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第二言語習得論から見ても、リスニング学習を一番優先すべき理由!

こんにちは、なみのリズムのアサコです。

どうやったら英語が話せるようになるのかな?今までたくさん勉強してきたのに、思うように上達しないのはなぜだろう?そう思っている人も多いと思います。

以前の私もそうでした。私の学生時代は約20年前。今でこそ、学校でリスニング学習が取り入れられるようになっていますが、音声面での学習が皆無の時代でした。いくら英文を読む練習をして、英文を読むことが得意になっても、自然な英語が身に付かないのは当然のことだったと思います。

今確信しているのは、言語学習にはリスニングが一番大事であるということです。

数年前に指導していた生徒さんで、外国籍の方がいました。その人は10歳の時、全く日本語が話せない状態で日本にやってきました。当時は高校生。実に流暢な日本語をしゃべっていました。もちろん、8年間日本語に囲まれて暮らしているので、当然のことのように思えますが、両親は、日本語がほとんどできないとのこと。必要な時に通訳をしてあげていると言っていました。

これ、よくある話ですよね。海外赴任して数年間外国に住んだことのある人の話として、子どもの方は外国語をなんなく習得しちゃうけれど、大卒である両親は、かつては勉強したはずの英語の獲得に非常に苦労してしまうということ。大人になってから海外移住して、長い期間滞在したからといって、自動的に現地語が話せるようになるわけではないようです。

さて、先ほどの高校生の件で「興味深いな」と思ったのは、彼は英語は全くできなかったということです。それも、恐ろしいほど…と言っては非常に失礼なのですが^^;、本当に文法が苦手で、単語も全く覚えられないとのことでした。

彼は、言語能力はあるはずなんです。だって、何も知らない状態で日本に来て、日本語を流ちょうに話せているし、日本語での作文も上手に書くことができるんですから!それも、10歳というかなり中途半端な時期に来たわけですから、かなり苦労したことと思います。

ただ、日本語であっても、ややこしいことを説明することには若干時間がかかっていました。表現力という点では、ハンデがあるように思えました。その意味で、言語能力は秀逸とまでは言えないのかもしれません。それでも、日常生活を送るのには全く問題ないほどの日本語力です。そんな彼が、学校で習う英語はメタメタにできないのです。これは、どういうことなのでしょうか?

今私の手元に、白井恭介著の「外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か」という本があります。この中に、「言語習得は聞くだけで十分?―インプット仮説」という項目があります。この中の実験をご紹介します。

アメリカで行われたロシア語学習の実験です。以下、引用。

「…12週間のプログラムの最初の4週間はディクテーションなどの活動に費やして話すことはさせず、学期の後半だけ話す練習をさせたグループと、最初から話すことと聞くことの両方の訓練を受けたグループとを比較したのです。すると、前者の、話すことを遅らせ聴解優先の学習をしたグループが、最初から話す練習をしていたグループに総合力で勝り、話す能力もより優れていたのです」(強調部分は筆者=私によるものです)

日本語がわからない外国の子どもが小学校に入り、最初は全く話ができないものの(沈黙期間)、あるとき突然流暢に話し出す、ということがよくあることは一般に知られています。

上記の実験からしても、最初にインプット(リスニング)を十分に行い、その後でアウトプット(スピーキング)をした方が、効果が高いようです。

リスニングは、スピーキングだけに効果があるわけではありません。白石氏は、「リスニング能力が他の3技能に転移する」ということも述べています。

同書によれば、サンノゼ大学で行われたスペイン語学習において、聞く活動を70%、20%を話す活動、10%を読み書きにあてたグループが、他の教授法で学んだ学生と比べ、聞く・読むスピードが三倍のスピードで習得され、話す・書く力も劣らなかったそうです。

したがって、白石氏は「インプットを理解することが言語習得の重要なメカニズム」であると述べています。ここから、インプットを理解すること=リスニングの重要性が分かるかと思います。

英語が話せるようになりたいと思って、すぐに英会話スクールに行く人がいますが、上達の効率性という観点で、私はオススメしません。十分なインプットがない状態で英語を話しても、不自然な英語しか話せないからです。

日本人がたくさん英語を勉強しても、上達がうまくいかないのは、リスニング学習が圧倒的に足りないからではないでしょうか。

私の知っている外国人(フィンランド人やスウェーデン人など)で英語が流ちょうな人は、決まってアメリカのドラマや映画で英語を勉強しています。とあるスウェーデン人の子は、「現在完了の使い方なんて考えたことない。感覚で使ってるから」と言っていました。インプット重視で学習を行えば、文法が苦手な人も関係なく英語が習得できるのかもしれません。

これは、学校の英語が苦手な人にとっては朗報ではないでしょうか?

本で覚えた英語表現を変なイントネーションで使うよりも、完璧に聞き取ることのできた英語表現を、同じような場面で、同じイントネーションで再現する方が、絶対に相手に伝わるはずです。

ですから、今、英語学習で悩んでいるという人には、リスニングをまず一生懸命勉強してほしいです。発音、音節、強弱のリズム、そこから派生する発音変化さえ完全に理解できれば、インプット学習は絶対にうまくいきます。

そうすることで、文法や語彙暗記等の苦手分野も克服できるはずだと、私は信じています。

リスニング学習についてのヒントは、惜しみなく記事で書いていきますので、応援して下さるとうれしいです!


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