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珈琲館でもコメダ珈琲でも紅茶でごめんあそばせ

「よかったら、どうぞ」

と何かの合間に出されるカップの中には、たいてい珈琲が入っている。
私は、ありがとうございますと会釈をしながら、心の中で『珈琲ぃぃ…ごめん……飲めなくて…ごめえぇん』と思う。


日本人は珈琲が好き。らしい。
消費量も、世界で第四位だとか。
巷には珈琲関連の物が溢れ、珈琲愛を語る言葉の多いこと多いこと。

だが、忘れないでおくれ。
珈琲飲めない勢も、存在しているんだ。

私は珈琲豆の焙煎機がある、輸入食品屋でバイトしていた癖に珈琲が飲めない。
飲めない癖に、お客様に生豆の説明をしていた私は、ほんと、ペテン師の素質がある。

子供の頃からそうだったのだが、珈琲牛乳でさえ気持ちが悪くなってしまうのだ。
それでも、たまに、トライする。
森永の珈琲牛乳プリンは絶品だ。少しは頂けるようになったようだ。(?)


幼少の記憶を探る。
母方の祖母の家では、緑茶か、日東紅茶だった。
紅茶は素敵なティーカップとソーサー、それに筒になってるグラニュー糖、なにより宝石のような飾りのついたスプーンで入れたグラニュー糖を掻き混ぜる、極上の飲み物といったイメージがあった。

珈琲は実家でインスタント珈琲を父が入れて飲んでるのを見るくらい。
なぜあんな苦い黒い液体を飲んで美味しそうにしているのかと不思議に思ったものだ。
基本は緑茶の家だ。
何はともあれ、朝の一杯は誰しも緑茶で始まる家だった。

珈琲に触れる機会が、少なかった気がする。

珈琲をいい香りだとは思う。
豆ごとに味が違うのも面白い。
輸入食品屋でバイトしていた時は、ほんの一舐めなら平気なので、試し飲み(いや、試し舐めか?なんか、いやらしい。笑)をしたものだ。私は酸味の少ないものが好きだった。

しかし、カップ一杯のんだら最後。
暫くは動けまい。猛烈な胃のむかつきが襲ってくるからだ。頭もガンガンと痛む。なった事はないが、きっと二日酔いってこんな感じだろう。

珈琲に含まれるカフェイン量は、緑茶や紅茶に比べ多いとされている。
私はカフェインに弱いのだろう。
アルコールも3%ので赤くなるので、とにかく、そういう刺激になるものは全般分解が下手なのだろう。


そんな私は思う。 

珈琲メインのカフェは溢れている。
どこにだって珈琲がいる。
しかし、お茶を扱う所は、少ないと感じる。なぜティーサロンや甘味処はこんなにも少ないのか。レトロな喫茶店など、下手をするとお茶という選択がなく、オレンジジュースやレモンスカッシュで妥協する事も多い。

何故だ、ここは、日本だぜ?


いや、日本茶は馴染みに馴染んで、お家にあるからこそ、ハイカラな珈琲を本格的に飲みたくて外に出るのかもしれない。
でも、今や謎の珈琲マシーンだの、ドリップ式の珈琲だの、スーパーにあふれかえっているではないか。
珈琲をガッツリ好きな人なら、私がバイトしていたような所で生豆から買い、焙煎から挽きにいたるまでオーダーするだろうし、本当にこだわる人なら、挽きは自宅でやるだろう。

なんだろ。工程の多さが珈琲愛に繋がるのか?
味の違いが解りやすいから?
自分でカスタムできるところが魅力的なのだろうか?

いやいや、日本茶だって、本来はあんなジョボジョボ湯を注げばいいってわけじゃない。
その茶葉が何なのかが大事なわけで、日本茶は茶葉に合わせた温度も器もあるわけだから、拘れば珈琲以上に道具の多くなる代物なのだ!
因みに私は、ごっつい湯呑みに100度で入れても大丈夫な番茶をゴボゴボ注いで飲むのが好きです……
玉露美味しいけど、カフェイン多いから…酔う……。あと、浅い器と湯冷ましと、アパートだとそういう茶器をしまっておけないので………(という言い訳)鉄瓶欲しい……狭山茶が好き…静岡茶も好き…京のお茶はお上品…知覧美味しいよねぇ……でも、実は茨城県産のお茶が美味しいと…


ハッ……!!思わず日本茶の話をしてしまった。

因みに紅茶だってカスタムできる。フレーバーをつけることも出来るし、茶葉を組み合わせてオリジナルブレンドを作ることも可能である。
私はベルガモットを入れたり、ラベンダーを入れるのが好き。香りを足したい。
あとは、ドライチェリーとストロベリー、そこにアラザンを加えて、キラキラと甘酸っぱい紅茶にするのが好きだ。
食事と頂くなら、シンプルにストレートティーが好き。
豪勢にフルーツティーを作れるのも魅力だろう。少し駄目になったフルーツを大ぶりにカットして紅茶を注ぎ淹れる。この時のポットは耐熱ガラスだと素敵。なんて贅沢な時間。
紅茶は100度だ。カップは先に温める。蒸らしの時間は、それぞれの茶葉による。
色味を楽しむなら白磁の器がいいだろう。


ハッ……!!思わず紅茶の話を…


そうじゃない。
とにかく、世の中のカフェというカフェは珈琲に溢れてて(名前からして、それが普通というか、当たり前だという正当なツッコミは置いといて)
隅っこに申し訳程度に載せられた紅茶を頼む時、少しだけ肩身の狭い気持ちになるって話をしたかったんだ!!
珈琲の香りが充満する店内で、カップに鼻を近づけ紅茶の香りを摂取する。
周りの人は珈琲カップだらけなわけで、ティーポットの置かれた私はかなり目立つのだ。(紅茶、ホットで頼みがち)
珈琲はおかわり無料のサービスがあるのに、なぜ、お茶はおかわり無料のサービスがないのか。

まぁ、豆より、茶葉のが扱いは面倒い気がするよね。珈琲みたいに、ためておけないし。いや、珈琲だって時間が経つと風味変わるから、挽きたて淹れたてがいいでしょ!

夫は珈琲を飲むので、美味しい珈琲の淹れ方など少しは研究してみたものの、自分で飲めないのでわからぬままである。
いつか、飲める珈琲がやってくるかもとは思っているが、元々お茶類が好きなので、このままお茶に溺れていてもいいかとも思う。
飲めはしないが、香りや道具など、珈琲関連の事は興味深いので、好きな方は是非語って頂きたい。


そんなわけで、名前に珈琲を冠しているお店でも、紅茶なのよ。ごめんあそばせ。





サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。