金にクリーンな政治家が良い政治をするとは限らない。

衆院選を前に、相変わらず、自民党裏金問題をめぐる政治資金問題が論点として注目されているようである。

いわゆる政治と金の問題を追及するのはけっこうなことであるが、日本人は誤解している。

金にクリーンな政治家が良い政治をするとは限らないし、逆に、金にダーティーな政治家が良い政治をすることもある。

歴史を見れば、社会を変えてきたいわゆる大物政治家はえてして金にも、倫理にもクリーンだったとは限らない。
金権政治の開祖ともいえる田中角栄は、確かに日本の発展を作った。
「あれだけのことをしたんだから5億円くらい大したことはない」という人もいる。

小泉純一郎は、いっさい物をもらわず、金にはクリーンだったが、今では格差社会を作った戦犯みたいに言われている。(私はそうは思わないが)

ほうんとうに金儲けのために政治家をやっている政治家は私はいないと思う。金儲けが目的なら政治家は効率が悪すぎる。やはりその政治家なりに、何かしら信念を持っているだろうし、実際に政治に金がかかるのは事実だろうから、そこである程度の不正が出るのは仕方がないかもしれない。

もちろん、それで良いわけではないが、やはり政治家に求められるのは、政策だろう。

日本の政治家のクリーンさは、諸外国に比べればまだましな方だ。
にもかかわらず、ここ30年まったく発展しない日本をよそに諸外国がそれなりに発展してるのを見れば、政治のクリーンさと国の発展は別問題のようだ。

そもそも、これだけ、政治倫理の問題が選挙の争点になるのは、国民に望む政策がないからだと思う。

「経済を良くしてほしい」なんていうのは、政策ではない。そんなことはどの政党だって言ってることだ。

アメリカのように、保守 VS リベラル、妊娠中絶賛成vs反対 というようにはっきり対立していると、政治倫理の問題なんてかすんでしまう。事実、政治倫理のかけらもないようなトランプ候補が、堂々と保守の代表になった。

もし、国民にはっきりした政策があれば、これほど政治倫理の問題に注目は集まらなかっただろう。
政治倫理が問題になるのは、裏を返せば国民に望む政策がないからだろう。

私は、司法の問題に興味を持っているのであるが、日本のこの腐った司法を変えてくれる政治家がいるなら、裏金なんてどうでもいい。

何もしない金にクリーンな政治家より、自分の望む政策を実行してくれる裏金議員の方を選ぶ。

もちろん、不正はいけない。それはちゃんと直してもらう。ただ、それを許す代わりに政策はちゃんと実行してもらう。
そのくらいの大きな気持ちで政治を見ないと、いつまでたっても入口の議論で終わってしまう。

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