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キングダムの好きな武将トークに見る価値観と課題
キングダムでどの武将が好きか?それはなぜ?って話すると、考え方や憧れるリーダー像が見えるよね、という話で最近盛り上がった。今日はその話をしてみる。
好きな武将は誰?
昔から漫画はあまり読まないのだが、キングダムだけは大好きで、今でも最新刊が出たらすぐに購入して読んでいる。73巻まで来ているので(2024年11月現在)、キングダムファンなら「好きな将軍は?」と聞かれて答える "推し将軍" がいるのではなかろうか。ちなみに私が一番好きなのは麃公(ひょうこう)だ。生き様がかっこいい。そして、夫はダントツで王翦(おうせん)が好きとのこと。
対照的な2人の武将
私が好きな麃公と、夫が好きな王翦は対照的だ。
麃公 … 戦場で生まれ戦場で育ったという現場主義の実力派。自ら戦場の最前線で戦うことで自分の圧倒的な武力を証明し、意志・信念・熱量で率いている。名将としての地位や名誉には一切関心が無い。
王翦 … 冷静で緻密な戦略家。戦場は部下に任せ、自身は遠くから全体を俯瞰して統率する。感情を抑えた指示で状況を分析。冷静に判断を下し、必要以上にリスクを冒さず確実に勝ちにいく。自身の国を作るという野心あり。
このように、現場主義/自信の実力で率いる本能型の麃公と、全体俯瞰型/リスク管理に長けた知略家の王翦は対照的だ。なぜ好きなのか?なぜ憧れるのか?を話していると、その判断軸に各々の「リーダーたるものこうだろう」という価値観が強く反映されていることがわかり面白かった。
憧れるリーダー像
大将軍に問われるのは、統率力。自身の強さは当たり前のことで、勝利に導くために兵を鼓舞し、引き上げ、戦局の変化に揺るがず勇敢に構えていなければならない。「キングダムで好きな武将は誰?」を考える時、自分が付いていきたいリーダー像、あるいは自分がリーダーとなる時にありたい姿を映しながら考えている。
現場主義の私が共感する点
いつも戦場の最前線に立つ麃公が好きな私は確かに現場主義だ。役職者になって大きなチームを率いたような立派な経験はしてきていないが、学生時代も社会人になってからも小さなチームのリーダー経験なら何度もある。
私の場合、前に立って率いることがそんなに得意ではないので、説得力のある人間でいようという意識から自ずと現場主義になったという感覚が近い。誰より行動し、誰よりも学び、誰より結果を出すことで、口下手な自分でも「この人が言うなら付いていこう」と思ってもらえるように努めてきた。広く認められる華々しい功績を作ることより、目の前のクライアントや仲間が喜んでいることが嬉しいという価値観だ。
いつも戦場の最前線で闘い圧倒的な強さを誇る麃公が好きなのは、彼の美学と自分が大事にしてることが一致するからだろう。
パッション解放が苦手な私が憧れる点
共感する点のほか、自分もこんなリーダーであれたら良いのにな〜という憧れもある。麃公はいつも最前線で「突撃じゃあ!!」と叫ぶ。そして兵士たちが一斉に奮い立つ。かの有名な最期のシーンでも熱い言葉を送り、残された兵士たちにそのマインドが引き継がれた。
私はそんな熱い、いや暑苦しいくらいのリーダーにとても魅力を感じる。しかし自分自身はそういう振る舞いが苦手だ。心の中に熱いものは持っているつもりだが、それを表に開放して表現することができない。そもそも大きい声の出し方がわからない。笑 だからこんなリーダーであれたら良いのにという憧れもある。
大きい声が出せませんとか言ってる時点で無理しても変な感じになりそうなので、これは一生「憧れ」で止めておこうと諦めている。
見えてきた自分の弱点
一方、夫の推し将軍王翦は、現場で闘うシーンは少なく、いつも後ろの方でじっとしている(言い方)。いざというときの武力はとても高く、戦場での生存力と戦略眼で圧倒的な成果を出す。自分が最前線に入ってしまっては全体が見えない。知略型の彼は、自分は引いた位置から指示を出し戦局を操る。
現場主義の私は麃公が好きだが、このように書いていると、王翦の全体を指揮する力とその姿勢にはハッとさせられるものもある。私自身、行動し努力する姿勢は持っているが、チーム全体を後方から見渡してドシッと構えて指揮することにはどうしても気後れしてしまう。頼むことが苦手で、自分が汗をかかない状態で人に任せると思うと戸惑いが生じ、まずは自分が動かないと!と戦場へ出て行ってしまう。
この姿勢によって説得力が増してチームに良く作用するシーンもある一方で、全体のスピードが損なわれるし、自分の手の届く範囲にしか広げられない限界がある。そんな弱点も認識している。自分が前線で走り回っているために見逃しているトレンドも多そうだ。
これから自分で事業をやるとなると、いつまでも現場主義で自分が最前線で闘うという姿勢だけではすぐに限界が来るだろうと最近考える。好きな将軍は変わらず麃公だが、今後は王翦のスタンスから学ぶべきものも多いのだろう。
※キングダム関連の他の記事
ちなみに、『キングダムと組織マネジメント』『キングダムとリーダーシップ』というテーマは既に何年も前から色々なところで取り上げられている。だからキングダム読んでる方に出会うといつも盛り上がるし、価値観が見えて相手のことがよくわかって良い。
麃公が現場に必要な営業部長と言えるのは、彼自身が最初にお手本を示すことで部下を鼓舞する役割を果たせる、唯一の人物だからです。軍の兵士たちに麃公が慕われていたのは、部下の能力を的確に見抜き、時には重要な役割を任せるリーダーであったからこそでしょう。
いわゆる「引っ張るリーダー」は、時間の有無にかかわらず、自分で考えたことを指示し、その通りに動く組織をつくろうとします。すなわち、フォーミング(同調期)で満点を取りに行くやり方です。ただ、それだと「自分より優秀なリーダーが率いる相手」と戦った時に、必ず負けることになります。ジャイアントキリング、つまり格下が格上に勝つ「大金星」は起こらないんです。フォーミングの組織同士が戦えば、単純にリーダーが優秀な方が勝つ。
それに比べて、『キングダム』は主人公の信と飛信隊がジャイアントキリングを起こし続けていく。だから面白いんです。つまり『キングダム』を通してジャイアントキリングの起こし方が学べるということです。
ということで、今日のジャーナルはここまで。
アイキャッチには中国史と無関連だが、戦繋がりで私の地元岐阜にある「関ヶ原ウォーランド」の写真を入れた。なかなかシュールで、「珍スポット」とか紹介されてることも多い。笑
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興味ある方は行ってみてください。楽しめるかどうかは人を選ぶのかもしれないが、私はまた行きたいと思っている派。今日もお疲れ様でした。