2021年。わたしは捨てて、生きていく。
毎年、大晦日に翌年の目標や新たに挑戦することを決めるのが、わたしの中での恒例行事になっている。今回も、仕事や人間関係、健康面など様々な領域で自分なりの目標を決めた。
今回、2020年の振り返りをしている最中にふと、毎年「始めること」や「手に入れたいもの」は決めているけど、「やめること」や「捨てるもの」については特に考えたことがなかったなあと気づいた。
2020年は、やりたいこと、やらなきゃいけないことが多すぎて、優先順位を決められずに全部中途半端になってしまった気がするし、そのせいで、自分自身も追い込まれてしまっていた部分があるなと思う。
だから、今年は今までなんとなく続けてきたけれど、今年から「やめること」「捨てるもの」を決めた。
2021年。わたしは捨てて、生きていく。
①「好きな人」ではない相手とご飯に行くこと
これを話すといろいろな人に「馬鹿だなあ」と言われるのだけど、去年までは、「その人に会いたいから」ではなく、「そのお店に行きたいから」誰かと食事に行く、ということがよくあった。
自分からあえて好きではない人を誘うということはないのだけど、行きたかったお店に「行かない?」と誘われたら、それがどんな相手であっても、基本的にはふたつ返事で承諾してしまっていた。
けれど去年はこの状況下で、外食をする機会が減ってしまい、久しぶりに「(その人に会いたいからではなく)おいしいものを食べるために」外食をしたときに、気づいたのだ。
いくら予約の取れないお店で高級な食材を使った料理を食べたとしても、一緒に食べている相手が好きな人じゃないと、幸せどころか寂しさが増すのだ、と。
友人たちにこんなことを言うと、「ようやく気づいたの?」と呆れられるのだけど、「食べること」が人生の一番の生きがいであり楽しみだったわたしにとって、今まで「一緒に食べる相手」はそこまで重要ではなかった。
けれどその経験を通して、わたしははじめて実感を伴って、「ご飯は何を食べるかよりも、誰と食べるかの方が大事なんだ」と、心から理解したのだった。
(そのときき書いたnoteがこちら。)
「おいしいものを食べたい」と「この人に会いたい」を、混合しないように。今年はちゃんと、自分の本当の「好き」を、見極められるようになりたい。
②他人のSNSを見ること
去年、一番苦しめられたのがこれだった。
好きな人や憧れの人、尊敬する人をはじめ、身近な友人や先輩まで。
SNSを開くと、いろいろな人のアウトプットや華々しい成果が、終始タイムラインやストーリー上に流れてくる。それが刺激になって、自分も頑張ろうと思う燃料になるならいいのだけど、去年のわたしは他人と比べて落ち込んでしまう、そんな場面が多かった。
もちろん、自分が何かを発信しているときや純粋に好きな人の言葉や作品を眺めている時間は楽しいし、アイディアの源泉になることもたくさんある。だけどそれ以上に、去年はネガティブな感情を抱えてアプリを閉じることの方が明らかに多かった。
この状況下で自分より努力している人、社会に価値を与えている人の努力を知ることで、余計に「自分は彼らに比べて、何もできていないな」と、比較してしまっていたのだと思う。
今のわたしにとって、他人のSNSを見るという行為は、自ら進んで悩みの種を拾いに行っているようなものなのだろう。これは時間の使い方として生産的ではないし、精神的にもあまりよろしくない。何より、そんな風に自己嫌悪に陥ってしまう、自分が嫌だ。
だから、今年は「SNSで得る情報」を絞る。その上で、受動的に情報を眺めるのではなく、目的を持ってSNSを開こうと決めた。自分のためにならない情報を、燃料にならない悩みの種を、今はできる限り削ぎ落としたい。
他人のアウトプットが自分の活力になる日まで、自分のアウトプットが誰かの心を動かすことができるようになる日までは、ただ目の前の「やるべきこと」に、集中して日々を過ごしていきたいな、と思っている。
③一時的な感情や自分の価値観に合わない消費をすること
わたしは好きなものや趣味が多いこともあって、「好きだな」「これいいな」と思ったら、すぐ手に入れたくなってしまう性格だ。
だから、欲しいなと思うものがあったらわりとすぐに購入してしまうことが多いし、基本的には「悩んだら買う」という精神で生きてきた。
お気に入りのブランドが展開する、色違いのワンピース。好きなモデルさんが紹介していた新作のネイル。はじめて訪れた街で見つけた、洋菓子屋さんのスイーツ。
そのどれもが、その瞬間に自分を満たすことはできても、時間が経つと後悔してしまうような消費行動だった。色違いのワンピースは結局どちらか片方しか着なくなる。ネイルは最初こそ上機嫌で塗ってみるものの、2〜3回使ったら面倒になって部屋のインテリアになってしまう。スイーツは、今後訪れる街の数を思うとキリがない。
これらがもたらすのは一時的な幸せだけで、長期的にみると、積み重なる費用が上回るのではないか、ということに気づいたとき、自分の人生にとって大切なもの以外にお金を使うのはやめよう、と決めた。
その瞬間だけじゃなくて、5年後、10年後の自分も幸せにするお金の使い方をする。そのために、お金に関しても、自分の心の底からの「好き」と、その中の優先順位を明確にした上で、日々を過ごしていこうと思っている。
この3つが、今年わたしが捨てて生きていきたいと思っていることだ。これらをまとめると、「自分が心から好きなものは何か」を見極めた上で、限られた時間とお金の使い方を決めることが今年のテーマと言えるかもしれない。
様々な誘惑や雑音に惑わされないように、自分の心の声にきちんと耳を傾けて、限りある日々を丁寧に過ごす1年にしたい。
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