2018年 73冊目『破壊者』
エイベックスのMAX松浦さんの本です。
ハカイモノと読みます。
エイベックスのマックス松浦こと松浦勝人さんが毎月1回『GOETHE』に8年7か月合計103回書いたエッセイをまとめたものです。
エンタメ業界の進化とエイベックスのユニークなポジショニングを理解できます。
現在では当たり前のサブスクリプション(月額固定)サービスやストリーミングをガラケー、CDの時代に予測しています。
業界をフラットにかつテクノロジーの進化含め理解しているのが分かります。
街のレコード店でバイトをしていて、イタリアのダンスミュージックが好きで、それを輸入し、友人4人で40万円ずつ出資して会社を興しました。
コンサートのショー化、大手企業のバックがないのにレコード会社スタート、そしてプロダクション化、アーティストとの契約の多様化(すべて、版権管理、コンサートのみ、マネジメントのみ、アジアでのマネジメントのみ、ファンクラブの運営のみ)、ネットTV(BeeTV)など、業界で初めてというものを作り続けています。
日本の音楽業界を俯瞰すると、音楽販売だけを見ると市場は減っています。
ところが、コンサートやグッズ販売などを周辺ビジネスを合計すると増加しているのです。
つまり、単純に音楽を作ることに加えて、周辺ビジネスが拡大しているのが分かります。
とはいえ、やはり才能あるアーティストを発掘することが最も重要であることは変わりないようです。
これがすべての起点になるわけです。
※ちなみにアイドルはシングルは売れるのですが、アーティストにならないとアルバムが売れないそうです。
※アーティストになるためには、その人の生きざま、価値観が重要になります。だからこそ売れる前の人と人の関係が重要になるそうです。
いつも誰かをライバルに想定しているのも興味がわきます。
小室哲哉さんをマネジメントしている頃は、小室さんがライバルだったそうです。
これ以外にも、有料の花火大会(一番高いのは数十万クラス!)の大成功も、とても興味深いです。
子育て、家族観などプライベートについても触れています。
会社、組織、働き方改革、今後のビジネス展開、本社の位置づけなど、ビジネスの考え方も載っています。
まったく違う業界ですが、第一線で挑戦し続けている方の話で、面白かったです。
ちなみに同い年のようです。
▼前回のブックレビューです。