スイスでニカーブが禁止になった。
「ムスリマ(女性のイスラーム教徒)たちは“あんなもの”を着せられてかわいそうだ。それがなきゃ満足に外出もできないなんて」
オランダにいた時、そういう意見を当たり前のように耳にした。
スイスで、ニカーブやブルカの公共の場での着用を禁止する国民投票があり、賛成が反対を上回った。
このコロナの時代に黒マスク黒ニット帽はOKなのに、なぜヴェールは禁止なのか?
それがイスラームの「これ見よがしな」宗教的標章だというなら、なぜムスリム(男性のイスラーム教徒)のあごひげは槍玉に上がらないのか?
公共の場でのヴェールの着用を奪われることによって、ムスリマたちが安心して外を歩けなくなることには目が向けられないのか?
彼女たちがヴェールの着用を禁じられることによって、「満足に外出できな」くなる可能性には目を瞑るのか?
それでもなお、彼女たちを「かわいそう」にしているのは、イスラームという宗教の本質だと言うのか。