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シン・ウルトラマン

樋口真嗣監督作品、斎藤工氏主演の「シン・ウルトラマン」。

後に「シン仮面ライダー」へと続くシンシリーズの2作目(シンエヴァ入れたら3作目)であるあるこの「シン・ウルトラマン」

なんだけど、庵野監督作品(庵野監督は企画、脚本、総監修)じゃないしなーと思って劇場には足を運ばずにいた。

そうして時がすぎ、とうとうアマプラで配信しているのを発見。

アカデミー賞で有岡大貴氏が新人賞を取っていた今作、シンシリーズ最新作の「シン仮面ライダー」を見にいくつもりだったため、視聴を決意。

ポチ。

あらすじ

次々と巨大不明生物【禍威獣】
があらわれ、その存在が日常となった日本。
通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室専従班】通称【禍特対】を設立。
班長・田村君男
作戦立案担当官・神永新二
非粒子物理学者・滝明久
汎用生物学者・船縁由美
が選ばれ、任務に当たっていた。
禍威獣の危機がせまる中、
大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。
禍特対には、巨人対策のために
分析官・浅見弘子が新たに配属され、神永とバディを組むことに。
浅見による報告書に書かれていたのは
【ウルトラマン(仮称)、正体不明】

シン・ウルトラマン公式サイトより引用

以下ネタバレあり感想
最初の方やや批評気味なので、嫌な人は「メフィラス星人最高」まで飛ばして欲しい。


専門用語が早口で飛び交うあの世界観

今回もシンゴジラ同様に、専門分野のエキスパートたちによる専門用語が矢継ぎ早に飛び交うあの庵野ワールドが炸裂していた。
今回は樋口真嗣監督だけど、ほぼ庵野作品ではないかと思うぐらいあの独特の世界観がそこにはあった。

シンゴジラの時はそれでもかっこよかった。

けど、なんでだろ。
この映画になると、ただ早口で何かを言ってるだけの印象というか、着いていくのに必死でその場面に強い魅力を感じることが私は出来なかった。

これについて、見終わった時にちょっと考えてみる。
何故シンゴジラの時は魅力的に思えて、シンウルトラマンでは乗り切れなかったのか。

自分なりの答えとして、シンゴジラの時は対ゴジラだけだったし、人間の叡智がゴジラを倒せるかも知れないという希望があった。

でも、ウルトラマンの時は人間の叡智よりもウルトラマン頼みだった。

じゃあ人間いらなくない?
(最後の最後で滝の活躍があったけど)

それに脅威が次々やってくるのも、ウルトラマン初心者の私には少々キツかった。
禍威獣やら、ザラブやら、メフィラス星人やら、ゼットンやら……数多くの人間の脅威が次々に出てきたことで情報過多になり、みていて疲れてしまった。

絶妙にダサいウルトラマン

とにかくウルトラマンの戦闘シーンがダサい。
手を伸ばしたままぐるぐる回るだけのところとか、もっとなんとか上手く演出できなかったのか。
↑これは後で詳しい人に聞いて、初代ウルトラマンのオマージュだと分かったから、的を得てない発言かもしれないけど。

オマージュだなんて、私みたいな初心者には分からないからただ「ダサい」としか思えず、カッコいいアクションを期待していた私はガッカリしてしまった。

これでいいのか?カメラワーク

この映画やたらローアングルで撮ってる。
だから、出てくる女優の二重顎やら、ほうれい線が目立ってしまいすごく勿体無い気がした。

映画に限らず、何かの映像作品は女優が綺麗に写ってなんぼだと、私は思っている。
どうしてこのアングルにしたんだろ?

あと相変わらずのiPhone画質。
全部iPhoneで撮ったわけではないだろうし、臨場感を出そうとしてるのは分かる。

でも、でもよ。
iPhoneの映像は自分でも撮れるのよ。

映画は映画ならではの映像が見たい!!!

私はアマプラ配信で見たけど、映画見るのってやっぱり2時間ちょっと拘束されるわけだからやっぱりそれ相応の映画体験が欲しい。
高いカメラでしかとれない綺麗な画質、画角……自分じゃ絶対撮れない映像をずっと見ていたかった。

メフィラス星人最高

ただメフィラス星人は良かった。
山本耕史氏が演じた外星人、メフィラス。
人間が存在する地球よりも、格段も高度な文化や技術を有するメフィラス星人は、人間に完璧に擬態するのなんて朝飯前。
人間よりも人間らしく、でも完全に上からマウント取りに来てるちょっと鼻につく感じ、最高。

山本耕史氏の演技も、声も好きな私はあのメフィラス星人が出てきてからの展開は、とても楽しかったし、ワクワクした。

「私の好きな言葉です」

「シン・ウルトラマン」/メフィラス星人のセリフ

というメフィラス星人構文に思わずニヤリ。
当時結構流行ったイメージある。

正直メフィラス星人だけで、映画一本撮って欲しかったと思うまである。

とても魅力的なキャラクターだった。

ウルトラマン前後の切り替え


今回ウルトラマンを演じた斎藤工氏の演技が素晴らしい。

ウルトラマンと接触する前の人間の神永は瞬きをしていたけど、ウルトラマンの魂をもらって入れ替わった後から一切瞬きをしなくなった。

いい役者は、瞬きをしない。

とはよく言うけれど、本当にそうだっとこの演技を見ていて思った。

瞬きを全くしないことで、あれなんかこいつ怪しいぞ?っていう違和感の布石が打たれていたし、メフィラス星人とはまた違った形での人間の擬態を表現していて、それがわかった時の感動が凄まじかった。

ドライアイの私には、到底真似できない芸

セリフや映像ではなく、役者の演技で伏線を張れるという、斎藤工氏の演技力の高さが窺える作品じゃないだろうか。

最後に

「私はこの弱くて群れる小さな生命を守っていきたい」

「シン・ウルトラマン」/ウルトラマンのセリフ

ウルトラマンはなんであそこまで人間のことを気に入ってくれたのだろうか。

人間は愚かで、ちっぽけで、脅威にすぐ怯えてしまう弱い生物なのに。

弱い生物が淘汰されていくのは当然だとザラブも言っていた。

もう一度見たら分かるのかな?

前半結構批評はしていたものの、この映画を私は楽しめた方だと思う。

でも分からないことが多すぎた。

私の知り合いのウルトラマンに詳しい人が言うには「シン・ウルトラマンはウルトラマン好きの監督が作ったオールドファン向けのファンサービス映画だから、元ネタが分からないと乗れないかもしれないね」ということだった。

ほぅ、元ネタがわかった今だったら、もっと楽しめるのか。

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