事業開発前提の変化とその対応

「前例にないスピードで、想像の先の世界へ 」

LinkedInの自身のプロフに表記したこのスローガンは、
・音楽理論に紐づくファシリテーション
・機能性評価を軸とした技術開発スキーム
・MBAでの学びを発端としたマーケティング知見
・エンジニアとしての物理化学の知見
これら4つの要素を十分反映させることでなし得ると考えていました。
が、それは前提としてグローバリゼーションが良い方向で進んでいる時代を意識しています。
残念ながら、2022年に入りその前提が大きく崩れ、当面戻らない感覚を得ており、スローガンの”スピード”について見直しが必要であるという認識になっています。

どういうことでしょうか?

具体的には、事業開発の初期の仮説検証サイクルは圧倒的な速さで回すことができますが、スケールアップが難しい。

コロナ禍で人の動きは制限されても、モノの移動に制限がされなければ、さほど問題はありませんでした。しかし、現在はすでに様々な理由でサプライチェーン問題が発生しており、イデオロギーの対立(これは歴史上周期的に発生して、おそらく未来もそのサイクルは変わらないのですが)の結果として、世界はグローバリゼーションからブロック経済への移行がおきかねません。
例えば装置産業では、様々な部品の納期問題が発生しており、その納期は数年前の5倍以上に長期化しています。

JUST IN TIMEが正義だったはずが、いつしか在庫を持っている企業が正義となり、ますます混乱は高まっています。全体像がわかるようになるには、まだ当分時間がかかるでしょう。

結果として、技術検証を終えた後のスケールアップ(量産)は、これまでの(大企業の)意思決定プロセスで対応すると、個人的な見通しで3倍以上長期化します。意思決定プロセスを見直すことで、その間延び具合は多少縮小できる目処はあるにしても、従来よりも早めることはできません。何も対策を打たずに放置すると、熱量が干からびてしまいます。新規事業開発に従事する方は注意が必要です。

以上のような考察から、現在、急ピッチで技術開発ロードマップを修正しています。
・必要なモノは一体に何で、その確保には何が今できるか?
・確保の方法は購入だけなのか?
・モノが入らないなら、その間何をすべきなのか?

先日、ものづくり展示会に参加し、各レイヤーのプレイヤーの皆様と対話を繰り返すことで、そのような危機意識をさらに高めた土曜日でした。

ちなみにハードウェアではやぬソフトウェア系はどうなんでしょうか??詳しい方いたら是非教えてください!

※エネルギー資源のブロック経済化が本格化する場合、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルの潮目も変わる可能性があります。詳しくは書きませんが、ロシア制裁の影響を最も受ける欧州がどのような動きになるかを想像すると、見えてくるものはあると思います。

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