【散文】秋の一声
◆
あちらこちらから鈴虫の声が響いてきて、夜の街を震わせていた。涼やかな音色が空気に充満して空まで登っていくみたいだった。
そのおかげか、古ぼけた街灯の光や車のヘッドライトさえ、言いようのない美しさを孕んで見える。
いつもの帰り道なのに、どこか特別な場所に迷い込んでしまったような。ノスタルジー、と自分にしか聞こえない声を出してみる。
そうしたら、もうすぐ金木犀が咲くかもね、と返事が聞こえた。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?
◆
あちらこちらから鈴虫の声が響いてきて、夜の街を震わせていた。涼やかな音色が空気に充満して空まで登っていくみたいだった。
そのおかげか、古ぼけた街灯の光や車のヘッドライトさえ、言いようのない美しさを孕んで見える。
いつもの帰り道なのに、どこか特別な場所に迷い込んでしまったような。ノスタルジー、と自分にしか聞こえない声を出してみる。
そうしたら、もうすぐ金木犀が咲くかもね、と返事が聞こえた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?