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エネルギーは消えない

震災地でのワークショップでのことです。休憩時間に円座になって参加者の皆さんとお茶を飲んでいると、70代くらいの男性が津波の後、自宅を確認に行った時のことを話し始めました。

「戻ってみたらさ、辺り一面ただもう瓦礫の山でね。家(うち)がどこだったかも分かんねぇさ…」急に周りのおしゃべりが止み、私は緊張して、口の中のアメをゴクンと呑みこんでしまいました。

その場にいらした全員が似たような経験をされていますから、話しがトリガーになってフラッシュバックを起こす可能性があります。一度に複数の人がパニック状態に陥ったら、どうすればよいのでしょう。・・・それでも彼は話を続けました。

がっくりとその場にしゃがみ込んだ彼の足元に、どこかからか押し流されてきたカエルの置物が転がっていたそうです。その瞬間、真っ白になっていた頭の中に「ひっくりゃカエル」という言葉が浮かび、「ふっ」と笑いがもれたと。

そんな状況で、しかもそんなくだらないことで笑える自分に驚きながら、カエルを手に掴むと、その勢いで一気に立ち上がり「わぁははははは!」と大きな声で笑いました。

すると「よぉくも、やってくれたな!見てろ、建て直してやっからな!」という気持ちが湧き上がって来たそうです。

その場で立ち上がって身振り手振りしながら話す彼を見上げて、周りの人たちの顔が、ぱっと明るくなりました。

***

ずっと前のニュースレターの一部です。

「瓦礫の山で笑う」というタイトルにふと目に留まって読み返したところ、13年前の、あのおじいさんの表情、勢いよく立ち上がり腰に手を当てて「わっははははぁ!」と声を出して笑って見せた姿が、ありありと目に浮かんできました。

ナラティブ(語り)の威力を感じるとともに、時を超えてフラッシュバックした彼の姿が、先週書いた『立ったー!のあのとき』リセット®の回帰ポイントとぴったり重なっていることに気づいたのです。

脳の奥に刻まれたこの記憶は、リセット®を考案するときにも働いていてくれていたのでしょう。

震災後の東北で本当に多くのことを教えていただき、そこから生まれたリセット®が、さらに人々の役に立っていくなら、こんなに有難いことは無いと思います。

『エネルギーは無くならない』は、物理学的エネルギーの法則だけれど、人の心に生まれたエネルギーも、消えることなく姿を変えながら循環していくものなのかも知れません。

今、自然災害や紛争に巻き込まれて苦しんでいるアメリカと欧州の人々にも、現地のセラピストを通して少しずつリセット®が届いています。

日本では、医師や看護師、カウンセラー、社会福祉士、保健師、アドバイザーや相談員、コミュニティのリーダー等の方々が、クライアントさんや周囲の人たち、またご自身のコンディションを整えるために活用してくださっています。

このところ暗いニュースが多くて、不安や恐れを感じている人も多いんじゃないかな・・・実は私もそうなんですが、さっき近所の方が来てくれて一緒に丁寧にリセット®したら、心と体がすっきり軽くなりました。:)

世の中がちょっとでも明るくなりますように。


*リセット®「自律運動による心と体の自己回帰法」は、健康維持・増進のための医療です。(登録第5932352号/特許庁)

*イラストは、NPO法人予防医学療法研究会のコンセプトを表した「エネルギー循環の図」です。

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日時:11/17第3日曜日 13:30 ~ 16:30
会場:元気になるシェアスペース「ととの樹」
詳細:ととの樹HP
  
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