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【エッセイ17】もっと早くファンになっていれば良かった、とは思わない
ほとんどの人は誰かのファンになった経験があると思う。
アーティストとかスポーツ選手、俳優…などなど。
その中でこんな風に思ったことはないだろうか。
もっと早くファンになっていれば良かった、と。
私はゆずが好きなので、ゆずを例にとって書きます。
みなさんも好きな誰かを当てはめて読んで頂けると幸いです。
私がゆずを好きになったのは、ここ最近のことで、本当に5.6年前ぐらい。
それでも私自身は「もっと早く知っていれば」とか「もっと早くファンになっておきたかった」とは思っていない。
それはなぜか。今日はそんなことを考えてみようと思う。
この気持ちは「過去のことを悔やんでも詮無いことなので、思わないようにしている」というものではない。
本当に「今のゆずを好きになれて良かった」と思っている。
だって、まだ知らない「ゆず」がたくさんあるんだよ。
ワクワクしない?
ちょっと、私がゆずファンになるまでのことを書きますね。
プロフィールにも書いているので明かしますが、私は1990年生まれだ。
彼らのデビューは1997年なので、もちろんその頃には私は生まれており、さらに言えば小学生になっていた。
可能性としては、その年齢であれば現在ファン歴20年とかになっていてもおかしくはなかった。でも私はそうでなくても別に構わないと思っている。
「ゆず」というアーティストを知ったのがいつだったのか、明確には覚えていない。
物心ついたときには知っていたような気がするし、その頃にはすでに彼らは人気者だった。
音楽番組を大して見ていなかった私ですら、知らず知らずのうちに「夏色」のサビは歌えたし、ゆずは二人組で高音が特徴的だということも知っていた。
小学校の卒業式で「またあえる日まで」を歌ったり(これはファンになるまでゆずの曲だと気づいていなかった)、中学のクラブの引退式で後輩が「栄光の架橋」を歌ってくれたり、節目節目で彼らの曲は私の人生に現れていた。
スポーツが好きで、オリンピックも夢中になって見ていた中学生の私は「栄光の架橋」のシングルも当時買っていた(そしてカップリングの「風に吹かれた」をとても気に入った)。
その後、大学生の頃に「カラオケでゆずが歌えたらいいな」という軽い気持ちで、ブックオフで見つけた「トビラ」のアルバムを買ってみたりもした(今から考えるとなぜ最初に買ったアルバムがトビラ!よりによってトビラ!って思ったり。いや、トビラ素敵なアルバムですよ。でもね、ゆず入門編としてはなかなかハイレベルかも)。
でも、その頃はそれだけだった。
好きになるタイミングは、いくつかあった。でも、ファンにはまだならなかった。
きっと、まだそのタイミングじゃなかったんだと思う。
そして、社会人になって数年目。
いろいろあって、疲れていた時期でもあった。
突如、ゆずにハマった。
この時も、正確にいつファンになったのか分からない。
気がついたら好きになっていて、どんどんハマっていった。
(多分きっかけの一つはサヨナラバスだと思うけど、それはまた別の話)
人生初のライブもゆずだった。
大学生の頃にイベントスタッフのアルバイトをしていたので、雰囲気とか全く知らないわけではなかったけれど、観客としてちゃんと観るのはゆずが初めてだった。
今少しだけ悔しいとすれば、アルバイト時代にゆずのコンサートスタッフをしなかった、ということかな。
そんなことで、私がもっと早くにゆずっこになっていれば良かったと思わない理由は二つ。
・まだ知らないゆずがたくさんあることにワクワクするから
・社会人数年目のあの時が、タイミングだったと思うから
正直、私にはまだ知らないゆずの曲がたくさんある。
シングルのカップリングとか。少しずつ、CDやDVDを集めて楽しんでいる(サブスク?なにそれ、聞こえない)。
私は楽しみを置いておくタイプなので、一気に集めないで小出しにしている。その方が長い期間楽しめるから。
知らない曲がたくさんあるってだけで、非常にワクワクする。
知らないエピソードもたくさんあるし、ちょっとずつ知っていけることが嬉しくて、楽しい。
そんな楽しみ方をしている。
そして私は好きになるかもしれなかったタイミングが、他にもあったのに、その時にファンにならなかったことは意味があると思っている。
出会うタイミングが、社会人数年目のあの頃だったのは必然で、自分が20代半ばのあの時期だったから、ゆずが刺さった。
そのタイミングだったからこそ、ゆずっこになった。
みんなそれぞれ出会うタイミングがあって、その時じゃなかったらきっと好きになっていないんだと思う。
だからもし「もっと早くファンになっていれば良かった」と思っている人がいたとしたら、自分が好きな誰かに出会ったタイミングを否定しないでほしい。
いつファンになったかが重要なんじゃない。
自分が好きになったときがタイミングで、今好きであることが重要なんだから。