2023年 97冊目『精神と自然』
松岡正剛塾AIDAに通っています。
その課題図書でした。
いやー、難しい本でした。
訳者の佐藤良明さんから、この本を読む際の補助線を以下のような文章で頂きました。
1 P29 精神(マインド)は空(くう)なのだ。マインドという物があるわけではない。マインドとは、それが生み出すアイデア(観念)の中にのみ存在する。だが、それらもやはり物ではない。ただ、観念(アイデア)も現象に内在する。諸例において観察される。ところがその例というのがまた実体ならざるものである。
⇒今回のテーマ、意識と情報を考える際に、精神(マインド)を考えるのは重要だから。
⇒ここでいう「空」とは何か?もの、実態が無いという意味か。
2 P59 科学的思考においては前提の認識が重要である。科学理論を組み立てるのには良い方法と悪い方法とがある。悪い方法が改善されていくためには、それが前提とするところをつねに明確にしておくのがよいことは間違いない。
⇒物事を考える基本である
⇒今回もそう
⇒ここでいう「前提」とは何か? 仮説や公理と同じことか。
3 p62 科学は何も証明しない P63 優れた科学者のすべてがそうであるように、オッカムの剃刀と呼ばれる前提に影響されているからである。
⇒私が優れているかはさて置き、自分自身がついついこうしがちであるから。
⇒このアプローチが科学だと勘違いしていた。ではどうすればよいのか。短絡に答えが見つかると考えることを避ける事か。
4 P68 客観的経験は存在しない。全ての経験は主観的である。われわれが知覚したと思うものは、脳が作り上げたイメージである。すべての知覚-意識されるすべての知覚―がイメージの特性を備えていることは重要な意味を持つ
⇒意識は知覚であり、イメージである。痛みも神経報告によって再構成された私の痛みである。
⇒意識は客観的ではなく、主観的な意識であり、自分のイメージである。言われたら当たり前に思うが、客観的な痛みは無いという事か。
5 P135 差異(ちがい)が生まれるには少なくとも2つの何かを要するということである。差異(ちがい)の知らせ-これを我々は「情報」と呼ぶ-が生じるには、何らかの意味で同一ではない二者(実在しようとしまいと)がなくてはならない。
⇒情報の定義らしきものがある
⇒情報は差異(ちがい)である。つまり地(ベース)があり、それを基準に考えているという事か。
6 P353 脳の中に、脳という器官をつくる神経経路とスイッチ・システムと代謝によって供給される以外の物質的素材は一切ないこと、そしてそれらの脳のハードウェアもマインドの語り(ナラティブ)の中には入り込めないこと、は明白である。豚やココナッツについて思考することはできても、そのとき脳には豚もココナッツもない。そして精神(マインド)にはニューロンすらなく、豚やココナッツの観念(アイデア)があるだけ。
⇒意識を考える重要な考え方であるのではないか
⇒ここでいう観念(アイデア)とは何か?
7 P360 図
【フォーム】 【プロセス】
主題間の相互作用
相互作用の主題の型
類型を決定する相互作用
男女の類型化
行動の記述
⇒多くの現象をマップする上で強力なパラダイムになるから
⇒AIDAの課題の図形を作成する際は言うまでもなく、整理する際の参考になるかも
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よかったら、手に取ってみてください。