5年ぶりのマラソンとプロセス
8月28日の北海道マラソンで5年ぶりにフルマラソンを走りました。当日の42.195kmは、走り出してしまえばあっという間に終わりました。一方でその日までの3ヶ月の間は、いろんなことがありました。
以前はマラソンのタイム(結果)に拘っていましたが、今回はその日までのプロセス(過程)を通じて感じるものがありました。
その中で、マラソン持つ魅力や意義を再発見しました。
理想の走り方
4ヶ月前、北海道マラソンにエントリーしたことで、8/28に42km走るという「明確な期限」が設定されました。
この5年間は自由きままにジョギングしてましたが、エントリーにしたことで、自分の中でランニングに対する意識が変わりました。
「8/28にどう走るべきか、そのためには何をすべきか」
「日付とすべきこと」が決まると人間はどうすべきかを考え始めます。
今回の「どう走るべきか」を数日かけて考えました。昔はサブスリーでしたが、今それをやるだけの気力・走力・時間はありません。
タイムではなく「走り方」と「その過程」に目標を置くことにしました。
「久しぶりのマラソンをちゃんと走り切る」。もう少し具体的には「ペースを一定に保ちつつ、自分が今持っている走力を全部出し切る」というものです。
これは過去20回マラソンを走ってきた自分が思う、マラソンの理想の走り方でした。
そしてそれをするために、マラソンまでの3ヶ月間の過程に改めて向き合うことにしました。
現在地を知り、本番を想像する
どんなペースであれ42kmを狙い通りに走り切ることは並大抵のことではありません。
今の自分の走力を正しく理解し、目標を持ち、足りない部分はトレーニングで補うというロジカルな作業が必要になります。
久しぶりにランニングの本を引っ張り出してきてを読み直したり、過去のマラソンレースのログを見直したりしました。
よくこんな速さで走ってたなぁ、と思う一方、今走ったらどうなるか、を想像しました。結論は「多分42km走りきれない」でした。
この5年ゆるいジョギングだけをしていたので、ペース感覚(心肺機能含む)や長距離(20km以上)の耐性はすっかり落ちていました。この2つをしっかり取り組んでいこうと思いました。
今の自分を正しく理解して、目標に応じた「レース当日の自分」を想像する。ことはとても大事で、そのギャップが3ヶ月間でやることになりました。
仲間と走る
そのような練習は一人では難しく長続きしません。苦しければ止まってしまうし、気乗りしない日には休んでしまう。普段はそれで全然良いと思いますが、マラソンに向けて自分の目標を立てた人は、誰かと一緒に走れると大きな助けになります。
4年ぶりにランニングクラブの仲間との練習を再開しました。
昔やっていたBグループのメニューには全くついていけず、Dグループがやっと。走力の落ちっぷりをハッキリ理解できて落ち込みましたが、それでも仲間と一緒に走る緊張感や楽しさのほうが大きかったです。
なにより「再び走れるようになっていく感覚」が具体的に体感できました。
例えると、昔はレベル9だったけれど今はレベル4まで下がった。けれどレベル4から5に1つ上がれた、のは仲間と走れたからだと思います。そしてそれは3ヶ月間の練習を継続するモチベーションになりました。
この記事でも書きましたが、ランニングはチームスポーツでもあります。チームや複数人で練習し、本番のレースではそれぞれが頑張る、というのがランニングの魅力を一番体感できる走り方だと思います。
本番
札幌での5年振りのマラソンは満足の行く走りができました。
タイムは以前より大幅に遅いですが「久しぶりのマラソンをちゃんと走り切る」「ペースを一定に保ちつつ、自分が今持っている走力を全部出し切る」という目標は達成できました。
序盤はペース管理が難しかったですが、中盤以降は速すぎず遅すぎない目標通りのペースを刻み、30km以降の苦しいポイントを乗り越えて後半しっかり維持してゴール。ネガティブスプリットでした。
自分が事前に思った通りに走れたマラソンは、これまでのタイムを追い求めたマラソンとは違った嬉しさがありました。
何にかに似ているとすれば、それは初マラソンを終えたときのような嬉しさでした。
自分を正しく理解して、期限を切り目標を立て、仲間の力を借りてトレーニングし、本番を思った通りに走り切る。
このプロセスを経験できた3ヶ月間は、これまでのレースとは違った、マラソンの魅力を感じることができました。
マラソンは1日ではなく、数カ月間に渡るイベントです。
エントリーした日からマラソンは始まっていて、レースの日はその集大成でありご褒美、ということなのかも知れません。
またこの過程を味わいたくて、次のレースを考え始めてます。