口を出して一緒にがんばってるふりをする方がよっぽどラクだった
8月に娘とピアノのレッスンにまつわる記事を書きました。
で、今回はこの続きのお話しを少し。
このとき登場している「一切の適当を許さない」先生に、変わらずに教えていただいています。
で、また何をだまされたか小2次女、コンクールに出ることにしちゃったんです。
先生からその話が来たとき「おお、きたか!」(来るとは思ってたんだ)と思いました。正直、次女にコンクールは早いと思っていました。
コンクールって発表会とはちがって、すんごくうまい子や将来ピアノを飯の種にしようと思ってる(主に親が)子たちが集う場であって、わが家みたいな、のほほんお稽古の子どもたちにはちょっと遠い世界。
長女は昨年の冬に「新体操に真剣に取り組む前に1回ぐらい出ておこう」と「記念受験的」に出場しました。長女はなかなかピアノがうまかったし、自分でピアノと向き合えていたから。
でも次女はできればピアノとは向き合いたくない、ちょろちょろっと練習して終わっておきたいくちなので、正直「やめとくれよ」と思いました。
先生は「本人が出ると言ってるのだし、責任を持って伴走しますから」と。
そして自由曲には、ブルグミュラー「乗馬」を。25の練習曲の一番最後の曲。長女が小3で髪振り乱して練習して、コンクールに弾いた曲です(ちなみに母は小5?ぐらいで弾いたけどな!)。
そして、今週末、本番を迎えます。
年末までは絶望的でした。
「え、いつ両手になるねん!」「え、いつになったら通し練習できるねん!」とヒヤヒヤして見ておりましたが、口出しをしませんでした。
「きょうは疲れたからもう明日にする」と言うときも、「明日のどの時間に練習をするか計画して見せてね」と言うだけ。
うまく弾けなくてキーキー言いながら怒っているときは、そっと別室に離れて「ギュして」といういうときにだけ応じていました(母のにおいをクンクンすると落ち着くらしい、なんて動物的な!)。
がんばった。耐えた。
だって先生が「責任を持って、伴走する」と言ってくださったんだから。
信じてみようという気持ちよりも、正直「私の反対を押し切ってこの難しい曲をやらせるなら、私責任とれへんわ」みたいな気持ち。
でも、正確に言えば一番がんばったのは次女。
そして次にがんばってくださったのは先生。
通常週1回30分のレッスンを、年明けからは週2回合計3時間ぐらい見てくださっています。
年明けからも変わらずキーキーいいながら、暴れながら練習していますが、なんとか形になってきました。
親ががんばれることなんて、何にもないな。
叱咤激励したって、結局ピアノに向き合うのは本人だし、導くのは先生だし。
ただただ静かに「ギュ」に応えて、レッスンへの送り迎えをするだけでした。
でもねえ、見守るってしんどかった。
口を出して一緒にがんばってるふりをする方がよっぽどラクだよう。
いつまでも子どもの人生に親が口を出し続けちゃいけないことはわかってた。
子どもはいずれ自分の人生を自分で歩かなきゃいけないし、親はいつか手を引かなきゃいけない。
子ども自身が自分で結果を引き受けなきゃいけない。
わかっちゃいるけど、ついつい干渉しまって、手を離すのはもっと先でいいと思っていた。
だって私の言った通りに練習して、私の思い描くスピードで上達してくれている方が、よっぽど私が安心できるから。
手を離してみて、次女には自分のスピードで歩ける力が芽生えているのだと気づいた。
自分で自分の気持ちの立て直し方を模索しているし、自分でピアノと向き合おうという意欲も出てきた。
正直、今回のコンクールの結果なんてどうでもいいと思っている。
親子ともにそれ以上の収穫を手にしている、と思う。
今回先生があえて難しい曲を提示して、私にさじを投げさせたのは、実は私にも親としての関わりを学ばせるためでもあったのかなあ、なんてこともちょっと考えている今日この頃。
あと数日、最後までごちゃごちゃ言いたい気持ちを、口チャックで見守ります!
長野奈美
認定NPO法人マドレボニータ 理事、認定産後セルフケアインストラクター。
1981年1月、名古屋生まれ。前職は新聞社の校閲ガール。
2010年に長女を出産後、ニュースの一線で働くことに悩み36歳で一念発起、インストラクターの道へ。女性が妊娠・出産してもやりたいことを貫ける社会を目指して、啓発活動にも力を入れたいと思っています!
ヨガインストラクターとしても活動中。
家族は夫と3人の娘(小4、小2、年少)。
★担当教室:産後ケア植田教室、千種教室、西三河教室、「産前・産後のセルフケア オンライン教室」
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