千早茜 透明な夜の香り
ちょうど4ヶ月ほど前にこちらの本を読了しました。その時のこと、大雑把な感想などをゆるーく書いていきます。
この本を読むのは絶対に夜、そして体感的に透明度の高い夜にしようと決めていたのですが、昼間につまみ読みしてしまい70ページほど進めた所からの読み始めとなりました。
その夜はなかなか寝付けずにこのまま夜を明かしてしまおうかと思っていた程で、冴えた頭はやけにスッキリしており、外の雨を素敵に見れる日でした。
50ページほど読んで薄い眠気が訪れたため、読むのを中断して寝転がってみました。続きはこうかもしれないな、こんな暮らしをしてみたいな、なんてことを考えていると、やっぱり意識はこの本に向いていきました。このとき既に心は掴まれていたようです。
なんだかんだだらだらとページをめくってゆき、気づいたら夜がなくなっていました。
朝の5時くらいかに読み終わり、暖かな読後感に浸っていました。個人的にラストが印象的で好きな締め方だったため、少し感想を。
ネタバレになるので嫌だよーって人は飛ばしてください。なるべく具体性を殺して書きます。
生きてたらごめん。
主人公と館の主の間に起こるある出来事を超えた翌日、いつものように館に向かう主人公だったが、いつもとは違う状況を目の当たりにする。主人公にとっての日常、あるいは拠り所であったものが壊れてしまった、消え去ってしまった虚無感を感じたが、元々は有り得なかった関係。彼らに強い結び付きはないため、非日常的な出来事の連鎖として、過去を過去という正しい場所に仕舞い込んで今を生きる運びだと思ったが、まさにいい意味で裏切られた。街中で主の相棒と出くわし、同行していた館の主とも再開を果たす。結果として、虚無感を取り去る暖かな終わりへゆっくりと収束していった。
千早茜の本のテイストとして、一抹の切なさが残るものが多い気がする。神様の暇つぶしのインパクトが強すぎるせいとも思うけれど、どの作品も物語中誰かが不幸になってしまうため、そのような印象を持っている。
しかし、この本は最終的にとても丸く収まっており、全員が幸せなのではないかと思ってしまう。途中に出てくる人物に悲しみはあれど自業自得というか、不条理な不幸は感じられなかったため、スーパーハッピーエンドだと感じた。
紆余曲折あり、最後はみんなハッピー✌️みたいなお話があれば教えてください。読むかは分からないです。多分読まないです。
お読みいただきありがとうございました。✌️
はっぴーはっぴーはーっぴー