夫婦喧嘩の話をしよう
普段はのんびり穏やかに暮らしている彼だし、周囲の人間からは「穏やかで優しい人」という認識をされている。私にはわからないけど、見た目もそんな感じらしい。
しかし、この巣穴(夫)急な崩落、度重なる雨漏り等、語り尽くせない問題が蠢いているのだ。(住処にしている私も問題は蠢いてるけどね!)
彼は周りからの印象と異なり短気である。
それは本人も言っていた。
「俺短気だから…」
妻は思う。
『知ってる。そして、そこがめんどくせぇです』
夫が眠い時が本当にやばい。
どうやばいかって、常識守れなくなるくらいやばい。ヒヤヒヤする。
あと、彼の中の線。すごくわかりにくいが、まぁプライドと言うやつ。それを傷つけられた時の怒りデカイ。すごい頑固。
そんな夫と私、ほぼ夫婦喧嘩ってしない。
しないというより、出来ないのかもしれない。
でも、たまーーーにはあるんだ。ここ数年で覚えている大きな喧嘩は1回。数年前のことだ。
当時の私はそれを『○家の米騒動』などと名付け友人に話して鬱憤を晴らした。
本日はそれを書こう。
あれは喧嘩と呼べるのか?
それはある日のこと。
帰宅した私は米袋が置かれているのに気がついた。お米を、夫が買い足してくれたらしい。
しかし、まだ買わなくても良かったのになんで?と私は思ってしまった。
そして、その「なんで?」の気持ちのまま袋を見てしまった。
「○県産米」と書いてある。
品種名がのってない。
ブレンド米であった。
お?おぉぉ?………
私は夫と買い物に行く時に、お米を買うときに、常日ごろ、言っていた言葉がある。
「ブレンド米は買わない。炊き具合難しいこと多いから。好きな品種は『はえぬき』だけど、なければなんでもいいんだ。でも、ブレンド米は苦手。あと精米日は少しでも新しいのがいい。我が家は二人で減るのが遅いから」
夫よ。君は愛しい(笑)妻の話を普段なにも聞いていないのか?
しかも精米日……古いな…これ新しいのあったろ、たぶん…………。
私はそう思った。
しかし、我が夫なんてそんなもんだというのもある。
次、ブレンド米を買ってこなければいいのさ!新しい精米日選んでくれたらいいのさ。
よし、夫に上手に伝えるぞー!
テレビを見ている夫にお米を抱きかかえた(何故か我が子のように抱っこしていた)私は
「ねぇ、〇〇君。これ○県産のお米ってかいてあるけど、銘柄なんだろ?やすかったの?あのね、精米日は新しい方が嬉しかったなぁ」
と言った。
私は夫から「やすかった」とか「わかった」って返ってくると思ってた。どうせ、安くていいもの買ったぜーと思ってるだろうから。
銘柄なんだろ?の聞き方にトゲがあるが、これくらい許されても良いだろうと思ったのが間違いだったのだろう。
それでも、責めてはいけないとは思っていたから、笑顔で話しかけた。
そんな私に対して夫が放った一言目は
「なに?」
ドスの効いた何?だった。
もう、空気は瞬間冷凍。私は察する。
あ、なんか踏んだわ。
押し付けがましく言ったつもりはないし、私の声音も雑談のそれのはずだが、踏んだらしい。
「えっと、だから、なんでこのお米かなぁって…」
夫、目が座ってる。
あ、やばい。なんか本気で怒らせたわと思い身構える。
男の人の圧は元々苦手である。
立ち上がり私からお米をとろうとする夫。
「いいよ、その米捨てる」
「買い直してくる」
なーんでそうなるのー?????
「やめてよ、なんで捨てるの?」
「買い直せとは言ってないよ?!」
た、短絡的っ!!
普段から口下手というか、本気で会話下手だなこの人と思ってるけど、短絡的過ぎやしねぇかっ?!というかなんでそんなにも怒るよ?!
私は取り上げられそうなお米を守りながら(抱きしめている)
「いいよっ!そういうことじゃなくて…!てかなんで怒ってるの?!」
と言い返す。
夫が何て言ったかは忘れたが、要するに「気を利かせて買ってきたのに、ありがとうもなく最初から文句(私は文句を言った気はなかったけど)を言われて気分が悪い」と言うようなことだった。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
まぁ、そうか。
まずは「有難う」………
え、まずは「有難う」だってなら、普段の私は有難うの嵐を受けてもいいのでは?なにもいわれないが?それでもキレないが?(*´-ω・)ン?
私も苛々としてくるが、いや、冷静になるんだ。と思い直す。
とりあえず、夫に私が普段から言ってるから気にしてほしかったというのは、私の気持ちでしかない。それを先にしたのが私の悪いところなのかもしれない。夫の言い分も「子供かよ」とは思うがわからなくはない。確かに、有難うも何もなかったら気分が悪くなってしまうというのは解る。
とりあえず、私自身も反省してお互い冷静になってから米のことを話したい。(せめて精米日は新しいのをだね…)
そんな事を米を守りながら考える。
「私の言い方が悪かったというのもある。ごめんね。買って来てくれた事は嬉しいんだよ。お米重いし…」
と伝えるも、もう駄目だった。苛々ピークの夫は終始威圧的である。盛大に漏れる溜息。顰めっ面のまま。
「もう、一人で買ってこない」
だーかーらーなんでそーなるのーー!!
次は銘柄と精米日気にして買ってこいって話をしたいんだ私はーーーーーっ!!というか、普段から私の話を話を聞けっ!!
ちなみにこの時点で涙目の私。
感情の混乱は涙に変わりやすい。
悔しい。涙に変わりやすいだけで、泣けばいいと思ってんだろって思われるの本当に悔しい。
いいか、涙になりやすい人がいるだけで、泣けば済むとか思って泣ける人なんて1握りだわっ。
と、そんなこんなで膠着状態というか、何も話進まず。
夫は先に書いた通り、普段から口下手、本当に本気で会話下手なのである。
怒りだしたら、さらに会話は困難だ。
「話し合い」という人類の持つ素晴らしいものを宇宙の彼方に放り出す彼は、話すことで発散する人との相性はかなり悪いと言っていいだろう。
「ご飯いらない…」
そう。この喧嘩?は夜ご飯前に勃発したのである。
夫はそういうと深い溜息を吐きながら寝床に行く。
私…一瞬ポカーン。
しかし、これではイカンと話しかける。
「ねぇ…まって、」
しかし、夫からは
「今はイライラしてるから、ほっといて」
とか思春期の女子高生みたいな台詞をはかれる。
もちろん、女子高生のように可愛くない。
これ以上踏み込めば噛むぞという唸り声である。
私はそこで追い続ける性格じゃない。
「わかった。私も悪かったけど、なんで私がこんなこと(米のこと)言ったかだけは考えておいて……」
とだけ言って終わりにした。
これが我が家に起きた米騒動である。
終始抱きしめられていたブレンド米が一番切なかった事だろう。
夫が寝た後、ブレンド米に涙しながら謝った私。
「君が悪いわけじゃないよ。ちゃんと食べるからね。でもね、お米は好きだからこそ、ちょっと拘りたい私がいるんだよ〜…(泣)」
その後は夫はお米を買ってこない。
私も頼まない。自分で買いに行ったほうが早いから。
我が家の喧嘩?はとにかく話し合いにならない。
いや、そもそも夫ときちんと会話のラリーが続く事が稀である。
これを加筆している今だって急に「今日は…元気だったら餃子作ろうと思って…ひき肉あるし」と言われた。
それまでお互い黙りで作業していたのだ。
「あ、そうなの?凄いね〜」
と答えた私もマヌケな気がする。もっと、相手がやる気になる一言を発したいものだ。
でもさ、これも、普段から料理手伝ってくれていれば違うと思う。
普段は私が仕事から帰って、本当に荷物下ろすだけでキッチンに立って作り、配膳から食器を下げるまでの全てをやっているということに対して、彼は何も言わないわけで、だから、私も言わなくてもいいでしょーというか言う気にならないよーなのである。
それに最近、休みの日が多く余裕があるからなのか「玉ねぎ駄目になってる」「フライパン流し出しといて(洗うから)」とか、まるで普段から自分が全部やってるかのように何かしら言ってくる。
食器が例え流しに出なくて私が運んでも、ゴミ出しの全てを私がしても、部屋にゴミをまとめた小袋が点在してるのを私がゴミ袋にまとめても、私が飲まないアルコールを飲んだ缶が放置されてあるのを私が洗っても、私が勝手にやっているだけで夫にいちいち小言を言おうとは思わない。
夫のスペースが汚れていてもソレは彼のパーソナルスペースだからイジらない。
彼が夜勤のときは昼間でもなるべく音を立てない。
イヤホン装着必須。
洗濯機を回す時間も考えるし、畳んだ洗濯物しまっておいてと言ったものが布団の横に放置されていればしまう。
日勤の時は本来ならもう少し寝ていられるが、夫の朝ごはん制作のために起きる。
でもそれらの気遣いも私の勝手だから何も言わない。
『だから、あなたもやるなら言うな』
と心の隅っこで思いつつ、いやしかし、その思いも私の勝手であり、思ったことを相手に言って改善につなげるのは大切であり、しかし、言い方や表情の作り方が夫は本当にど下手だなと思い、ふつふつと湧き上がる『喧嘩売ってんのか?!』という気持ちには『悔しかったら全部私がやるしかないよ。何も言わせないのが得策』と宥めてみたり、その宥めに『え、でもそれ、おかしくない?何なの…』とへこたれたり……………
あ、これ愚痴だわ。笑
結局、私は私のやっていることのペースを乱されるのが大嫌いなのである。
私のやっていることに手を出されたら、やる気は宇宙の彼方。
それか壊れるまで相手を介入させないようになる。
極端。
そんなわけで、我が家は夫婦喧嘩以前の問題な気もする。
色々愚痴を書いた私だが、私は私のスペシャリストなので
「でも、ま、巣穴だしね。」
という納得の一言でおさめることができる。
雨風がしのげれば十分。
イライラしても仕方ないことは仕方ないし、悪いことばかりでも無い。
本当にたまーーーーに爆発するけれど、怒るのは基本面倒くさいのである。怒っている人のそばにいるのも嫌である。
夫の扱いにくいところもかなりあるし(これは性質と体調が深く関係していると思っている)、人間、完璧とはいかないわけだから、ま、いいかーとするのだ。
そんな夫婦喧嘩の話でしたとさ。
というのを7月後半に書いてだすタイミングを見失って、お盆中に加筆するも出すタイミングを見失って、一仕事終えた今「えへへー出しちゃえー」と出すことにした。
夫婦なんてものは、いや、人間同士なんてものは色とりどり形も様々。
入れ物はそんなに違わないのに、中身が凄い様々だよね。
だからさ、たまにぶつかるし、壊しちゃう時もあるんだが……
出来ればそれを壊さないで、うまくやってきたいなぁなんて
私はおもいますよ。
いや、私なんて未熟者だからさ、愚痴言ってるけどお前のが駄目駄目にんげんじゃんって思うもの。自分に。
日々、全部が上手くいくなんてことはないのよねぇ。
と、そんな私もいるのですよ。
よしっ!これで本当にだすぞーー笑