能も追加予定です。

三越伊勢丹は、他の企業がメタバースでイベントを開催する中、すでに独自のメタバース空間を構築・提供しており、百貨店業界でのメタバース活用をリードしています。

IKEA

IKEAは、自宅の部屋にIKEAの家具を配置してコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。

このアプリは、LiDAR機能を搭載したiPhone 12 Proと12 Pro Max向けで、部屋の形を測定したり、窓やドアを認識したりできます。

さらに、家具やオブジェクトを部屋に配置したり、床にあるおもちゃなどを消したり、白く塗ったりすることができます。

また、壁紙の色を変えたり、さまざまなIKEAの家具を試して部屋のイメージを確認したりすることも可能です。

オブジェクトを重ねて配置できる機能もあります。

例えば、ARで表示されたイスの上にランプや植木鉢を置くこともできます。現在、IKEA Studioはβ版として公開されており、スペイン、スウェーデン、韓国でのみ利用可能です。

BEAMS

ファッション大手のビームスは、メタバース領域に積極的に参入しています。

具体的には、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」に4回出展しています。このイベントでは、アバター用の洋服やさまざまな3Dアイテム、リアルな商品を売買でき、世界中から100万人以上が参加しています。

ビームスは、デジタルアイテムとして2022年秋冬の洋服を販売し、池田エライザさんによるバーチャルライブも開催しました。また、リアルな洋服もオンラインショップで販売されました。

4回目の出展時には、関西のショップスタッフ約50名が交代でバーチャル接客を行い、メタバースでの接客がリアル店舗への来客に繋がった事例もあります。

ZOZOCOSME

ZOZOTOWNは、コスメ専門モール「ZOZOCOSME」で新機能「ARメイク」を提供しています。

この機能を使うと、商品詳細ページからワンタップで顔にメイクをシミュレーションでき、簡単な操作でメイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えたりすることができます。

これにより、実際にコスメアイテムを使用したときの色や質感を視覚的に確認することができ、購入前にイメージをつかむことができます。

さらに、気に入ったアイテムは「ARメイク」画面下の「カートに入れる」ボタンを使って、直接購入ページに進むことができるため、スムーズに買い物を楽しむことができます。

ドミノピザ

ドミノピザは、ARを活用したユニークなプロモーションを行いました。

このプロモーションでは、ARを使って「世界のチーズをめぐる旅」を体験しながら、チーズを使ったピザを注文できる仕掛けが用意されています。

チラシや特設サイトからARカメラを起動すると、目の前に地球儀が現れ、世界中のチーズの名産地が表示されます。

ユーザーは、各地域のチーズの特徴やその楽しみ方について学ぶことができ、さらにその情報を元に、ピザの注文へと繋げることができます。

これにより、チーズの魅力を感じながら、実際にピザを楽しむことができる新しい体験が提供されています。

メタバースを導入する際の2つのポイント

メタバースを導入する際には、特に重要な2つのポイントがあります。

これらのポイントをしっかりと考慮することで、ユーザーに魅力的で没入感のある体験を提供することができます。

メタバースならではの体験設計

メタバースの大きな特徴は、ユーザーが仮想空間に没入し、物理的な制約を超えた体験ができることです。

このため、体験設計においては、単なる商品やサービスの紹介にとどまらず、ユーザーがその空間内で実際に行動し、他のユーザーと交流することを意識した設計が重要です。

例えば、仮想空間内でリアルな試着体験や、商品を自分の目で確認できる機能、さらには他のユーザーと一緒にショッピングを楽しむといった要素を取り入れることで、メタバースならではの体験を提供できます。

ユーザーが没入しやすい環境を作るために、視覚的に魅力的でインタラクティブな要素を強化することが求められます。

メタバースならではのUI/UX設計

メタバースにおけるUIとUXの設計は、仮想空間内でのユーザーの動きや操作に合わせたものにする必要があります。

物理的な制約がないため、従来のウェブサイトやアプリのUI/UXとは異なり、ユーザーが直感的に操作できるような設計が求められます。

例えば、3D空間内でアイテムを選んだり、アバターを操作したりする際の動きやインタラクションがスムーズであることが重要です。

また、視覚的に情報を提供するだけでなく、音声や触覚などのフィードバックを組み合わせることで、よりリアルで効果的なUXを作り上げることができます。

これにより、ユーザーは迷わずに操作でき、快適にメタバース内を楽しむことができるようになります。

まとめ

メタバースECは、仮想空間内での買い物体験を提供する新しい形のオンラインショッピングです。ユーザーはアバターを通じて商品を視覚的に確認したり、インタラクティブにショッピングを楽しんだりすることができます。

市場規模は急成長しており、特に若年層をターゲットにした企業にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

メタバースECを始めるメリットとしては、世界中の顧客へのアクセスや新しい顧客体験の提供が挙げられます。

また、成功事例では独自の仮想空間を活用して、リアル店舗への集客や新たな購買体験を創出しています。

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