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Web施策は対面営業と対立するものではない
世の中、対立構造ではないのに二者択一で語られがちな議論が多いよな〜と思います。
たとえば、
リモートワーク vs 出社。
どちらにもメリット・デメリットがあり、業務内容や組織文化によって最適な形は異なります。ハイブリッドという選択肢もあるし、必要に応じて柔軟に使い分ければいいだけなのに、「どちらが優れているのか?」という議論になりがちです。
他にも、
機能性 vs デザイン。
「デザインが良くても見づらい・使いづらければ意味がない!」という意見もありますが、そもそも見づらく使いづらいデザインは「良いデザイン」とは言えません。とはいえ、この主張の背景には、華美な表現が優先されすぎて、必要な情報にアクセスしづらくなったなどの経験への不満があるのでしょう。商業デザインは本来、手段であり、機能と対立するものではありません。「デザインより中身」「デザインより機能」という極端な主張には違和感を覚えたりします。
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Web施策 vs 対面営業?
こうした「対立構造にされがち」な話を、最近も耳にしました。それが、今回のテーマである 「Web施策 vs 対面営業」 のような捉え方についてです。(「vs」ってのは、やや、大袈裟かもしれませんが。)
Webサイト経由でのお問い合わせ獲得やメルマガ配信など、非対面の営業施策の話になると、「うちは今でも泥臭く、お客さんの顔を見て関係を築いているから、Webで営業ってピンとこない」という声をお聞きすることがあります。
あるWebご担当者が営業部のメンバーにメルマガを始めようと提案したところ「僕たちは営業なので、メルマガはあまりピンとこないのが正直なところ」という反応だったという話なんかも。
※誤解のないように補足すると、これは営業の方が非協力的だとか、腰が重いという文脈で言われたものではありません。単純に「メルマガは自分たちの担当領域とは違うもの」という認識だった、ということです。
別の話になる背景
メルマガの話を掘り下げてみると。メルマガは、問い合わせのきっかけを作ったり、営業機会につながる情報を提供したり、継続的な接点を持ち続けることで顧客の第一想起になれるよう働きかけるものです。間違いなく「営業活動」の一部と言えますし、メルマガの内容を考える上で 顧客の声をよく知る営業の視点は不可欠 です。それでも「ピンとこない」となるのは、なぜな? 純粋に気になり、ちょいと考えてみました。
「僕たちは営業なので」= 対面でお客様に提案する仕事 だから、 「メルマガ」は Webマーケティング寄りの施策で、営業の守備範囲外 ということかなと思いました。確かに確かに。
この捉え方の背景には、次の2つの印象が強く根付いているのではないか? と考えました。
Web施策 = 新規獲得の印象が強い
Web施策は「新規顧客を獲得する手段」として語られることが多く、「Webで新規を取る」「Webで問い合わせを増やす」といった情報が目立ちますよね。そのため、普段お客様と顔を合わせて提案を行っている営業の方からすると、「Web施策 = 新規顧客とのファーストコンタクト」 という印象が強くなり、対面営業の前段階にある別のフローとして認識されているのかもしれません。
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Webが対面営業を代替できるものと思えない
また、Web施策の話では「私たちは、営業いらずで〜できています!」といった表現をよく見かけます。確かに、Web活用の成功事例のひとつだと思うのですが、「営業いらず」が強調されすぎると、Webが対面営業の代替手段として推奨されているように聞こえてしまうようにも思います。
対面だからこそ生まれる関係性、直接話すからこそ得られる情報があるのも事実。業界や組織によっては「わざわざ訪問しなくても」「そこにリソースを割かなくても」と考えても問題ないケースもある一方で、「Webで代替できるわけがない」と感じるほど、対面営業が重要な業種や企業も多く存在すると思います。
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特に、BtoBのメーカーさんや商社さんのお仕事のヒアリングをする中で、対面コミュニケーションの重要性を実感する場面は多々あります。営業の方が築く関係性や誠実な対応、スピード感のある提案が、顧客の課題解決に直結している。そこで求められているのは「商品」そのもの以上に、営業の方の解決力や対応力そのものです。このような話を聞くと、Webに力を入れたとしても「営業いらず」になる状況は、なかなか想像できません。
……と、Webがいいの?対面がいいの?みたいな二者択一の頭で考えていると、「うんうん、やっぱり直接顔を合わせて話すのが一番よ!」で終わってしまう。実際、営業組織が強いほど、Webサイトの活用や非対面の施策にはあまり力を入れていない、というのはよくある話ではないでしょうか。
でも、当然ながら、Webを活用すれば対面営業をやめなければいけないわけでして。 対立するものではなく、それぞれの強みを活かして共存できるはず。もっと言うと、共存というよりは、対面コミュニケーションの価値を最大化できるようにWebが補完的に働けると良いのではないか?と思っとります。
Webが対面営業を支える
私はWeb側の人間だからこそ、対面コミュニケーションでしか果たせないこと直接話せることで生まれる価値を強く意識する必要があると日頃から思っているのです。
特に対面営業の補完的役割の文脈でWebの強みを考えてみると、以下のような要素があります。
①時間や場所の制約を受けずに情報を届けられること
②情報の蓄積や再利用ができること
①時間や場所の制約を受けずに情報を届けられる
対面営業では、どうしても訪問できる範囲やタイミングに制約がある一方で、Webを活用すれば、営業が直接動けない場面でも情報を届けることができます。商談前に顧客がサイトで情報を確認し、理解を深めた上で対話ができれば、より実のある提案が可能になります。
また、遠方の顧客やスケジュールの都合で直接会えない場合でも、Webを通じて継続的な関係を築くことができます。情報をいつでも取得できる環境があることで、「次に営業が訪問するまでの間」にも、顧客は必要な情報を得ることができるのです。
②情報の蓄積や再利用ができること
Web上にベストな形で情報をまとめておくことで、一度作成した資料やコンテンツを営業ツールとして繰り返し利用できるという良さもありますよね。商品やサービスの詳細をWebに整理しておけば、営業担当者がそのページを見せながら説明でき、プレゼン資料のような役割を果たすこともあります。
また、営業経験や自社理解がまだ浅い新人さんも、説明を補助するWebコンテンツがあることで、案内のハードルを下げられるというお話も聞きます。「育成にも寄与する」とまで言うと盛りすぎかもしれませんが、経験が浅くても正確な情報を伝えるための「補助ツール」としてWebが機能することも。
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Webとか対面とか分けず、もっとシンプルに考えてみる
「Webサイトを活用する」「Webマーケティングを行う」と聞くと、検索上位を狙い、アクセスを増やし、データを分析して改善して…といった大掛かりな取り組みを想像するかもしれません。しかし、実際には すでにいる顧客向けの情報を充実させることや、既存の営業オペレーションの中にWebを組み込むことで、案内をスムーズにする という、もっと身近な活用方法もあります。
特に、サイトの立ち上げや、放置していたサイトを再稼働させた際に一番いただく声が 「説明しやすくなった!」 というものだったりします。
昔のお話ですが、メルマガの成果指標の話の中で「メルマガを送ってみて、もしメールが届かなかったら、担当者さんが変わったのかな?ってわかる」という声がありました。
これはすごく現場の声だな〜と思ったというか、あ〜〜そういう視点は無かった!と、当時感じました。「接点保持」というメルマガの主たる目的の中の話ではあるものの、ここまでの解像度は無かったというか。この言い方での意見は現場の方からしか出ないように感じたことを妙に覚えています。
営業の方が優秀で関係構築力に長けているという強みは、属人的すぎるという弱みになることもあるのだ、と。(どちらかの担当者が変わるとそれで一気に関係が希薄になったりする) そのような状況の改善はWebうんぬんを超えて別の話かもしれませんが、メルマガという施策がきっかけとなり、営業の方が訪問する流れが想像できて、もっとシンプルに考えてみようと気付かされた経験です。
Webだから、対面だから、ではなく、それぞれの強みを活かし、組み合わせることで営業活動をよりスムーズにする。そう考えたとき、Webは単なる代替手段ではなく、むしろ営業の力を引き出すものになり得るのかなと思ってます。
今日はそんなお話でした。
【余談】
プロフィール写真を変えました。表情筋かった!!(固い)と思いながら。お仕事関連の方に見えていただく機会も増え真面目にしてみましたが、もう少し笑顔の写真が撮れたらまた変えます。
しばらく履歴書の証明写真みたいなプロフィール画像でお送りします。何卒(笑)
デザインやコピー・コンテンツ制作をテーマに色々発信しているので、フォローいただけると嬉しいです!
ではでは、本日もお疲れ様でした☕️