2017年 111冊目『Hit Refresh』
マイクロソフトの3人目のCEOサティア・ナデラの本です。
最近マイクロソフトが元気に感じたことと、現役のCEO、しかも再興中のトップがその話を開示するのは珍しいなと思い、手に取りました。
ナデラさん、人格者だし素晴らしい経営者ですね。
これからもマイクロソフト楽しみかもしれないと思いました。
ドッグイヤーをつけた個所をメモしておきます。
・私の存在理由は何か
・私たちの組織の存在理由は何か
・多国籍企業の役割は何か
・デジタル技術のリーダの役割は何か
心理学者のマイケル・ジャーベイス主催の新しい経営ボードでのエクササイズ
・マイクロソフトに入社して以来、仲間から仕事の話ではなく本人自身の話を聞くのははじめてだったことに気付いた。部屋を見渡すと、中には目に涙をためている人もいる。
・みなが個人として、より高いミッションを持ち、他者の役にたつという情熱を追い求めるために、マイクロソフトという場を使う存在となった。
・マイクロソフトの存在理由は何か?この新たな役職で私の存在理由は何か?
ナデラさんがクリケット人生から学んだ3原則
・気迫と熱意で立ち向かうこと
・チームを第一に考えなければならない
・リーダシップがきわめて重要
・日本では、全国に設置された数百ものセンサーからクラウドソーシングにより集めたデータをもとに、福島第一原子力発電所から出る放射線を監視し、食事や移動の安全の確保に役立てた、500個に及ぶリモートセンサーから得られた1300万もの測定値から、コメの生産地域ごとに放射能の影響を示す色分け地図が作成されている。
・2008年6月時点AWSには18万人のデベロッパーがいたが、マイクロソフトには商業的に利用できるクラウド・プラットフォームは存在していなかった。
クラウドベースのビジネスを構築するには、4つのスキルが不可欠
・分散コンピューティングシステム
・コンシューマ向けの製品設計(アジャイル、ABテストなど)
・市場の二面性(消費者市場と広告主市場)
・機械学習(ML)の応用
・自社製品の鮮度を保つためには、1にも2にもアジリティ(俊敏さ)
・私はメンバー全員と個別い会い、意向を探り、質問して耳を傾けた。議論の中身が変わり、クラウドへの全員の一致した取り組みを阻む障害が取り除かれていった。
・リーダーは、外部のビジネスチャンスと内部の能力や文化、およびそれら相互の関係に目を向け、そのチャンスがありきたりなものになる前に対応しなければならない。この教訓は、科学というよりもはや芸術の域の話だ。
コマーシャルのキャッチコピー
・私たちはモバイルテクノロジーの世界に生きている。だがモバイルなのはデバイスではない。あなただ。
CEOとしてすべきだと考えたこと
・定期的にミッション、世界観、アンビションをはっきりと伝える
・トップからボトムへの企業文化の変化を推進する
・パイを増やし、顧客を喜ばせるようなパートナーシップを築く
・次に起きる変化をいつでも捉えられるようにする
・モバイルファースト、クラウドファーストの世界に向けて切迫感を持って実行する
・時代を超えた価値を支持し、万人のために生産性と経済成長を取り戻す
ミッション実現のための3つのアンビション
・生産性とビジネスプロセスの再構築(keyword 協働、モバイル、知性、信頼)
・インテリジェントなクラウドプラットフォーム
・革新的なパーソナル・コンピューティングの実現(ウィンドウズが好きだという意識醸成)
・社員に対して、自分の内なる情熱を見つけ、それを何らかの方法で、マイクロソフトの新たなミッションや文化と結びつけるように!
企業文化改革に重視した3つのこと
・できる限り顧客のことを考えた
・積極的にダーバーシティとインクルージョンに取り組んだ
・マイクロソフトは1つの会社(One Microsoft)であって、派閥の集合体ではない
→顧客を第一に考え、多様性を受け入れ、団結した1つの会社として活動する
マイクロソフトのリーダシップの3つのこと
・一緒に働く人に明確な指針を与える
・自分のチームだけではなく、会社全体に活力を生み出す
・自ら行動し、成功を実現させる方法を見いだす
企業がデジタル革命の波に乗るために優先的に実行する4つのこと
・データを利用して、顧客経験を改善し、自社の顧客基盤を強化する
・社員に権限を与え、新たにデジタル化した仕事の世界で、モバイル生産性の向上やそのための協力関係を追及していけるようにする
・販売、生産、財務などの事業プロセスの自動化、簡略化など事業を最適化する
・自社の製品・サービス・事業のモデルを改革する
エンジニア時代の私の時間管理→配分
・E:Enployee
・C:Customer
・P:Product
・P:Partner
パートナーを忘れがち
数年後に大きな影響がある3つの主要なテクノロジーに投資している
・MR(複合現実)
・人工知能
・量子コンピュータ
これらに投資をするためには3つのCを考慮しなければいけない
・胸躍らせるような構想:concept
・実現に必要な能力:capability
・新しいことを受け入れる文化:curture
・マイクロソフトのコルタナは、アシスタント・ソフトウエアお現状や未来を検証するのに格好の存在
・製品は生まれて消えていくものだが、価値観は不滅だ
・チャールズ・ヘイゼルウッド(指揮者)のTED、オーケストラを指揮するには信頼関係が重要である。それは小鳥を握るようなもので、強すぎると小鳥はつぶれて、弱すぎると飛び去ってしまう
・リンクトインのジェフ・ワイナーCEO:信頼とは長期にわたって一貫していること
E+SV+SR=T/t
・E:empathy:共感
・SV:shared value:共通の価値観
・SR:Safety and reliability:安全と信頼性
・T/t:trust over time:信頼の持続
立法府が信頼を高めるための法的枠組みへの示唆
・制度を効率化する
・プライバシーの保護を強化する
・証拠収集に関する現代的な枠組みを整えること
・テクノロジー業界のために透明性を確保すること
・変化にあわせて法律を現代化していくこと
・セキュリティの確保を通じて信頼を高めていくこと
マイクロソフトのAIへのアプローチの3つの基本原則
・人間の能力や経験を高めるAI
・技術に信頼を直接組込む
・あらゆる人間に開かれ、敬意を払うものとする
・マラウイは携帯電話ユーザーのモバイル決済利用率で、先進国の多くを上回っている
・ルワンダもリモートアクセスやクラウド利用促進で、経済や教育制度の債権を果たした
・インドのインディア・スタックは、本人がその場にいないプレゼンスレス、キャッシュレス、ペーパレスを実現しようとしている
新しい技術の普及までの時間(過去200年の104の技術で対象161か国)
・発明されてから各国に導入されるまで平均45年
▼前回のブックレビューです。
▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。
よかったら、手に取ってみてください。
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