【母と娘のパリ日記-4】ベルサイユ宮殿、ベルサイユマルシェ
母と娘のパリ日記。
すべて忘れたくないほど、楽しかったパリ旅行。
いつか「こんなことがあったね」って
この日記を見て、母と懐かしく思い出せるように
楽しかったこと、困ったこと、出会った人たちのこと
ほかの人から見たら、それいる?って情報まで
私たちにとって大切な思い出を記録します。
あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
前回はサントシャペルとルーブル美術館に行き、
フランスに到着早々、かなり大満足の初日だった。
今回はベルサイユ宮殿と朝市のツアーに参加したお話。
まさに豪華絢爛という言葉がふさわしいベルサイユ宮殿。
その一方でベルサイユの街は、パリよりのんびりした雰囲気だった。
ホテルの朝食
今日はベルサイユ宮殿と朝市のツアーからスタート。
8時半集合と早いので、ホテルで朝食を食べてから行く。
朝、部屋の窓を開けるとクロワッサンを焼いているような
いい香りがしていた。ワクワク。
エレベーターで、ホテル地下の朝食会場へ降りる。
洞窟のような空間の奥に、ホテルスタッフの女性がひとり座っている。
「ボンジュール」と挨拶すると、パンオショコラをくれた。
クロワッサンもあったけど、今日は1つでいいや。
コーヒーメーカーでホットカフェオレをいれて、いただきます。
フランスの朝ごはんって感じだね~。
日本でもパン屋さんでパンオショコラを見つけたら、
絶対に買うほどパンオショコラが大好き。
しっとりタイプでおいしかった。
冷蔵庫にはチーズやヨーグルトも入っていたが、
肌寒かったのでわたしはパス。母はヨーグルトを食べてたかな。
朝のパリだ。もし渋滞に巻き込まれたら大変だから、
そろそろUberを呼んで、ベルサイユ宮殿ツアーの集合場所まで行こう。
朝食会場を出るときに見つけた注意書きのポスター。
ある一文がわたしの心を奪った。
このカフェテリアで演技することがあります。
どういうこと?フラッシュモブ?さっきのスタッフさん、実は女優とか?
気になる。気になりすぎる。
だけど英語を見る感じ、きっと日本語の翻訳が間違っただけだね。
ササっと朝ごはんを済ませて、ベルサイユ宮殿ツアーへ出発。
朝だったけど、Uberがスムーズに手配できて
渋滞にも巻き込まれなかった。
パリ2日目、いい滑り出しだ。
ベルサイユ宮殿とパリの朝市マルシェ 半日観光ツアー
今回、わたしたちが参加したツアーはこちら▽
ベルサイユ宮殿とパリの朝市を半日でめぐるツアー。
どこかのタイミングで朝市にも行ってみたかったので、
美味しいとこ取りができる、このツアーにすぐ決めた!
わたしたちが行く3日前にベルサイユ宮殿で火事があったが、
特に影響はなかった。
宝塚ファンなら、一度は訪れたいベルサイユ宮殿。
宝塚の代名詞ともいえる「ベルサイユのばら」
すべての歌が歌えるし、有名な場面「今宵一夜」や「バスティーユ」など
あらゆるセリフが頭に入っているほど、何度も観てきた作品だ。
でも実はわたし、フランス革命などフランスが舞台の作品は
あまり得意ではない。というか難しくてよく分からない。
もちろんどんな作品も観るけれど、
明治~大正時代の日本物や、映画のお話などが大好物のわたし。
だけど今回、このツアーに行ったおかげで、フランス革命を身近に感じ
いま上演中の雪組公演「ベルサイユのばら~フェルゼン編~」が
いままでの数倍楽しめるようになった!
朝8時すぎに、エミトラベルサポートラウンジに集合し、
観光バスでベルサイユ宮殿まで行く。
パリからベルサイユまで、高速に乗って約1時間。
車中では、ガイドさんからベルサイユ宮殿の歴史を解説してもらった。
穏やかな話しぶりなのに、すごく面白くて惹き込まれてしまった。
簡単にまとめるとこんな話。
高校時代、世界史がまったく覚えられず、とても苦労したのに
大人になって聞くと、すごく興味深くて勉強になった。
ガイドさんが話の中で、とても印象的だったひとことがある。
「長生きも考えものですね」
ルイ14世は、76歳でこの世を去った。当時としては大変な長寿。
自身の権力を誇示するために、人生のほとんどの時間を費やし、
ベルサイユ宮殿を築くことに執着した。
ただその晩年は、ベルサイユ宮殿の豪華さとは裏腹に
華やかなものではなかったようだ。
国を財政難に陥れ、子どもたちにも先立たれてしまった。
国王であり、ベルサイユ宮殿を手に入れたとしても
彼の孤独は生涯癒えることはなかっただろう。
ベルサイユ宮殿のなかに、影を見たような気持ちになった。
パリから離れるにつれ、田園風景になってきた。
アンデルセンの童話に出てきそうな、古くて可愛らしい家もある。
こんなのどかな土地に、あの豪華絢爛な宮殿があるとは信じがたい。
田園風景とガイドさんのお話に夢中になっている間に、バスが到着した。
時刻は9時半。ほぼ予定通りだ。
集合時間と場所をしっかりメモして、いざベルサイユ宮殿へ。
バスを降りると小雨が降っていた。
宮殿前の広場で、ここぞとばかりに
観光客に傘を売るお兄さんたちがたくさん。
モノクロで、凱旋門やエッフェル塔のシルエットがプリントされた
なかなかシックで、おしゃれな傘。
本当は欲しかったけど、ベルサイユ宮殿に入る前に
荷物を増やしたくなかったので、またどこかのおみやげ屋さんで
出会えるだろうと諦めた。(結局その後、一度も出会えなかった。)
ベルサイユ宮殿
はじめに黄金に輝く門がわたしたちを出迎えてくれた。
門をくぐると、例の如くまずは荷物検査だ。
ここでも美術館などと同じようにX線に荷物を流す。
事前にツアー会社から、飲食物の持込ができないと聞いていたが、
ペットボトルに入っている飲みものや、
封がされている食べ物であれば大丈夫だった。
ベルサイユ宮殿内の庭園でピクニックする人もいるらしい。
いつかしてみたいな〜。
東京ディズニーランドホテルに似ている。
そしてめちゃくちゃ大きい。
集合時間まで2時間を切っている。急いで回ろう。
宮殿内は一方通行。あとでゆっくり見よう!はできないので注意。
また日本語オーディオガイドの貸出(5€)もあるらしい。
*王室礼拝堂、ヘラクレスの間、ヴィーナスの間、アポロンの間
中は大勢の人でごった返している。
事前にマップをもらっていても、自分がどこにいるのか分からなくなる。
マップに見どころなど書いてあったが、どの部屋も豪華で
すべて見どころと言っても過言ではない。
天井画に部屋のシンボルが描かれているそうだが、
素人のわたしたちには、なにがなんだか分からなかったので
写真では、有名なところだけ抜粋していく。
すべての部屋が写真のように、豪華絢爛なわけではない。
さすがに真紅の壁紙に囲まれたアポロンの間では、安眠できないだろう。
ここなら住めそうかな~という、豪華さを控えた部屋もあったが、
やはりここはベルサイユ宮殿。
ロココ調の家具や、凝った刺繡が施された椅子などがあり
平民のわたしには少し窮屈そうだ。(部屋の広さは十分だけどね)
*鏡の間
なんの予備知識もなく来たわたしたちでも知っている、鏡の間に到着。
入場から約30分でここまで来たのは、ハイペースな方だろう。
全長75mの回廊。ここで王族の舞踏会などが開かれていたらしい。
ほかの部屋より窓が大きく、多く、とても明るい。
シャンデリアも存在感があり、まさに想像していた宮殿。
ここで輪っかのドレスを着た淑女たちが踊っていたのか~。
もしかして輪っかのドレスって宝塚用語?
シンデレラや、美女と野獣のベルが着ているような、ドレス。
あんなドレスで馬車とか乗れるのかな?そもそも家から着てくるのかな?
この回廊には17個の窓があり、入って9個目の窓がこの部屋の中心になる。また鏡の間から見える庭園の中心でもあるので、
ここが庭園の写真を撮るベストスポットらしい。
ガイドさんが撮ってくれた写真、まったく人が映っておらず
まるで貸し切りで「わが家へようこそ」感まである。
この庭園の先で、オリンピックの馬術競技が開かれるらしい。
庭園には行けなかったので見られなかったけれど、
競技場の設営中だったようだ。
宝塚ファン、ベルサイユまで「ベルサイユのばら」のポスターを持参。
普段はこんなことしないんだけど、せっかく公演直前に
ベルサイユ宮殿へ聖地巡礼できた記念に。
*王妃の寝室、大会食の間、戴冠の間、戦史の回廊
この宮殿で暮らした王妃の寝室。
最後にここを使った王妃は、マリーアントワネット。
歴代の王妃は、ここで大勢の人に見守られながら出産したらしい。
マリーアントワネットもそのひとり。信じられない時代だ。
ベッドの高さがかなり高くて、わたしが王妃なら踏み台が必要なほど。
この寝室、落ち着いて眠れるのかな~。
大会食の間という割に、狭くて暗いのでスリに注意。
この部屋には、マリーアントワネットと子供たちの絵がある。
なんとなく悲しげに見えるのは、彼女の運命を知っているからだろうか。
昨日ルーブル美術館で見た
「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」とほぼ同じ。
お母さんと妹の絵が少し違うらしい。
この絵画の前で、ルーブルで撮った写真と見比べたが、
あまりよく分からなかった。
(調べたところ、妹のうち1人だけ服の色が違うらしい)
ルーブル美術館Ver.も前回の日記に載せているので、
見比べてみると分かるかも!
この戦史の回廊、見どころとは聞いていなかったけれど
個人的には印象に残っているところだ。
ひとが少なく、ゆっくり見られて、とても見ごたえがあった。
負傷した兵士や、仲間の亡骸を抱きかかえる兵士が
何枚も描かれているのが辛かった。
ナポレオンのように有名ではないけれど、
フランスのために戦った、多くの人たちがいる。
それぞれに家族や人生があったのだと思うと、
辛いという言葉では足りない、虚しさを感じた。
犬や馬もたくさん描かれていた。特に馬が表情豊か。
びっくりしていたり、おびえていたりして、
ひとと同じように表情が描かれているのが、興味深い。
戦史の回廊を抜けると、お手洗いとおみやげ屋さんがある。
ベルサイユ宮殿内はお手洗いが少なく、とても混むので注意!
ベルサイユ宮殿を後にして、集合場所へ。
もっと時間があれば、鏡の間から見えた庭園や
マリーアントワネットが愛したプチトリアノンなども見てみたかったが
今回は宮殿の見学で時間切れ。
ここから、徒歩でマルシェに移動する。
ベルサイユの街並み
ベルサイユ宮殿の前には馬術学校があった。
時間によっては、お馬さんが出てくることもあるらしい。
パリオリンピックでは、馬術競技会場になるベルサイユ宮殿。
馬術も見てみようかな。
日本で言う長屋のように、つながった建物が多いパリとは異なり、
ベルサイユは、1つずつ建物が分かれていた。
ベルサイユマルシェ
ベルサイユ宮殿から徒歩10分でマルシェに到着。
広場にいろんな種類のお店が並んでいる。
到着した瞬間から、わくわくしすぎて走り出したい気分だ。
ここから再び自由行動。
集合時間と場所だけは、きちんと聞いてすぐに出発!
*八百屋さん
日本のスーパーや市場とは違い、ビニールに包まれた個包装の野菜がない。
どれも彩り鮮やかで、つやつや。たまらん。
こういうのを見たかったのよ。
*お肉屋さん
アナザースカイで杏さんが言ってたとおり、薄切り肉はなかった。
すぐに食べられそうな串焼きとかもあったけど、もし余ったら
このあと持って歩けないな~と思って我慢。
*お花屋さん
フランスに来たら見たかったお花屋さん。
結婚式で装花をどうするか考えていたときに
Pinterestで見つけたのが、フランスのお花屋さんの画像。
お花をぎゅっと集めて、もふもふに飾っていて
「求めていたのはこれだ!」と一瞬にしてひとめぼれ。
あの日から憧れつづけたのは、まさしくこのお花屋さん!
*お惣菜屋さん
日本でも、パエリアの量り売りあったらいいのに。
どのお惣菜もおいしそうで、次に来たら絶対にマルシェで買ったもので
ピクニックパーティーするぞ!!
*チーズ屋さん
なかなかすごい香り。見たことない形、大きさのチーズがたくさん。
ワイン好きにはたまらないだろうな~
*かご屋さん
かごバッグが大好きで、ベトナムでもたくさん買って帰り、
阪神百貨店の「世界のかご博」も絶対に行くほど、かご大好きな母娘。
ひと夏ひとつまで!と決めている。(守られない夏もある)
ここではトキメキが少し足りなかったので、我慢したが
このあと可愛いかごに無事出会えた。その話は、また後で。
*パン屋さん
このお店の前に立ち寄ったパン屋さんで、
ハムチーズデニッシュとキッシュを買った。
フランスに着いてから、はじめて現金を使ったので
紙幣やコインがよく分からず、バタバタして写真を取り忘れていた。
写真のお店では、チョコチップが入ったパンを買った。
パンを買うのを待つ間、どこからともなく黒モフモフが現れて
すこし遊んでもらった。モフモフ最高!
*おもちゃ屋さん
母が友達に借りたガイドブックで見つけた、おもちゃ屋さん。
ベルサイユにあるから、たぶん行けないね~と言っていたが、
GoogleMapで見ると、マルシェの目の前だった。
これはなにか呼ばれている気がして、行ってみたら
レトロで可愛らしいおもちゃ屋さんだった。
1階は最新のプラスチック製のおもちゃなどはほとんどなく、
昔懐かしいお人形などが置いてあった。
雑貨もすこし置いていたなかで、見つけたのがコレ。
このかごバッグ!おもちゃっぽくて可愛すぎる!!
内袋も付いていて、すごく丁寧に作られている。
この配色がいかにもフランスっぽくて、一目惚れしてしまった。
フランスで初めてのお買い物。
もっとマルシェを見たかったけれど、もう時間が迫っている。
さっき買ったばかりのデニッシュをかごに入れて、バスへ帰ろう。
時刻は12時半前。
マルシェ探検を楽しみすぎて、ランチを食べ損ねた。
買ったばかりのデニッシュをすこし食べた。
ハムの塩気とチーズの香り、デニッシュ生地もパサつきがなく美味しい!!
いま振り返ると、このデニッシュが今回の旅でのパン部門1位だった。
パリへ戻ろう
パリへの帰り道。ゆったり車窓を眺めていた。
行きはガイドさんのお話や、ベルサイユ宮殿のマップを見ていたので
気づかなかったが、道路に「2024PARIS」と書いてある。
パリオリンピック関係者専用レーンかな。
パリに近づいてきた。
このツアーもそろそろ終わりだ。
帰り道もガイドさんが、いろいろなことを教えてくれた。
*パリの道路事情
パリの街が作られたのは、日本で言う江戸時代。
当時は自動車なんて、もちろんない。
そのためパリの道路は、馬車が通るための道幅にされているので
自動車が通行しにくく、渋滞が発生しやすい。
さらに駐車場もないので、路上駐車も多い。
自動車にとっては不自由な街なので、どんな高級車も傷だらけ。
パリでの運転は、かなりの技術力が必要そうだった。
*パリのアパルトマンの中身
パリのアパルトマンは外から見ると、ひと部屋が狭そうに見えるが
実は中は改装されていて、ワンフロアすべてをぶち抜いて
一家族が暮らしているということもあるらしい。
建物同士がつながっていることが多いのは、
ヨーロッパは地震が少ないからだって。
ガイドブックでは得られない、その土地に暮らすひとのお話は面白いな~。
さて、パリに戻ってきた。
ツアーはここで解散。
ツアー会社でお手洗いを借りられたので、数組と共にラウンジまで戻った。
お手洗いを待つ間、ほかのツアー参加者の方が
ガイドさんとお話ししている声が聞こえてきた。
サングラスをかけ、小麦色の肌のとてもガタイの良いお兄さん。
今夜はエッフェル塔のシャンパンフラッシュを見に行くらしい。
わたしも明後日見に行く予定なので、思わず聞き耳を立ててしまった。
「パリの夜って治安悪いって聞くけど、
エッフェル塔周辺は大丈夫っすか?」
…かわいい。あなたのガタイなら、きっと大丈夫。
思わず言いそうになった。
「エッフェル塔周辺であれば、
シャンパンフラッシュを見に行く人がたくさんいるので大丈夫ですよ!」
とガイドさんが答えた。
ほっとした。私も明後日、シャンパンフラッシュを見に行こう。
母も娘もガタイはよくないけれど。
時刻は13時半。
次の予定は15時半からオペラ座見学。
オペラ界隈の百貨店巡りでもしようか。
この続きは、また次回。