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2024年10冊目『脱優等生のススメ』

慶応大学環境学部長だった冨田勝さんの本です。
慶応大学の学生って優等生に思いますよね。

それが脱優等生ってどういう事なんでしょう?

3月に私が主催している経営者塾(中尾塾)で
話をして頂くの手に取りました。

与えられた問題をそつなくこなす優等生はAIに代替される。

それが冨田先生の問題意識です。

点数稼ぎを止めて、自分の「好き」を
徹底的に追及することを勧めているのが、
この脱優等生のススメ。

冨田先生自身がそれを実践しているし、
山形県鶴岡に設立した慶応大学先端生命科学研究所でも
20年間で次世代イノベータを多数生み出しているのです。

昨今は企業からイノベータ人材輩出のサポートも
されています。

私も6月に中尾塾の希望者とお邪魔しようかと思っています。

冨田先生は慶応大学工学部を卒業した後に
カーネギー・メロン大学のコンピュータ科学部で
博士課程を修得された人です。

SFC創設メンバーとして帰国し、
日本初のAO入試の導入を実現されました。

そして山形県鶴岡市に作った
先端生命科学研究所の所長として20年赴任しながら、
環境情報学部長をされた人です。

AIが専門なのですが、
人工知能を考えている時に、
生命がたった1つの細胞から複雑な思考ができる事に興味を持ち、
慶応大学で、医学の授業を受講(つまり、生徒として)し、
その後、生物学をデータ分析するというアプローチを
世界最初に実施したのです。

従来の生物学は仮説検証型だったので、
仮説もなくデータ分析するのは生物学では無いと
大家かお叱りを受けたそうです

もともとイノベータなのです

だから生徒にも新しいことを求めます

普通は0点だというのです

普通のことはあなたはしなくてよい。
それは他の人がすれば良いという事です。

ピンチは望まなくても来ることはありますが、
チャンスはあなたが望まないと来ないのだと言います。

だから、門下生から上場企業ができたり
Spiberのようなユニコーンができたりするのです。

Spiberはタンパク質から微生物を使って
クモの糸のような強い繊維を作る会社です。

当時NASAやアメリカ海軍が作ろうとしていた技術です。

それを学生が作りたいというのです。

ほとんどの人は無理だと言ったそうですが、
冨田さんたちは、
おもしろいからやって見れば良いと応援したそうです。

それが成功し、量産され、
現在アパレルなどで使われているのです。

これ何が凄いかというと、自然破壊を防げるのです。

繊維を作るのに広大な土地や水が必要です。

彼らの技術を使えば、それらが不要になるのです。

現在は繊維ですが、
もとはタンパク質から作っているので、
食品にも活用できます。

そうなると自然破壊を更に防げるのです。

世界のどこかでやった技術を
日本に持ってくるのではなくて
世界にない技術を作る、これだ脱優等生の凄さですね。

▼ 前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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