2015年 58冊目『自分を愛する力』
乙武洋匡さんの本です。
副題として、『僕が明るく生きられる理由。自己肯定感とはどのように育まれるのか』とあります。
乙武さんの本は、『五体不満足』や『だいじょうぶ3組』などを読みましたが、どちらも乙武さんの素晴らしさが出ている本でした。この本も良い本でした。
やはり、お母さんが凄いですよね。
四肢がほとんど無い赤ちゃんを初めて見て「かわいい」と言ったのです。これがきっと、乙武さんの大きな人生の分かれ目でした。
病院は、お母さんが赤ちゃんを見て卒倒するかもしれないと、1ヶ月間会わせませんでした。彼が黄疸だったと会わせなかったそうです。
それを信じるお母さんも呑気と言うか大らかですね。
1ヶ月後に会った時に「タオルにくるまっていて、よく分からなかったし、1ヶ月会えなかったので、ホント可愛いって思ったのよ」とおっしゃったようです。
小学校時代に移動に車椅子を使わせないで教室間移動や校庭への移動をさせる担任の先生のエピソードが出てきます。周囲の先生方は反対します。
しかし担任の先生は意見を曲げません。
乙武さんの立場からは、大変だったようです。車椅子だとあっと言う間の距離も乙武さんの、しかも小学生の大きさや力ではとても時間がかかります。また、冬の校庭は、お尻から寒さが上がってくると言う描写もあります。
しかし、できないと言いたく無いのでやり続けたそうです。ところが、そのおかげで、彼はエレベータなどの特別設備が無い中学校に進学できるわけです。車椅子でした移動できないと、受け入れられないと言われるところだったのです。
お腹が空いている人に、魚を釣ってきてあげるのか、魚の釣り方を教えるのか。と言う話があります。この担任の先生は釣り方を教えてあげたわけですね。自分ならできるかな?と思いました。
乙武さんには2人の息子さんがいるのですが、彼らとのエピソードも好ましいです。乙武さんはトイレをする際に奥さんがズボンとパンツを下ろしてくれるそうです。ところが、それを見ていた1歳半の次男君が奥さんの代わりにしてくれたそうです。
なんか愛に溢れている家族なんだなって思いました。
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。