色々なブランドのコンセプトをまとめてみた [ ファッション編 ]
電車に乗っていると、全身ユニクロと思わしき服を着ているのにも関わらずバッグだけはシャネル、みたいなお姉さまを見かけることがよくある。
そんな矛盾めいたことについて一考してみようと思ったけれども、もしかしたらこれはシャネルの戦略通りなのかもしれない、という可能性を考えたら、おいそれと下手なことは書けないと思えた。
そこで、あれこれ一考する前に色々なブランドのコンセプトを調べてみることにした。
以下、次のような構成とする。
[ブランド名] (偏差値)
[コンセプト]
[メモ]
・ブランドの選定基準は、ファッションに疎い筆者が聞きおぼえのあるようなブランド、という点に従って行った。
・コンセプトは必ずしも公式表記を採用するものとはせず(明記されていない場合が少なくなかった)、各種考察なども踏まえて推察するものとする。
・表記の偏差値は、下記サイトによるものとする。系列ブランドが複数存在する場合、主観で適当と思われる数値を採用した。
ページ最下部に簡易表記でブランド名とコンセプトをまとめているので、簡潔に知りたいという人はそちらをどうぞ。
シャネル(82)
コンセプト:
[ 女性の服の解放 ]
[ 古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像 ]
memo :
女性の服が男性の理想を反映するものとして扱われていた現状を革命。制限をもたらすコルセットなどを廃止し、女性の服の機能性を革新。物理的にも社会的にも女性を解放することを目指した。
エルメス(80)
コンセプト:
[ エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それを卸すのはお客様ご自身です ]
memo :
元々は馬具工房。ロゴに描かれるのは四輪馬車と従者で、主人は不在。エルメスは最高の馬車を用意するがそれを使用するのはあくまで主人、すなわちお客だということを暗示している。
ルイヴィトン(78)
コンセプト:
[ 旅を楽しみ、人生を楽しむモノづくり ]
memo :
旅行鞄専門店として創業。人気のあまりコピー商品が出回る状況に対応するため、モノグラム柄(2つ以上の文字を組合わせてオリジナルに図案化したもの)の図案を考案、使用し更なる人気を得る。
グッチ(78)
コンセプト:
[ 最上の伝統を最上の品質で、しかも過去のよいものを現代に反映させる商品作り ]
memo :
イタリア初のブランド。デザイナーの名前をブランド名に取り入れるという試みも当時は斬新だった(創始者名・グッチオグッチ)。
ラルフローレン(76)
コンセプト:
不明
memo :
創始時はネクタイを専門に取り扱う。映画「華麗なるギャツビー」や「アニー・ホール」などの衣装に採用されたことで、一世を風靡。創始者の名前はラルフ・ローレン、ではなくラルフ・ルーベン。ポロシャツの始まり。
イッセイミヤケ(72)
コンセプト:
[ 今までにないものを、人々の快適な日常のために ]
memo :
スティーブ・ジョブズが着用していた黒のタートルネックは、イッセイミヤケのもの。生産停止後も彼は、私物をサンプリングして同じものを作らせていた。
コーチ(68)
コンセプト:
[ 手の届くラグジュアリー ]
memo :
比較的安価、という路線を意図的に狙っている。「コーチ 激安」で検索したら205,000,000 件もヒット。といっても、一万円は切らない。コーチの名前の由来は、四輪馬車の生まれ故郷・コチより。転じて、コーチという言葉自体が「大切なものを運搬する」意味を持つようになったとか。
ポールスミス(59)
コンセプト:
[ ひねりの効いたクラシック ]
[ 誰もが楽しめる洋服であること ]
memo :
元自転車レーサーのファッションデザイナー・ポールスミスさん。イケメンな上にハイセンス、エリザベス女王からはナイト認定され、フランス政府からは勲章も貰ったハイスペック紳士。
タケオキクチ(55)
コンセプト:
[ 最高の贅沢を日常に ]
[ 英国風スタイル (London POP)]
memo :
シンボルの「T」はキクチタケオのTでもあり、東京のTでもあるとか。派生ブランドのTK SAPKID は、小学校低学年までの幼児が対象。
シップス(51)
コンセプト:
[ トラディショナルな要素を今日的な形で表現した“STYLISH STANDARD” ]
memo :
上野アメ横にあった「三浦商店」が創始。三島由紀夫にPコートを売ったことがあるらしい。
ザラ(50)
コンセプト:
[ 欲しいを形にする ]
memo :
本家での読みは濁らずにサラ。スピード生産、スピード経営がモットー。他ブランドは年2回のコレクション発表と生産を基本セットにしているのに対し、ザラは発案から生産まで最速4日。
セシルマクビー(46)
コンセプト:
[ "私のため"のセクシーへ ]
[ モテ服No.1 ]
memo :
「ギャル」という言葉のネガティブさを払拭するため、「モテ服」に焦点をあててリブランディング。曰く、『「ギャルという言葉の中にあるポジティブなイメージを『キラキラしている女の子』と解釈し、そこだけを抽出して今のブランドに踏襲することにした」』。
レイジブルー(44)
コンセプト:
[ アメリカンカジュアルとヨーロピアントラディショナルを融合 ]
memo :
rageblueで検索すると、トップは着まわしコーデ記事で埋め尽くされる。Wikipediaも存在しない。
ユニクロ(40)
コンセプト:
[ 人々の生活をより豊かに、より快適にする究極の普段着 ]
memo :
ユニクロとGUは同じ系列だが、前者は「ファミリー」をターゲットにし、後者は「若者」をターゲットにする。ユニクロのほうがGUより品質も良く、値段は1~2割高い。
しまむら(38)
コンセプト:
[ 最新のトレンドファッションから実用衣料まで、今欲しいものを低価格(=しまむら安心価格)で提供する店]
memo :
追加仕入れをしないスタイルは商品にある種の希少性を生み、それを目当てに来店する「しまむらパトロール」という層の出現を促した。
調査ブランド及びコンセプト一覧
シャネル
[ 女性の服の解放 ]
[ 古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像 ]
エルメス
[ エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それを卸すのはお客様ご自身です ]
ルイヴィトン
[ 旅を楽しみ、人生を楽しむモノづくり ]
グッチ
[ 最上の伝統を最上の品質で、しかも過去のよいものを現代に反映させる商品作り ]
ラルフローレン
不明
イッセイミヤケ
[ 今までにないものを、人々の快適な日常のために ]
コーチ
[ 手の届くラグジュアリー ]
ポールスミス
[ ひねりの効いたクラシック ]
[ 誰もが楽しめる洋服であること ]
タケオキクチ
[ 最高の贅沢を日常に ]
[ 英国風スタイル (London POP)]
シップス
[ トラディショナルな要素を今日的な形で表現した“STYLISH STANDARD” ]
ザラ
[ 欲しいを形にする ]
セシルマクビー
[ "私のため"のセクシーへ ]
[ モテ服No.1 ]
レイジブルー
[ アメリカンカジュアルとヨーロピアントラディショナルを融合 ]
ユニクロ
[ 人々の生活をより豊かに、より快適にする究極の普段着 ]
しまむら
[ 最新のトレンドファッションから実用衣料まで、今欲しいものを低価格(=しまむら安心価格)で提供する店]
まとめ
ブランドとそのコンセプトについて調べてみたが、率直な感想としては、あまり面白みが無かったというのが正直なところだ。
もちろんそのブランドに通底する気概はどのコンセプトにも見られたような気はするが、とはいえ、名が体を表す、と言えるようなブランドは皆無だったかと思う。
しかしファッションというものが固定的な流行にとらわれないように自戒するような世界である以上、これは当然と言えば当然なのかもしれない。
コンセプト自体の面白みは期待を下回ったが、ブランドを調べている過程にはとても興味深いものが多くあった。これをテーマに、また物思いを深めていこうと思う。
ユニクロお姉さんの持つシャネルバッグの価値についての考察する準備も整った。お時間あれば、その記事にもお付き合いして頂きたく…。
以上。
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