結果はわかってる。その過程を楽しみたい。
人々は言う。
過程よりも結果が大事であると。
いくら頑張っても結果が伴わなければ意味がないと。
どんなに無茶苦茶な方法でも結果が出ればいいと。
すごくよくわかる話である。
でもどこか納得できない話でもある。
先日カレーを作った。
某テレビ番組で紹介されていた方法に倣った。
具材は特別なものを使わないが、
トータルで1.5時間近く弱火で煮込む。
なかなか手間のかかる作り方である。
普段であれば10〜20分も煮込めばいいかなくらい。
それでも十分美味しいカレーができる。
そこを、
倍以上の時間をかけて、
ゆっくりじっくり煮込むのである。
案の定、
出来上がったカレーは抜群に美味しかった。
肉はホロホロだし、
野菜も柔らかく甘味が出ている。
ではこんなにも美味しいカレーができるかどうか、
予想していなかったのだろうか。
答えはノーである。
手間暇かければ美味しいことは容易に想像できるし、
美味しそうなのはテレビで既に見ている。
世の中には美味しいカレーはたくさんある。
レトルトですら激ウマなものもある。
ただ美味しいカレーを食べたいのであれば、
そういうのを買えばいいし、
なんならお店で食べればいい。
でもわざわざ自分で作った。
それはなぜか。
答えは簡単である。
結局のところ、
結果までの過程を楽しみたいのである。
じっくりと煮込む過程で、
アクを除いてみたり。
どんな様子か覗いてみたり。
部屋に漂う匂いを楽しんだり。
手間ではあるがどれもワクワクしていた。
これらのワクワクが
出来上がりの期待を膨らませるのである。
何がワクワクだ。
結果が同じなら、
多少お金をかけても効率を取れ。
さっさと結果を出せ。
社会にいたらそんな声が聞こえる。
君の考えは甘いと。
残念、
カレーは甘口派なんでね。
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