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2022年4月の記事一覧

【小説】その苦しみの欠片ひとつ

【小説】その苦しみの欠片ひとつ

(約3700字)

「どうしてさあ、」

太陽の方向から声が落ちてきたから、わたしは反射的に顔を上げ、眩しさに目を細めた。
声の主は、わたしの身長と同じくらいの高さの防波堤の上を、太陽を背負って歩いていた。

高校の授業が終わって、幼馴染のハルと、海沿いの道を一緒に帰っているときのことだった。

「ーーーーのかな?」

海のほうを向いたまま続きを喋ったハルの声が、風に連れ去られる。

「なに??」

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