庭と畑の記録 3 八百屋で買ったミニトマトを土に埋めて栽培してみる
市内の図書館が全面休館になる前に借りていた雑誌「うかたま Vol.50」に、トマトの「自然生え」という記事が載っていました。
「自然生え」の発案者中川原敏雄さんは、自然農法国際研究開発センターで育種の仕事に関わり、定年後は無肥料・無農薬・不耕起で自家野菜を作っていらっしゃる方です。
買ってきたトマトをポットに直接埋めて、たくさん出てきた芽を全く間引かず、畑かプランターに植え替えると、はじめは集団で支え合うように育ったあとに、特定の株だけ元気よく育ち始めるのだとか。
自然の仕組みとして、実をつけるのにふさわしい株だけが残るのだそうです。
記事の中でとても意外だったことがあります。
売られているトマトはほとんどがF1品種ということですが、F1品種に対して私はよいイメージを抱いていませんでした。種は固定種が絶対的に良いのだと思っていました。
F1は種が作れない、とか、子孫に同じ形質を引き継がないとか。
きっとこれを読んでいる皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?!
F1というのは、first filial hybrid、つまり、一代限りの雑種という意味です。
それに対して固定種とは、何世代にもわたり採取を繰り返してできた種のこと。
ある固定種と、形質の違う固定種2種類を掛け合わせ、両方の長所が現れるように改良したものがF1品種なんだそうです。
なぜF1が作り出されたかというと、固定種はある土地では育ちやすい形質をもつけれど、種によって育つ早さが違ったり、合わない土地ではうまく育たないこともあるため、育ち方、収穫の時期共に揃う種の必要性があったからです。
ということは、八百屋で売られているトマトを埋めて育てると、親と同じトマトはできないかわりに、祖先である固定種の形質が現れてくる。そう考えれば、成長過程で、特定の株だけ元気に育ちはじめるのは、今自分の住んでいる土地に合うトマト(以前の固定種)の性質が優先されている、ということでしょうか。
だったら、「何世代にも渡り採取を繰り返し受け継がれた固定種の種が良い」という理由がいまいちわからなくなります。
私は、トマトより簡単というミニトマトを埋めました。
トマトは輪切りのもの、ミニトマトは指で潰して土の上に置き、水を撒きます。
上から一握りの土をかけ、ポリ袋で覆って水分の蒸発を避け、暖かい場所に置くと、芽が出てきます。
F1についてこんな記述を載せたサイトを見つけました。
難しくてわからないところも多いので、F1の種から育てた苗についてどう解釈したら良いのか、詳しい方に教えていただけたらなぁと思います。