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2023年 42冊目『シャープ再生への道』

鴻海から来た戴正呉さん。

わずか1年4か月で瀕死の状態のシャープを一部上場に復活させました。

何が違っていたのかわかる本です。

とても参考になりました。

有言実行ではなく有言実現、これは戴さんの造語ですが、彼がやってきことを表現する言葉でもあります。

挑戦とスピードを大事に経営をされました。

・「勉強会」と呼ぶ社内研修を頻繁に実施した。

幹部に特定のテーマを与え、一緒に学習しながら意見交換をし、ともに知見を深化させてきた

1か月に1,2回。毎回数百人が任意参加。

4象限マトリクス

8K、AIOTなど技術の最新動向

生産・品質管理手法

トヨタ、京セラなどのビジネスモデル

・有言実現のための2つのキーワード

「挑戦」と「スピード」

素晴らしい考え方も「挑戦し続ける姿勢」と「早く」「速く」の行動がないと成就しない

・社長就任直後の2016年8月22日の1回目の社長メッセージ

早期黒字化を実現し、輝けるグローバルブランドを目指す

自己紹介

ビジネスプロセスを抜本的に見直す

コスト意識を大幅に高める

信賞必罰の人事を徹底する

・最後の52回目のメッセージ

会長退任にあたって

6年間の経営の振り返り

過去に例を見ないスピードで東証1部上場復帰

米中貿易戦争やコロナ禍、半導体不測の中、安定的に黒字を実現できる体質になった

1どんな困難な局面でも逃げてはいけない。諦めてはいけない。

困難から逃げていては苦労は2倍になる。正面からぶつかれば、誰からの力を借りることもできる。

2スピード。語源は成功や繁栄を意味するSped。God Sped you:幸運を祈る

3シャープは日本の宝。心からそう思っているし、シャーププライドを持って全身全霊で業務に当たってほしい

・6年間でOB/OGを45名復職してもらった

・人事制度で重視したこと

国籍、年齢、性別にこだわらず成果主義を徹底

昇格、本部間の移動は、すべて社長を経てから実施

人事ローテーションは廃止。研修制度を改定した後、再開するかどうか検討

単身赴任は原則禁止

業績が上がらない経営幹部が、社長の指導を受けても改善しない場合はマネジャーに降格

ストックオプションなどで経営幹部の報酬・給与と連動させる

販売実績が高い営業を正当に評価するインセンティブ制を導入

・人事適正化の12施策

信賞必罰

協力会社などへの事業譲渡

下請け業務を社内に戻す

全社の経営戦略に基づいた子会社の売却

自己都合退職者のフォローと不補充

条件付き早期退職の実施

業績が改善しない事業からの撤退

専門知識に基づく社内での配置転換

事業部門から営業部門への人身シフト

休職制度の活用

出資比率50%未満の独立子会社の設立(知財、物流、法務、IOT、通信、医療など)

専門性のある幹部社員の鴻海グループでの再雇用

・合理的ではない不適切な約束を整理

不注意による独占的な代理契約

専門性不足により、過多な利益率の同意

慣習的な前例踏襲による操業補償

取引が長くなり安易な設備提供義務

検査不足による調達量の保証

利益に符号しない低すぎるライセンス料でのブランド提供

無責任な販売リベート

無知なための現地採用による高額な退職金

不正競争防止法違反、知財侵害などによる対処金

・戴正呉さんの半導体工場での教訓

生産プロセス改善に率先垂範で、3つの仮説を立て、それをクリアしていき、当初の目標を達成した。

・戴正呉さんのプレイステーション受注で事業拡大

SWOT分析+KFS→コスト削減だけでは限界→ビジネスモデルの転換

・4象限マトリクスと多象限経営

アンゾフのマトリクスの応用

既存事業を、新市場あるいは既存顧客に新商品を展開

それがうまくいくと、それぞれが既存商品になるので、

さらに、新市場あるいは新商品を展開することで多象限の経営をすること

つまり静止画でビジネスを見るのではなく、動画で見るということ

これを使って、シャープさんのマスクを3週間で作製スタートできた

・東南アジア展開時の人事

東南アジア展開時に市場に必要な商品開発をするために、日本担当と海外担当に分割

海外担当の事業部長をもともとの事業部長をアサイン

彼は優秀な部下を連れていくので、1年後にはラインナップが拡充



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