ブラウン神父
イギリスBBC制作のドラマをよく見ている。
中でも「ブラウン神父」はお気に入りで、コメディ要素を楽しみつつ
第一次世界大戦後当時の雰囲気を感じながらホロッとしたりできるのだ。
ブラウン神父はちょっと融通の利かない、でも温かい人柄の町の司祭だ。
あまり地位は高くないが学識と洞察力は並ではない。
出世しようと思えばできるはずだが、誠実すぎる性格ゆえに
たとえ上役の司教でもおかしいと思えば言うことを聞かない。
知性を悪い方向へ使うことを自らに強く戒めているようだ。
あー、昔はこういうお坊さんが日本の町にもいたんだろうなあ……
今もいるかもしれないが、お節介と言われて寂しい思いをしているかも。
ブラウン神父には聖職者ではない仲間が6人ほどいる。
秘書のマッカーシー夫人はいい加減な夫と別れて1人暮らし。
教会の仕事を積極的に引き受けることで地域の顔役になっている。
フェリシア伯爵夫人は外交官の夫があちこちへ赴任するのでこれまた
大邸宅に1人暮らし。口喧嘩ばかりだがマッカーシー夫人とは親友。
後にその姪としてやってくるはっちゃけ娘のバンティ。彼女も実家と
上手くいかず、叔母のフェリシアの屋敷に転がり込んできた。
フェリシアの家の運転手のシドはちょっと不良だけど
何故か神父と仲が良い。違法な家宅侵入を助けてくれる(笑)
警察署のグッドフェロー巡査は温厚なナイスガイ。
ブラウン神父の意見を尊重し教会メンバーにも優しい。
無茶なことを言う上司にも優しい気づかいをする。
その無茶な上司マロリー警部補、反目しているけど結局はブラウン神父に
協力するというか、なし崩し的に協力されてしまう。
ブラウン神父を「ファーザー」ではなく「パードレ」と呼ぶマロリー。
スペイン系ということなのだろうか? イタリア語の発音とは違う感じだ。
毎回のごとく状況証拠だけ、ただ怪しいだけで逮捕してしまうマロリー警部補→どこかおかしいと言い出すブラウン神父→首を突っ込むな→あいやせめて容疑者の話を聞きたい、というお約束を挟んで話は進行する。
それが毎回内容が違うから素晴らしい。
シーズン1の1話から英国国教会の牧師が登場して、カトリックのブラウン神父と教区信徒のことで牽制し合うなどイギリスの社会の一端が盛り込まれている。
加えて景色の美しいこと!
マッカーシー夫人ご自慢のお菓子の美味しそうなこと(笑)
オシャレに余念のないフェリシアのカッコイイこと。
こんなにコロシが多くなければ住んでみたい村だ。