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業務量の葛藤と初めてのブレーキ|ライフキャリアコーチへの軌跡(12)
コロナの影響は社内全体の活動に変化をもたらせていきました。例えば、部署を超えた有志の新規プロジェクトが立ち上がったり、採用活動もオンライン化になったり、新たな風を入れるために大きな部署異動が起きたりです。多くは今までの業務はそのままで、そこに新たな業務が加わるパターンでした。当時の私は自分の成長のためにと、様々な業務に手を出したり、手を挙げたり、頼まれた仕事を断ることなく引き受けていました。今振り返れば自分の裁量を超えた量を自ら受け持とうとしていたともいえます。
さらに厄介だったのは、その時の私は、セルフラブの学びを通じて自分自身のペースを守るための知識を深めたり、瞑想をして内省の時間を持つようになって、自分が抱えられるキャパシティの理解を進めていたのに、その上で自ら選んで仕事をどんどん受け持ってしまっていた点です。自分を守る術の情報を持っているのにもかかわらず、それを実践することを無意識にあえて拒否をして、千差万別に様々な業務を積極的に取り込んでいたからです。それはある意味、これ以上その取り込み続けてしまう自動思考を自分では改善の施しようがない状態でした。
そんな毎日が続く中、ある日の残業中にフラッと一瞬意識を失ったような感覚と同時に頭痛が起き、これは身体が悲鳴を上げているかもしれないと、その出来事からやっと気づきを得ました。
任された仕事は自分が最後まで責任を持って全うしたいという執着が当時は強かったです。だからこそ、心のどこかでは今受け持っている全ての業務をやりこなすのは物理的に・体力的に・身体的にほぼ不可能なのに気づき始めているものの、その気づきに比例するように、それら業務を手放したくないという執着が増えていくような、そんな葛藤がありました。これらを手放してしまったら、自分の成長の機会を自分で捨てるようなものなのではないかとか、周りの人に迷惑をかけるのではないかとか、社内での評価が下がるのではないかとか。
しかし、限界値にいよいよ達しました。全てが中途半端になり始めてしまったのです。作り上げたいレベルにどれもこれも持っていけない。身体が一つでは足りない。中途半端で期限が来てしまって小手先で取り繕うしかなくなる出来栄え。それがさらに自分を苦しめました。自分自身に対する無力感や絶望感。期待されるレベルに作り上げられない申し訳ないという気持ち。とても辛くなりました。
そこでやっと上司に声をあげることができました。「今の状態ではすべてが中途半端になってしまっているので、業務量を見直ししたいです」と初めて自分の口から相談することがやっとできました。すると上司も「実はちょうど七海さんの業務量を減らした方がいいのではないかと考え始めていたところだったんだよ」と。まるで私が自分からブレーキを踏むのを待っていたのかのようでした。そのあとはスムーズに業務量を課内で再調整してもらったり、有志の新規プロジェクトからは外してもらったり、自分の業務量を精査することができました。
業務量が物理的に減ったことで気持ちはだいぶ楽になったけれど、じゃあ結果的に手元に残った業務が果たして本当に自分がやりたいことなのか、という別の視点でこれから脳に刺激が入っていくことになっていくことになります。
次に続く・・・
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