『怪獣保護協会』について語らせてほしい。
突然だが、私は社会人になってから「ゴジラ」に魅了された。
同僚から「シン・ゴジラ」をおすすめされた事で観て以来、ゴジラ映画はハリウッド版も含め全履修を目標に掲げるほど大好きになった。
そんなゴジラ映画についてはまた今度語るとして、今回は一冊の本、『怪獣保護協会』について語らせてほしい。
あらすじ
パンデミックで職を失ったジェイミーは、たまたま再会した知り合いから「大型生物を守る仕事」を紹介される。
詳しいことは何も聞かされないまま「現場」に連れて行かれたジェイミーの前に現れたのは体長100メートルを超える「怪獣」だった…。
「怪獣」を守る組織「怪獣保護協会」とは一体何なのか? 彼らは何故「怪獣」を守っているのか?
感想
この作品の面白いところは、超自然的な存在である「怪獣」について、科学的に研究しているシーンがどの作品よりも細かいところだ。
映像作品だとどうしても尺の問題があって、怪獣の生態を研究しているシーンなんかは端折られることが多い。
自分が所謂理系の人間ではないからかもしれないが、そういった映像作品では
「なんかよくわかんないけどすげーんだなぁ」
位の感想しか出てこない。
ただ、『怪獣保護協会』ではその「すげー」っていう部分を詳細に、かつ理解しやすく描かれているので、怪獣がどういうものなのか、そして人類はそんな怪獣とどう向き合っていくのかがスッと入ってくる。また、解説部分が多いとそれはそれで飽きやすくなってしまうが、ストーリーとのバランスも絶妙で、最後まで飽きることなくスルスルと読めてしまう。
さらに、登場するキャラクターがみんな個性的で覚えやすいところも魅力だ。
海外小説に慣れていない人のあるあるだが、登場人物が全員カタカナなせいで、話の途中で誰が誰だか分からなくなってくる。
だが、『怪獣保護協会』に登場するキャラクター達は主要人物でない人も個性的なので、名前がイマイチ覚えられなくてもどういうキャラクターなのかが自然と入ってくる。
なので元々海外文学が好きな人はもちろん、海外文学をあまり読んだことがない人にもおすすめしたい1冊だ。
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