#114 防衛産業のちょっと裏事情

こんばんわ。

防衛産業に関して何かを書こうかとずっと思っていたけど、面倒くさいから長らく放ってきた。便宜上、防衛にちょっと携わっていたということにしておく。情報漏洩云々に何が引っかかるか分からないので。

やっと書こうと腰を上げたけれど、やっぱり面倒くさいから小出しにするのを何回かに分けてやろうと思う。


さて、防衛費を上げると何かと騒いでいた国民だが、最近は中国や韓国等のおかげか防衛しない方がおかしいという風潮になってきた。

今更感があるがまぁ良い傾向ではある。

未だに武器を買う金があるなら福祉に回せとか、教育に回せとか言うが、批判するなら緊縮政策を根本から批判していただきたいものだ。

諸悪の財務省に屈して政府がアホなことをやってるから日本は没落している。日本は世界でぶっちぎりの金持ち国家なんだからガンガン事業を推し進めればいいものを...「国の借金1000兆円」などとミスリードして増税やらを正当化している。

ふざけた集団である。どこがエリートか。増税の為に嘘をつき、国民を縛り上げる財務官僚共には反吐が出る。


まぁいい。

コロナ対策ではファクターXとして日本国民が頑張っているのは周知の事実で、これと同じような事が防衛事業でも起きてますよという話。

小出しなのであまり長くならないように書く。


基本的に日本の防衛需要は官需要(防衛省)が全てである。一応輸出も解禁したが、基本的にあまりうまくいっていない。

だから官(防衛省)に製造会社がモノを納めるという流れが一般的。

戦闘機や武器は市販されている訳ではないので、市場価格というものが無い。よって原価積み上げ式を採用している。

原価積み上げ式とは、原価に人件費・利益・販管費等を積み上げて行って商品の値段を決める方法を言う。

ただ乗せられる利益率は決まっており、かつ1点物であるため薄利小売になることが多い。そういう訳で、製品試験で失敗すれば一発で赤字に転じるなどという製品も少なくない。アップルのiPhoneだったり、GUCCIのシャツなどのようにブランド価格を設定することは出来ない。

また、対官納期(1次請けが官に納入する期日)に遅れる原因になればペナルティが発生したりする。ペナルティとはもちろんお金である。大型製品になればなるほどリスクは高くなる。具体的なパーセントは出さないが、かなりの額である。機体1機の契約が100億円だとすれば、その内の10万円の部品だけを納入していたとしても、対官納期割れの原因となればペナルティ1億円が最低でもかかる。そういう次元。

1次請けは機体の補用費などに別途予算が付いたりするため美味しい事業になっているが、2次請け以下は前述した通り原価積み上げ式なので基本的にあまり儲からない事業となっている。

とにかく事業としてリスクが高い。

赤字は続いているが国の為に男気で続けている企業もある。そんな企業でももちろん撤退を考えている。現に撤退を決めた企業も多い。

ちなみに下請けと言っても、売り上げ5000億~2兆円とかの大企業も多い。経営が悪化して利益の低い事業を切るとなれば、各社の特機事業部は真っ先に挙げられることだろう。


国産でミサイルを!とか、戦闘機を!口で言うのは簡単だが、協力的な日系企業がどれだけあるのか。MやKは乗り気であろうが、下請け企業は苦しい状況である。

制度を見直して、下の方にも利益が出るような体制にしないと日系企業は防衛事業から根こそぎ撤退するだろう。

FMSでグラマンやボーイング等の米企業に無尽蔵に金を出すのも仕方ない部分はあるが、どこかで予算をしっかりつけて国内企業を潤わせないと、いざという時に対応できる国内企業は残っていないかもしれない。

とりあえず、財務省の緊縮政策を止めるのが先かもしれないが、そういう苦しい状況なのは確かである。

日本政府がガンガン需要を作ってデフレを脱却していただきたいものだ。

いつになったら財務省の嘘をねじ伏せられる政治家が出てくるのか。このままでは防衛云々の前に日本が最貧国になってしまう。

ふと気が向いたらでいいので投げていただけると手をたたいて喜びます!