
『自分の報酬がわかっているか? 』/* 落合陽一 */
「ドキドキする」というのと、「報酬がある」というのを組み合わせると、人は「テンションが上がる」ということが、すごく重要なことだ。
自分の報酬が分かっているか?
「ドキドキして、たまに報酬がある」。すべての仕事はこのロジックだ。これを繰り返していくとそれにどんどんハマっていく。
『超AI時代の生存戦略』落合陽一
昨今、「好きなことで生きていく」というフレーズをよく耳にする。
好きでもない仕事に就くよりも、険しい道だろうと自分の趣味性にあったことを仕事にしようという生き方であるようだ。
これは、とても素敵なことだと思う。
時代は現代に至って、何かと不自由を感じなくなった。
車はなくともどこへでも行けるし、お金はなくともコンビニで十分美味しいご飯を頂ける。
言い換えれば、お金の価値が相対的に下降していると言えるだろう。お金がそれほどなくとも高望みをしない限り十分生きていける時代に、私たちはいるのだ。
すると、お金を第一目標として仕事をしようというモチベーションも下降するのは当然だろう。
お金ではない、「やりがい」を、「好きなこと」をゴールに働こうとしているこの「好きなことで生きていく」というスタイルは、半ば必然的に表れたブームなのだろう。
ゴールはある意味で「報酬」と換言できるだろう。行動の目的、モチベーションの源泉は常にこの報酬に発するものだ。
では僕らは、「自分にとっての報酬」をちゃんと把握しているのだろうか。
それがお金であれ、趣味であれ、はっきりと自分の報酬を認知している人は、強いのだろう。
逆に、何が自分のやりたいことなのか、つまり何が自分の報酬になるのかを把握していない人は、弱いのだろう。
強い弱いとは抽象的に過ぎるかもしれないが、恐らくこれは局所的な問題ではない。つまり、生き方そのものの質を区別する物差しになってしまうのだ。
AIが頭脳産業を席巻し始めた今、自分の報酬がなにかも分かっていない人間なんて、恐らく駆逐されてしまうことだろう。生き方そのものが簒奪されてしまうのだ。
あなたの報酬は、何か。
ある人にとってはとても簡単な問いであり、またある人にとっては生涯を通じて探し続けるテーマなのだろう。
僕はまだ、それを見つけていない。
超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト 単行本 – 2017/3/18
落合 陽一 (著)
いいなと思ったら応援しよう!
