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かわいい夫(読書感想文)

 娘たちとしばしば「かわいい」って無条件の愛だよね、話で盛り上がることがある。「かっこいい」とか「渋い」とか「いい人」も十分愛情表現なんだろうけど、少し対象者に対する期待を感じる。でも「かわいい」はどちらかというと、「そこにいてくれるだけでいい」みたいな存在への愛を感じる。

 私の結婚式の友人代表スピーチで、親友が朗読した(聞いてなくてビックリ)私が学生時代、夫に片想いをしていた時に彼女に送った手紙には「Kさんがいてくれるだけでいい、ってずっと思っていたい」と書いていた。
 夫にこうして欲しい、と何かを要求したり、こうなって欲しいと願うのではなく、夫の存在そのものに感謝していた気持ちは今も変わらない。

 「かわいい夫」のタイトルに惹かれたのは、私も夫のことをずっとかわいいと思っているから。

 ナオコーラさんの淡々とした言葉の中に含まれるぬくもりとか芯みたいなものとか希望とかがじわじわと滲み出て、それがまたまっすぐで素敵で。とても好きだった。
 読みながら良い気分になった。
 
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<心に残った言葉(順不同)>

●自分の憧れとして、「ギブアンドテイクではない、ただの人間関係」というのがあるのだろう。

●自分にプラスになるものを得るために友だちを作る時代は終わった。

●プロとかアマとか、どちらがお金を払っているとかは、どうでもいいのかもしれないなあ、この社会を一緒に作っている人、というだけで関われればいいのかも。

●親が子どもに教えられるのは「生を絶対的に善とすること」のみだ、と聞いたことがある。

●世間に関係なく、自分で自分の価値を認められるように。

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