2018年 27冊目『ミャンマー権力闘争 アウンサンスー・チー、新政権の攻防』
なぜ手に取ったのか記憶にないのです。
アウンサンスーチーさんの名前は、知っていますが、よくわかっていません。
そういう意味で、勉強になりました。
ドッグイヤーをつけた部分をメモしておきます
アウンサンスーチーさんは、相手が誰であろうと、遠慮をしない性格だそうです。
そのエピソードとして、野党党首時代のアウンサンスーチーさんと安倍晋三さんのやり取りが取り上げられています。
安倍首相:ミャンマーの民主化を支援します。
アウンサンスーチーさん:あなたのいう民主化とは何ですか?
と言い返したそうです。
アウンサンスーチーさんは、フランス系カナダ人の母と英国人の父の間に生まれたアリスさんと結婚しました。
アリスさんとは貧しくも幸せな結婚を過ごしていたそうです。
しかし、アリスさんと結婚した後も、ミャンマーの公民権とパスポートを手放しませんでした。
遠距離恋愛時代のアウンサンスーチーさんがアリスさんに送った187通の手紙の1つに次のような内容があったそうです。
ひとつだけお願いがあります。
もし国民が私を必要としたときには、私が彼らのために本分を尽くすのを手助けしてほしいのです。
そんな事態になったらご迷惑でしょうか。
そうなる見込みがどの程度あるのかは、私にも分かりません。
けれども、起こりうることなのです。
実際、その後アウンサンスーチーさんは軟禁され、アリスさんが危篤になった時も、イギリスには行けなかったそうです。
当時の軍事政権が、外国に出たアウンサンスーチーさんを、再入国させないようにしようとしていたからです。
ミャンマーは、一度選挙で、軍事政権が大敗しました。
軍事政権は、負けると思っていなかったので、公正な選挙をしたのです。
しかし、大敗してしまいました。
その後、いろいろな理由をつけて政権を渡さず20年も軍事政権であり続けたそうです。
その際に、外国人が親族にいる人は国のトップになれないことを憲法に明記しておきました。
アウンサンスーチーがトップになれないようにする布石だったのです。
したたかです。
それくらい、軍事政権にとっては怖い存在だったということです。
しかし、現在、実質トップになったアウンサンスーチーさんに対して、すべての人が賛同しているのではないようです。
評価は今後の世論が判断するはずです。
現状では、偉大な改革者という声と、新たな独裁者だという声が半ばしているようです。
ミャンマーに対して事前情報がほぼなかったので、とても学びになりました。