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歴史小説「Two of Us」第3章J‐18

割引あり

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第3章 本能寺の変以後から関ヶ原合戦の果てまで
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"


J-18 ~An Invitation From A President~

 一色義清は、お堀をぐるりと周回しながら、いつまで経っても、玉造の越中守屋敷に入ろうとはしなかった。考えあぐねていた。


 なんと申して珠子殿を、説得しよう。。。
 これは、太閤秀吉殿の直々の『謁見の命』を、申し伝えるそれがしの役目である。従わぬわけには行かぬのだが。。。


 現代の会社組織に例えると、直属の上司である部長が長期海外出張の間に、取締役社長から内々に、飛び越えて指示が出されたようなものだ。
 しかも難問。

 別の例えで云えば、本社直轄の派閥からの内示で、CEOが以前から目を付けていた女性を、配偶者のエリアマネージャーに知らせずに連れて来いと、店長代理が承った、、、と説明した方が分かりやすいかもしれない。
 これこそパワハラで、実現してもセクハラである。

 さらに珠子殿は、面会をあの手この手で拒否し続けておられる。

 それでもシツコイ太閤殿の強気。床に臥せっておられた太閤殿も、快復した途端、これだ。どうも、お市の方に素気無くされて以後、太閤殿は女好きに拍車がかかっておる。
 特に鶴松殿がご逝去されてからは、欲の皮が張りっ放しじゃ。


 心無き者は、いつの世にも沸いては来るものじゃが、『淀殿の御子息だった鶴松殿もお拾殿(のちの秀頼)も、秀吉様の血筋ならぬ、淀殿の乳母の息子、大野氏のお子ではないか❔』等との噂が有るらしい。

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