
「好き」を探すのが苦手な大人は沢山いる
「生きづらさ」の原因は辿ってみると十中八九、その人の幼少期にあります。
自分は人付き合いが苦手だ、
自分は根気が続かない、
自分は何にも興味が無い、
大人になった今、抱える悩みや苦しみの現れ方は様々です。
でも、今現在の苦しみをしっかり見つめることが入口で、
掘り進むと幼少期まで遡ることが少なく無いのです。
「生きづらさ」を抱える人が、
「自分は生きづらい」と気がつくことは、大きな一歩です。
なぜなら、その人は幼い頃から、その「生きづらさ」と共に生きて来たのですから、
生きづらい状態しか知らないのです。
それでも気づいたということは、自分と向き合う第一歩を踏み出したということです。
生きづらい人は幼い頃から自分の感情を放ったらかしにせざるを得ない環境で育っています。
だから、自分の感情をキャッチすることが難しいのです。
それなのに「生きづらさ」に気がついたということは、自分と向き合い始めたと言えます。
向き合い始めて尚、感情を掴まえることに苦労する場合が多く見られます。
自分の感情を放ったらかしにして、親や周囲の顔色や空気を察知し、自分の感情表現を決めることを半ばオートマチックに行うクセが染み付いているのですから、
自分の感情を掴まえることが苦手なのは仕方のないことです。
仕方が無いのですが、抱える「生きづらさ」を手放そうと思ったなら、
自分と向き合うことが、どうしても必要です。
自分と向き合う、ということは自分の感情を掴まえて感じ尽くすということです。
それには、これまで放ったらかしにしていた為に、心の奥底で固まった状態になっている自分の感情を柔らかく溶きほぐすことが大切です。
生きづらい人は、掘り下げて幼少期の心の傷の原因となった出来事に辿り着いても、
「母からこんな事を言われた」
「父からこんな事をされた」
という状況の説明は細かく出来るのですが、その時の感情については、
「嫌だったと思う」
などと言った「他人事」の様な言い回しに終始することが少なくありません。
これが、感情が固まった状態です。
自分と向き合って「気づき」が訪れたなら、固まっていた感情は一気に溶けて、
涙がとめどなく流れます。
幼い日に心の奥底に放置した感情が堰を切ったように押し寄せ、涙が溢れます。
心のことに定形は無く、
掘り下げて、原因の出来事に辿り着くやいなや、「気づき」が訪れる場合もあれば、
固まった感情が動き難く、なかなか「気づき」に至らない場合もあるかと思います。
そういった思うに任せない状況に焦りや苛立ちを覚えると思います。
しかし、生きづらさを手放す決心をして、自分と向き合い始めたなら、
産みの苦しみは有ったにしても、必ず辿り着きます。
自分と向き合う方法がわからない。
決断の仕方がわからない。
といった事を聞きます。
それは、方法とか仕方といったことでは無く、
感情が柔らかく動くか否か、です。
掘り下げて心の傷の原因に辿り着いたなら、本来、感情が動くので、
方法でも仕方でも無い訳です。
ただ感情が固くなっているだけです。
心の仕組みを知ったり、自分と向き合ったりすることと並行して、
自分の感情を柔らかくすることは、とても助けになると私の実体験として確信しています。
幼い頃から、ずっとないがしろにして来た感情は固くなっています。
それを実生活の中で少しづつ溶かします。
先ずは、起きる出来事や目の前の物を徹底的に自分にとって、快いか不快かを選別します。
心地よいか、
心地よくないか、
どちらでもないか、
に分けます。
朝、目覚めて、
快か不快かどちらでもないか、
カーテンを開けて、
快か不快かどちらでもないか、
顔を洗って、歯を磨いて、朝食を食べて、コーヒーを飲んで、靴を履いて、玄関のドアを開けて、
全部です。
慣れたら、
朝目覚めて、どう「快」なのか、どう「不快」なのか、簡単な理由に着目します。
「快」「不快」のすぐ先に「好き」「嫌い」があります。
感情を閉じ込めてきた、生きづらい人は「好き」なこと、「嫌い」なことがわからない場合が少なくありません。
自分の「好き」には価値が無く、
親が好むことを優先して来たのですから、無理は無いのです。
「快」「不快」は赤ん坊が最初に感じる感情です。
そこから探して、
自分の「好き」「嫌い」を優先して良い事を知り、
様々な感情を感じることに取り組みます。
子供騙しに感じられるかと思いますが、自分の好き嫌いがわからない大人は沢山います。
コレを選んだら得だから、
コレを選んだら便利だから、は
コレが好きなのではなくて、得と便利が好きなんです。
取り組んでみると、直ぐに効果は実感できて、この花が好き、こっちの道が好き、夏が好き、このシャツが好き、
いろんな「好き」が見つかります。
感情が少しづつ動き易くなります。
心のことは、ひとつ動けば、あらゆることが一気に動き出します。
だから気づきは一瞬であり、
気づけば世界が変わるのです。
読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。
NAMIDAサポート協会カウンセラー
伴走者ノゾム