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フェニーチェ文楽「火群」2023年3月4日@堺


堺市まで遠征しました。生まれて初めての堺市。大阪市内から関空への途中に位置してるのですね。戦国時代のお話によく出てきますが全くどんな街か知らず…

フェニーチェ堺というホールですが、とっても立派なホールでした!

フェニーチェ文楽というシリーズ。今回初めて拝見しました。

演目は、


伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段
妹背山婦女庭訓 金殿の段

間に、勘十郎さん、呂太夫さん、清介さんのトークコーナー。

伊達娘恋緋鹿子は、八百屋お七の逸話を元にしたお話です。

八百屋お七というと、「ガラスの仮面」の一場面を思い出してしまいますが、八百屋お七を題材にしたお話ってたくさんあるのですね。面白おかしくするために、周辺のストーリーのバリエーションが沢山あるみたいです。

地味にこちらの解説動画が面白かったです。

横道にそれましたが、この演目は、最大の見せ場である火の見櫓の段だけが上演されることがほとんどだとか。

コンパクトにまとまっているので、学校や地方公演などで若手の方が遣うことが多いようです。

それを数十年ぶりに桐竹勘十郎さんが遣うというのが、今回の見どころでした!

16歳の少女が恋に命を賭けるまでの様子が鬼気迫っており、櫓の上に登るところも、単に仕掛けの面白さだけでなく、しっかり見せ場を作るところが流石!という感じでした。

16歳の鬼女、迫力ありました…!

この先もこの演目をやる機会があるかわからないとのことなので、見られて良かった…!


そして、妹背山婦女庭訓。

小説「渦」を読んでいたので、いろいろと思いを馳せながら見ました。

お七とお三輪。両方とも江戸時代の大店の娘というお衣装です。赤と水色のストライプ?の振袖という、洋服ではなかなか見られない色合わせ。華やかだし可憐。

よく考えたら、振袖をはだけて襦袢姿で櫓を登るって凄いですね。結ってあった髪の毛も振り解いて…  今の私達の感覚では気付きづらいですが、そういう演出も昔の人は楽しんだのではないでしょうか。襦袢って下着ですからね。

そして、襦袢の生地。通常は緋色でも地紋が入っていたりするのですが、この二人の場合は、無地だそう。恋の炎を象徴するという趣旨もあるらしいです。

若い女性が恋に命をかける、というドラマチックな演目がまとめて見られて大満足。

妹背山婦女庭訓は、国立文楽劇場にて四月公演と七月公演で全編通しでやるとのこと。

お三輪が出てくるのは七月公演ですが、そちらも楽しみです!

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