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2024.1.14文学フリマ京都8

1月14日の日曜日にみやこめっせで開催された、文学フリマ京都8に出店しました!毎回、イベント後に特に何かを書いたりはしていないのですが、今年の自分目標が「覚えておきたいことはこまめに記録する」なので、その一環で今回はレポのようなものを書いておこうと思います。


当日までの準備

イベントまでどんな風にスケジュールを組んで準備されているのか、ほかのサークルさん方に一度聞いてみたい、そして参考にしたい!と常々思っているのですが、私の通常の動きとしては、

①新刊の構想を練る+印刷所さんの検討・締切日の設定(3ヶ月前ぐらい)
②原稿期間
③入稿(1ヶ月半前〜1ヶ月前ぐらい)
④新刊完成(1〜2週間前ぐらい)
⑤お品書きや値札の作成・告知(1週間前〜前日)
⑥イベント当日!

といった流れなのですが、今回は数年に一度の超繁忙期+推しているアイドルのライブが11月〜12月と丸かぶりするという少しいつもと違うことが重なりまして、普段通りの動きができなくなっていました。それでも、まだ12月中旬ぐらいから動き始めれば何とか間に合うだろうと思っていたのですが、まさかのその中旬に体調を崩し、それが年末までもつれ込むという事態が発生しました。
結局、年末年始は休養して過ごしたので、新刊原稿に取り掛かることができたのが年明けの1月頭から、この時点で印刷所さんをどこにするかはおろか、何を書くかも決まっていない!総文字数0!というなかなかのギリギリっぷりで、一度は今回は新刊は無理かもしれないと諦めかけました。
ただ、これまでイベントのたびに毎回新刊を出していたので、その連続記録を途絶えさせたくない!それに自分の新しい本を何より自分が一番見たい……!という気持ちで、急いで新刊に取り掛かることにしました。

できるだけ書きやすいように今と同じ季節に作中をしようと思い、新刊のイメージを「雪」や「冬」にすることに決定。この時点で、原稿を入稿できるのがどれだけ早くてもイベント1週間前で、この時期となると、自分がやりたい装丁で間に合う印刷所さんはない(どうしてもB6版の中綴じで、表紙をシルバー印刷かホワイト印刷にしたかったのです……)というのがわかっていたので、表紙だけ印刷所さんに頼み、本文は自宅のプリンターで印刷、製本も自分ですることに決めました。
本文は自宅で印刷なので、最悪ギリギリまでできていなくても何とかなりますが、表紙は印刷所さんからの納品が間に合わないと困るので、先に表紙を作成。今回、「雪」がモチーフだったので、紺色の紙を使いたいなと思い、「ディープマットインディゴ135kg」という紙を選びました。悩んだのが印刷色で、カラーにせず1色で刷るというのは早い段階で決まっていたのですが、それを白にするかシルバーにするかで入稿直前まで悩みました。結局、『雪の皇女』というタイトルにあわせて、雪っぽくもあり、高貴な感じもあるシルバーにしましたが、思っていた以上に上品で存在感のある表紙に仕上がってくれて大満足しています。
そうしてやっと表紙入稿!今回、プリンパさんという印刷所さんにお願いさせていただいたのですが、何と朝10時までに入稿してその日のうちに出荷という0営業日コースがあったので、おかげで入稿して翌々日には手元に届きました!(原稿ギリギリ進行民になんて優しいのでしょう……!)
肝心の本文は、1/6の夜から書き始め、1/7丸一日かけて完成させました。私は筆がそんなに速い方ではないので、1日で5000〜6000字書けたらよく頑張った方なのですが、今回はなんと1/7だけで1万字強書いたので火事場の馬鹿力ってすごいな……と我ながら感心しました。人間、今やらないとこれ以上後がない場面に追い込まれると案外できるものなんだなと思いつつ、時間に追われるあのハラハラをもう一度は経験したくないので、今度はもっと計画的に原稿スケジュールをたてようと思っています。

そんな感じで表紙も1/7に届き、本文も1/8には推敲して紙面のデザインもして無事完成したので、1/8の夜から何とか製本作業に取り掛かることができました!
当初の予定では、時間もないことだし普通にホッチキスで留めて中綴じしようと思っていたのですが、いざ出来上がってきた表紙を見てみると、このデザインにホッチキスは何だか味気ないな、せっかく本文も綺麗にカラーでデザインしたし、何か凝ったことがしたいなとなり(製本作業中、何を考えているのかとこの時の自分を問い詰めたくなりました)、前々から気になりつつもなかなかできずにいた糸綴じをこれを機にやってみよう!ということで、急遽糸綴じすることにしました。
表紙をトンボ付きで納品してもらっていたので、まずは表紙をカッターで切って真ん中で折って、同じように遊び紙のトレーシングペーパーと本文も折って、とここまではよかったのですが、糸で綴じるために紙に目打ちで穴を開ける作業が思いの外大変で。力を入れないと穴が貫通しないし、入れすぎると穴が大きくなりすぎるしでなかなか苦労しました。そのあとの糸で綴じる段階でも、最後に固結びするのがなかなか上手くできなくて、これはどうやればいいんだ……?と手順を書いてくれているサイトを何度も見ながら四苦八苦しました。ただ、それも数を重ねていくうちにどんどん手際がよくなって、最初は1時間に2、3冊作るのがやっとだったのが、最後には1時間に5、6冊は作れるようになってすごく嬉しかったです。
製本作業を本格的に始めたのが1/9からだったので、主な作業期間が平日になってしまい、その頃もまだ超繁忙期の真っ只中で毎日22時過ぎに帰ってきてから1時・2時ぐらいまで作業、また次の日仕事といった形だったのですが、どうしても平日に作れる数には限界があるので、イベント前日の土曜日がたまたま奇跡的に休みになったおかげでまとめて作業できて、本当によかったなあと今振り返ってしみじみ実感しています。


イベント当日

そうして何とか綱渡りのようなギリギリっぷりで迎えたイベント当日!
会場のみやこめっせ近辺には、お隣の京都府立図書館に月に一度は行くので、絶対迷わない!余裕で行ける!と思っていたのですが、この日は重たいスーツケースがあることをすっかり失念し、いつもの所要時間の計算で出発したところ、スーツケースが重たくて前に進むスピードが普段より格段に遅くて驚きました。合同サークルでの出店だったので、サークル仲間の探沢歩々子さんとは現地集合にしていたのですが、自分から設定した待ち合わせ時間にもかかわらず自分が遅刻するという間抜けっぷりで、今度からはスーツケースの重さを時間計算に入れるようにしようと反省しました。

出店者入場が開始され会場内に入ると、会場全体に並べられた長机と椅子に、もうそれだけで心が踊って、いよいよだ……!とすごくわくわくしました。毎回設営に時間がかかってしまって、いつも開場ギリギリに何とか終わるのですが、この日は何と10時半にはすべての設営が終わるという好タイムを記録!これはすっごく幸先がいいのでは!?と思って嬉しくなりました。

イベントで楽しいポイントはたくさんあるのですが、その中でも特になのが、開場アナウンスの後、出店者全員で拍手をするあの瞬間だと思っています。イベント当日を迎えるまでにかかった時間も苦労も、かける思いも、きっと出店者の数だけあって一人ひとり違うと思うのですが、それでもそれぞれに楽しくも大変な日々を乗り越えてこの日を迎えていることはきっと同じで、お互いよく頑張ったよね、今日を迎えられてよかったね、一日たくさん楽しもうね、という思いがあの拍手に込められている気がして、毎回決まって胸がいっぱいになります。
いつも会場内でも真ん中の方のブースに配置されることが多いので、始まってすぐはあまりお客さんが来ないのですが、今回はちょうど出入り口を入ってすぐにある通路のブースだったので、始まって早々にお客さんが来てくださって、もう来てくれたんですか!?と驚きと嬉しさでいっぱいになりました。新刊の糸綴じの糸が白色がデフォルトだったのですが、数部だけシルバーの糸でも作っていて、はじめの方に来てくださった方にはどちらか選んでいただいたのですが、シルバーが売り切れてしまった後も、何名かシルバーをご希望されて来てくださった方がいらっしゃったので、もっと多く作っておけばよかったなと思いました。
ブースには、フォロワーさんや普段イベントのたびに立ち寄ってくださる方のほかに、今回ははじめましての方もいつもより多く足を止めて本をお迎えくださっていて、新刊が比較的手に取りやすい価格帯だったのでそれで初めてでもご購入いただきやすかったのかなと思ったりしています。普段あまり、中綴じで数十ページぐらいの本は作らないのですが、自サークルを少し気になってくださった方向けに、少し抑えめのページ数かつ価格帯の本を置くのもいいなあと思いました。手製本だと売り切れても作り足すことが比較的しやすいので、何か「うちのサークルの作風はこんな感じです!」というのがわかる本を作りたいなというのが次のイベントに向けての目標です。

ありがたいことに新刊はたくさんの方に手に取っていただけて、14時過ぎには完売になりました(完売後に来てくださった方には申し訳ありません……)。
また、今回のイベントで主催したアンソロジー『花耳とみどりの手』の増刷分もすべて完売となりました!このアンソロジーは2020年の文学フリマ大阪で発行予定だったのですが、ちょうどコロナ禍になってしまい、BOOTHでの通販が初販売、その後テキレボEXで販売し、一昨年の文学フリマ大阪で初めてオフラインイベントで販売、それから昨年の京都、大阪を経ての今回の文学フリマ京都8で完売という流れでした。
なので、発行した当時はこのアンソロジーをイベントで販売できる日が来るとは思っていなくて、こうして今回の京都で完売することができ、とても感慨深く思っています。改めて、手に取ってくださった方々に心から感謝を申し上げます。

自分のお買い物は、今回新刊作業で手一杯だったこともあり、あまりサークルチェックができていなかったのですが、フォロワーさんの御本に加え、気になったはじめましての方の御本も何冊かお迎えできたのでとっても嬉しかったです。それでもイベントが終わってから、あ!あそこも行きたかったんだった!や、ほかの方のお迎えした本の写真を見て、こんな本もあったの!?となったので、余裕のある原稿スケジュールを組んで、ゆっくりサークルチェックをする大切さを学びました……!


振り返って

色々と書きましたが、要約すると、ゆとりのある原稿スケジュールを組んで、余裕を持った入稿をしよう!そして体調管理もしっかりしよう!につきるかなと思います。ただ、今回ギリギリ進行だったおかげで、苦手だと思って避けていた糸綴じが、意外と自分でもできることがわかったり、手製本の楽しさを知ったりしたので、大変ではありましたが振り返ってみると楽しい準備期間だったなと思います。
また、イベント当日、たくさんの方に本をお迎えいただけて、嬉しいお言葉をいただいて、やっぱり私は小説を書くのが、本を作るのが好きだなあと改めて思いました。最近ほかの趣味や仕事の忙しさにかまけてあまり創作の時間を取れていなかったのですが、今年は創作もほかの趣味も仕事も頑張るぞ!と心に決めた一日でした。

次は抽選次第になりますが、当たれば7月の文学フリマ香川に出られればと思っているので、そこに向けて今度はゆっくり着実に原稿を進めていきたいなと思います!


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