2024年 59冊目『三度目の日本 幕末、敗戦、平成を越えて』
堺屋太一さんの本です。帯に「絶筆」とあります。
三度目とは 1868年の幕末、1945年の敗戦、そして2019年の平成ですね。
世の中の一番の「基」は価値観だと堺屋さんは言います。
江戸時代の価値観は「天下泰平」
徳川幕府は、世の中が変わらないために幕藩体制をひいた。
価値観を構成する要素は
美意識:何が美しいか
倫理観:何が正しいか
日本はここ150年で三度の敗戦をで、現在が三度目の敗戦だというのがこの本のテーマなのです
戦後官僚主導の5つの基本方針
・強い日本→豊かな日本
1東京一極集中
業界団体を東京、情報発信機能を東京、文化創造活動を東京
2流通の無言化
小売店→百貨店→スーパー→CVS→自販機
3小住宅持ち家主義
4職場単属人間の徹底
会社人間になれ
5全日本人の人生の規格化
小中高、浪人せずに大学、すぐに就職、蓄財、結婚、子供、共働き、住宅
江戸時代の仕組みの大きな特徴
・録(収入)と権(役)と位(プライド)を完全分離
変わらない世の中をのために人口も抑制
・武士が切り捨て御免は、殆どなかった(武士も抜刀 すると切腹)
・結婚も制限(下級武士も、商家の番頭も)
明治維新
・天下泰平→狂喜乱舞→富国強兵と殖産興業に
→中央集権、知識人優遇、学校制度
・個人の資質:様式美→勤勉努力と進取の気性
日本の官僚制度が力を持ち、官僚が日本をリードするようになると国がおかしくなる
・1~2年でポストが変わる
→長期の事を考えられない
→前任者からの引継ぎを少しだけ手直しして後任者に渡す
・選抜が、創造よりも記憶重視の世界
→前例踏襲
→問題先送り(簡単な問題から解く)
3度目の日本は「楽しい日本」
・それに全体反対なのが、マスコミと官僚
官僚制度が崩れる5つの局面
顕在
1少子高齢化
2地方行政の破綻
3大不況
潜在
4国際情勢
5第四次産業革命
堺屋さんが大阪で仕掛けていること
・梅田の再開発で10年間板囲いになる
→1区画あたり100万円で広告を募り、大阪芸大がOKした人に50万円で描いてもらう
→投票をして、良いものは残し、ダメなものは再度作品を募集する
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。
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