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2024.9.8 文学フリマ大阪12


9月8日日曜日にOMMビルで開催された文学フリマ大阪12に出店しました!
今年の1月の文学フリマ京都に参加した後に、「ゆとりのある原稿スケジュールを組んで、余裕を持った入稿をしよう!そして体調管理もしっかりしよう!」とnoteに書いていたようなのですが、今回も相変わらずのギリギリドタバタ進行でしたので、自分への戒めの意味も込め、当日までの準備も含めて振り返っていきたいなと思います。


当日までの準備

いつも合同サークル「ナミチル」として一緒に出店している探沢さんと「今回は合同誌を出そう!」という話をしていたので、新刊は合同誌1冊と、できれば自分の個人誌も1冊出せたらいいなあと思いながらの原稿期間スタートでした。

合同誌は今回、ある純喫茶を舞台にそこで働くマスターとアルバイトくんを描いた世界観共有型の短編集にしました。といいますのも、大阪に向けての打ち合わせの時に私がたまたまメロンパフェを食べていまして(ごろごろメロンと杏仁味のアイス、シリアルがとっても美味でした…!)、それを見ていた探沢さんが「喫茶店とかどう?」と言ってくれたのがきっかけです。
打ち合わせは6月末だったので、そこから登場人物の設定を詰め始め、実際に原稿に取りかかり始めたのは7月中旬頃でしょうか。8月上旬には無事原稿が完成し、探沢さんとお互い書いたものを読み合うことになりました。

ここで実はハプニングが発生。
今回、喫茶店が舞台ということもあって、レトロ可愛い感じで本文もカラーにしてメニューのイラストを扉に入れたいなあ、それで糸綴じにしたらさらに可愛いだろうなあと思って手製本する予定で進めていました。
なので、総ページ数は最大でも48ページ(多すぎると綴じるのも化粧断ちするのもしにくくなる+中綴じはどうしても真ん中付近のページが外に飛び出す形になるので、多すぎると最悪紙面が切れてしまう可能性がある)ぐらいかなと思っていました。ただ、ついいつもの個人誌の感覚で進めてしまっていて、探沢さんに「今回は手製本でいきましょう!」というのは相談していたものの、総ページ数が何ページで、各自何ページ使えるかは打ち合わせできていませんでした……。
そしていざお互い読み合う段階になって、探沢さんの1作品だけで1万字を超えてしまっていることがわかり、ページ数が全然収まらない…!!という事態に。そこで急遽、探沢さんに半分ほどの字数にまで減らしてもらうことになりました(その節は大変ご苦労をおかけしました…)。

そうして、主に探沢さんに負担をかける形で(本当にありがとうございました…!)何とかお盆明けには本文が完成!あとは紙面のデザインを考えて各短編をつなげてひとつの本文にする&表紙を入稿するだけな状態になったのですが、ここでまたしても思わぬハプニングが。お盆休み最終日から体調を崩してしまい、幸いにも病院で検査をしたところ、コロナなどの感染症ではなかったのですが、それでも療養で4日間ほど作業ができない期間ができてしまいました。

無事に体調を立て直せて作業ができるようになった時点で、文フリ大阪当日の2週間前!
とりあえず合同誌の表紙だけでも入稿しないと…!と思って、何とか8月31日に納品してもらえるスケジュールで入稿に成功。本文の編集も8月最終週には無事に完成したので、あとは表紙が印刷所さんから刷り上がってくるのを待つだけの状態になりました。
この時点でもう文フリ大阪まで1週間ちょっとという時期だったので、本当ならここで新刊の個人誌は諦めて合同誌だけにしていれば、まだそんなにバタバタな状況にはならなかったのかもしれません。
ただ、表紙が8月31日に届いて、そこから31日・1日の土日で合同誌の製本をする予定だったのが、8月最終週に上陸した台風の影響で表紙の到着が遅れることになり、製本ができなくなってしまいました。
製本ができないということは、この土日にやる作業がないということ。ということは、この期間に個人誌の原稿ができるのでは……?そうしたら合同誌も個人誌も出せるのでは……?
今思うと、お品書き作ったりとか値札作ったりとか色々やることはあるよ〜と思うのですが、この時の私は個人誌製作へグイッと舵を切りました。

実は個人誌用として前から密かに書いていた原稿はあったのですが、この先の展開などを考えると、到底あと1週間で書き上げられる文量に収まらないと判断して、全く別のものをここから書き始めることに。実際に個人誌として販売した『ローゼンディアの人々』のあとがきでも書かせていただいたのですが、ちょうど去年で社会人になって丸5年が経ちまして、節目ですし何か「仕事」をテーマにした小説を書きたいなと思っていたので、今だ!と思って書き始めていきました。
8月31日の土曜日から書き始めて、本文が完成したのが9月4日の水曜日。装丁も一緒に考えて準備しないと間に合わない…!と思って、その間、同時に表紙作りも進めていました。

装丁を考え始める時、使いたい箔から入ったり入れたいモチーフから入ったりと、考えるきっかけはその時々によるのですが、今回は使いたい紙からでした。
落ち着いていて、どこか懐かしさを覚えるような雰囲気の本にしたいなと思っていたので、「ビオトープ」という名前の少しざらざらとした手触りのクラフト紙、それも紺色にしたいと思って用紙が選べる印刷所さんを探していきました。
ですが、納期のことも踏まえると印刷所さんが全然見つからず…!これはもう、用紙屋さんに紙だけ頼んで届けてもらうしかないのでは…!?と思い、用紙だけ注文することにしました。
ただ、それだと表紙のデザインができない(かなり深い色なので自宅のプリンターでは印刷が難しいため)。なら、何かを表紙に貼り付けちゃおう!名刺とかサイズ的にちょうどいいんじゃない?と思って、前々から一度利用してみたかったレトロ印刷さんで名刺を刷ることにしました。
こんな感じで、ギリギリ進行のために選択肢が狭まった中で捻り出した装丁だったのですが、実際に出来上がってみると静かな佇まいがとっても綺麗な本になったので、結果的に大満足しています!

そうして印刷所さんのおかげで合同誌の表紙も個人誌の部品も何とか無事に届き、合同誌については9月6日に目標部数すべて完成。個人誌は、早起きして文フリ当日の朝にも作業をして何とか目標部数完成!ついに文学フリマ大阪当日を迎えました。


イベント当日

いよいよ迎えた文学フリマ大阪当日。
昨年はサークル参加者の入場待機列がすごかったので、今年は早めに会場に着くように出発しました。
探沢さんとは会場で落ち合うことになっていたので、10時半に待ち合わせの約束をしていたのですが、到着するとすでにサークル参加者の入場が始まっていて驚きました!
全然列などもなく、そのままスムーズに入ることができたので、今までで一番楽なサークル入場だった気がします(尽力くださったスタッフの皆さま、ボランティアの皆さまありがとうございます)。

そうして無事に入場も終わり、自分のブースへ!
会場が広くて毎年のことながら迷ってしまうのですが、どこかな〜と探しながら歩くのすら楽しくて、いよいよ文フリが始まるんだ!と一歩進むごとにわくわくが積もっていきました。
今回、「け-23」で端から2番目の場所が割り当てられていたのですが、当日実際にブースに行ってみると、1列隣に移って1番端の場所になっていました!(設営の関係で当日になって変わったのですかね…?)
今まで端っこのブースになったことがなかったのでとっても嬉しくて!窓が近い!出入りがしやすい!と探沢さんとついひとしきりはしゃいでしまいました。
そんな思わぬ嬉しいこともありつつ設営を進め、早く入場できたおかげで開場の30分前には設営完了という好タイムを記録!ゆったり座りながら始まるのを待つ時間ができて、朝からずっとドキドキそわそわ緊張していた気持ちも落ち着けることができてすごくよかったなと思います。

イベントが始まると、いつもはじめの1冊が売れるまではすごく緊張して、1冊も売れなかったらどうしよう……とぐるくる思ってしまうのですが、今回は開場してすぐに来てくださった方がいらっしゃってとっても嬉しかったです。それも新刊を2冊ともお迎えいただけて、終わらないかもしれないと思いながら頑張って作った本だったので余計に喜びもひとしおでした。
そのあとも続々とお客さまにお立ち寄りいただいて、ただ本を手に取っていただけるだけで十分過ぎるほどありがたいのに、「京都で買った『雪の皇女』もよかったです」や「応援しています」などとお声かけいただいて嬉しさでいっぱいになりました。
特に、お子さん連れでお立ち寄りくださった方がいらっしゃったのですが、試し読み用に置いていた『プティフールの書架 -Soleil-』を見た子どもさんが「すごっ!」と言ってくださって、自分でもすごくお気に入りのアイディアだったのでとても嬉しかったです。イベントに出るたびに思いますが、こうやって手に取ってくださった方の声を直接聞けることは本当に貴重で、いただく一言一言にこれからまた創作を続けていくためのエネルギーがぎゅっと詰まっている気がして、「ありがとうございます」しか返せない自分が不甲斐なくなります。でもやっぱり感謝の気持ちでいっぱいなので、どうしても「ありがとうございます」しか出てこなくて……この感謝の気持ちを忘れずに、これからも楽しく頑張って創作活動を続けていきたいなと思います…!

今回、いつにも増してのギリギリ綱渡り進行だったのでサークルチェックをする時間が取れず、相互さんのブースを回るので手一杯、むしろそれも伺うのが遅くて完売した後だったり、もう帰られた後だったりしてしまったので、合間合間でお買い物に出るなどもう少し時間配分を工夫すればよかったかなと反省しています。
ただ、ブースに足を運んでくださる方とのすれ違いも避けたいし、叶うなら直接お礼をお伝えして本を手渡させていただきたいので、そこら辺の兼ね合いが難しいなと思っています。
特に大阪は会場がとても広く、何か目印がないとすぐに迷子になってしまうので(実際「た」列がどこかわからず右往左往しました)、配布されたブース番号の紙を貼ってくださっているととっても助かりました…!


振り返って

今年1月の文学フリマ京都のレポで書いていた「ゆとりのある原稿スケジュール」は一体どこに行ってしまったんだろうか…?という感じのギリギリ進行でしたが、今回も何とか無事に新刊を出せてほっとしています。
特に、年始に書いた2024年にやりたいことで「合同誌を作る」をあげていたので、今回探沢さんと作ることができてとっても嬉しかったです。
また、「あれも書いたかった…!」「こんなのもあったの…!?」と色々と買い逃しはあるのですが、素敵な御本をお迎えできて何から読もうかなとわくわくしています。来てくださった方にお声かけいただいて改めて思いましたが、やっぱり感想をいただけるととても励みになるので、私も拝読した御本は少しずつでも感想をお伝えするようにしていきたいなと思っています。

最後になりましたが、当サークルに足をお運びくださった皆さま、文学フリマスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。それまでの大変さが全部吹き飛んでしまうくらい、とても楽しく、幸せな1日でした。

次回は来年1月開催の文学フリマ京都への出店を予定しています。今度こそゆとりを持った原稿スケジュールを…!と今の時点では思っているのですが、果たして叶うのかどうなのか……!
とにかく次も何か新刊が出せるように頑張りたいなと思っています。



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